文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 膨化糸の研究開発により、柔らかく、吸水性や速乾性等に優れた高機能・高感性繊維製品を実現

複合・新機能材料

膨化糸の研究開発により、柔らかく、吸水性や速乾性等に優れた高機能・高感性繊維製品を実現

岐阜県

浅野撚糸株式会社

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 高機能性・高感性を持たせる膨化糸を使用した織編物の研究開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 医療・健康・介護
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成24年度~平成26年度

プロジェクトの詳細

事業概要

介護分野では、繊維製品がQOL向上に果たす役割を重要視しており、高い機能性を持つ製品を求めている。本研究では、柔軟性、保温性、吸水・速乾性等の高機能を実現する糊付処理・高速特殊撚糸による膨化糸加工技術を確立し、衛生的で心地良いヘルスケア製品を開発する。また一般衣料向けにも軽量性、良好な肌触り等の機能性付与と多様な感性価値に応えるファッション創造製品を開発し、ライフスタイル関連市場での裾野を広げる

開発した技術のポイント

ユーザーニーズ(高機能性・高感性とその持続性)への対応に必要となる膨化糸を、より効率的に低コストで生産するための加工技術・装置の開発と膨化糸の形態安定処理条件を確立する
(新技術)
ユーザーニーズに対応する膨化糸を開発するための加工技術・装置の開発と織編み可能な膨化糸の形態処理条件を確立した

(新技術の特徴)
高機能性・高感性とその持続性というユーザーニーズへの対応が可能な繊維素材が提供できる

具体的な成果

・低コストで特殊撚糸加工を行うための元撚り固定処理装置及び高速複合撚糸装置の開発
‐単位時間あたりの生産量が25.0%向上
‐単位生産量あたりの生産コストを7.4%低減
・特殊撚糸加工糸の形態安定処理法と処理装置の開発
‐張力解除後の加工糸の巻き付き現象が発現しない
‐製織、製編時の作業効率が一般的な紡績単糸と同等
・高機能性・高感性化ヘルスリネン製品、介護用品、アパレル製品の試作・評価

研究開発成果の利用シーン

高機能性・高感性とその持続性を持ったヘルスケアリネン製品(ニットパジャマ、ガーゼパジャマ、タオル等)、介護用品(ピロケース、布団等)、アパレル製品(ニットTシャツ、スポーツシャツ等)の提供

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・膨化糸の供給は、アパレルメーカー、商社、寝装寝具メーカー5社が、採用に前向きである
・ヘルスケアリネン製品(ビューティータオル)の試作品を国際化粧品展に出展し、百貨店ルートでは1社、免税店ルートでは2社、通販ルートでは1社、海外ルートでは5社から取り扱いの要望があった

製品・サービスのPRポイント

膨化糸の開発により、高機能性・高感性とその持続性をもった繊維製品を実現、新規顧客開拓が可能に
・開発した膨化糸でヘルスケアリネン製品、介護用品の開発を行うことにより、衛生的で心地よいヘルスケアライフを提供できる(同一成分のレギュラー糸による同一規格の布帛を対象とし、保温率28.6%向上、吸水速度及び吸水率44.7%向上、膨らみ度が136%、圧縮弾性率(圧縮率、回復)43.6%向上、単位面積当たりの重量24.4%低減)
・アパレル製品では、ニットTシャツ、スポーツシャツのみならず、横編セーター、ジーンズ、靴下への転用も可能である
・高機能性、高耐久性及び高感性化を持った製品開発が可能となり、新規顧客の開拓が可能となった

今後の実用化・事業化の見通し

・膨化糸の供給は、ヘルスケアリネン製品・介護用品では1社、アパレル製品では、34社が採用に前向きである
・加工条件が確立した一本糊付け元撚り固定処理方法の加工糸より事業化を開始し、当社高級タオルブランド「VOGA」ビューティケアタオルに採用し、平成27年6月より免税店や百貨店、インターネットにて販売を開始した

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 浅野撚糸株式会社
事業管理機関 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター
研究等実施機関 岐阜県産業技術総合センター
国立大学法人名古屋大学
国立大学法人名古屋工業大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 浅野撚糸株式会社
事業内容 撚糸加工
本社所在地 〒503-0124 岐阜県安八郡安八町中875-1
ホームページ http://www.asanen.co.jp/
連絡先窓口 経営推進室常務執行役員 河合達也
メールアドレス kawai@asanen.co.jp
電話番号 0584-71-8813