精密加工
医療用穿刺針のプレス加工を実用化
滋賀県
日伸工業株式会社
2025年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 革新的極小径プレス加工による患者負担軽減を実現する医療用穿刺針の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上) |
キーワード | 極小径深絞り加工,患者負担軽減,センシング技術,工法転換 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 令和3年度~令和5年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
医療現場で使用される穿刺針の品質向上を目的としており、特に内面品質を改善する技術の開発に焦点を当てている。従来の製造方法では、穿刺針内面の加工精度に限界があり、体液との接触によるリスクが指摘されていた。この問題に対応するため、極小径プレス加工技術を開発し、穿刺針の内面品質を改善することで安全性を向上させることを目指している。また、開発技術は低コストでの量産が可能で、国内外の医療需要増加にも対応できる特性を有している。これにより、患者の治療効率を高め、医療現場での使用促進が期待される。
開発した技術のポイント
・極小径プレス加工技術の開発
-適した素材として3種類の試作を実施し、その結果、絞り加工に最も適している1種類を選定。
-絞り加工の構造を最適化することで、内面品質の改善を実現。
-従来工法では加工出来ないプレス加工独自の形状へ変更することで、製品としての性能向上が見込めると評価。
-長時間連続加工での安定した生産が確認され、量産体制構築へ向けた技術的基盤を確立。
・適した評価技術の開発
-3Dレーザー顕微鏡とX線CTスキャンを導入し、内面粗度や板厚分布の非接触評価を実現。
-各工程の製品形状データを取得し、非破壊での品質評価が可能となり、製品の安定性を向上させた。
・量産技術の開発
-トランスファープレスやダイセット・スライダを導入し、量産設備を構築。
-センシング設備を導入し、不良の未然防止と高精度生産を実現。
具体的な成果
・プレス加工技術の開発
-従来工法では加工できない形状でのプレス加工化を実現。
-極めて細長い形状の絞り加工法を開発。
-加工条件の改善により穿刺針の内面品質改善を実現。
・量産技術の開発
-専用プレス機を導入することにより連続生産を実現。
-量産中の生産条件をデータ化し、不良発生を予兆検知する
-IoTシステム(日伸センシング🄬)で高精度の安定生産を実現。
研究開発成果の利用シーン
・医療現場での使用
-患者の負担を軽減する穿刺針として、国内外を問わない医療現場にて使用される。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
さらなる新しい工法の試作も並行して進めており、開発範囲の拡大を目指している。量産技術については、導入済みの設備を用い、効率的な製造が可能な体制が整備済み。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・高難度のプレス加工技術を開発
-極めて細長い形状の製品に対応する技術で、様々な形状に対応。
・材質選定、加工条件確立、評価技術の開発に成功
-極小径プレス加工に最適な材料をを用いた製品で、内面品質改善と穿刺針としての強度を両立。
・非接触で内面粗度を測定し、非破壊で立体形状を確認できる評価技術を開発
・量産技術の向上
-専用設備の導入により、基礎開発段階の生産スピードと比較して、5倍以上の速度で連続加工を実現。
・専用プレス機やセンシング設備を導入し、安定した量産体制を確立。
今後の実用化・事業化の見通し
本事業の開発によって患者負担軽減に寄与する医療用穿刺針が実現でき、高付加価値の穿刺針という新たな市場を事業化できる期待が高まっている。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 日伸工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ 連携推進部 プロジェクト管理室 |
研究等実施機関 | 滋賀県東北部工業技術センター |
アドバイザー | ニプロ株式会社 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 日伸工業株式会社(法人番号:3160001000063) |
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事業内容 | 精密プレス部品の製造及び組立、精密プレス金型の設計・製作 |
社員数 | 355 名 |
本社所在地 | 〒520-2152 滋賀県大津市月輪1丁目1-1 |
ホームページ | https://nissinjpn.co.jp/ |
連絡先窓口 | 技術部 係長 松下 祐輔 |
メールアドレス | y.matsushita@nissinjpn.co.jp |
電話番号 | 077-543-2467 |
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