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バイオ

再生医療研究に貢献する次世代ロールモデルの自動培養装置

千葉県

ネッパジーン株式会社

2025年1月27日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 世界初の自動培養と生体内環境を再現できるIoT・AI技術を融合した安価なスマートシステムの開発
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 医療・健康・介護、産業機械、食品、建築物・構造物、化学品製造
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化
キーワード コンタミネーションリスク軽減、品質担保、製造期間短縮、AI・IoT
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和3年度~令和5年度

プロジェクトの詳細

事業概要

IoTやAI技術を活用し、自動培養機能と複数の物理的化学的刺激機能を統合した培養装置を開発している。この装置は、低コストでの実用化を目指し、細胞の播種から分化、回収までを自動化し、同時に加圧やずり応力などの刺激を付与できる機能を有している。さらに、AI技術を利用して培養条件を学習し、再現性を向上させ、遠隔地からの操作も可能とすることを目指している。

開発した技術のポイント

・細胞播種から回収の自動培養機能を有した装置
・自動培養装置へ複数の物理的化学的刺激(圧力、ずり応力、ガス刺激、薬剤刺激の4刺激)機能の実装
・圧力及びずり応力・圧力刺激が付与できる2種類の密閉系培養容器の開発
・2種類の密閉系培養容器へ温度応答性細胞剥離技術の実装
・AIを活用した培養条件の学習とIoTによる遠隔操作の可能なシステムを開発
・物理的化学的刺激による歯髄幹細胞などの分化促進・増殖促進の最適化
・他の細胞種への応用展開の検討

最終試作機
具体的な成果

・IoT・AI技術を活用した自動培養機能と複数の物理的化学的刺激機能を有した装置の開発
-圧力、ずり応力、ガス刺激、薬剤刺激の4種類の物理的化学的刺激を細胞に付与でき、細胞の播種から回収までを自動で行える装置を開発した。
-AI機能により、センサーから得られるログ情報を基に培養条件を最適化し、精度を向上させた。
・温度応答性細胞剥離技術を応用した密閉系培養容器の開発
-無菌試験に合格、90%以上の剥離率を達成。
-開発容器で培養した細胞の核型異常、染色体異常は5%以下の発生率を達成。
・物理的化学的刺激による歯髄幹細胞などの分化促進・増殖促進の検討
-物理的化学的刺激によりヒト歯髄幹細胞の骨芽細胞分化を促進することで、無刺激の2倍以上の分化細胞生産効率を達成。
-物理的化学的刺激により、いくつかの骨分化マーカー遺伝子の発現量が1.5倍以上に亢進していることを確認。
-物理的化学的刺激により、歯髄幹細胞の増殖能:従来の1.2倍以上を達成

知財出願や広報活動等の状況

特許第5866663号「顕微鏡用細胞収容器」で確立した要素技術の応用特許として、自動培養装置と物理的化学的刺激装置を統合した装置に関する技術の新規性を抽出して、特願2024-013960「細胞培養装置及びそれを用いた細胞培養方法」を出願。

研究開発成果の利用シーン

再生医療の分野で、細胞の増殖や分化のスピードを向上させる場面で有効である。特に、医療機関や研究機関において、高機能な細胞を低コストで迅速に培養するための装置として利用が期待される。さらに、リモート操作による生産性向上や、遠隔地での操作が可能であることから、多様な環境での適用が可能である。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

事業化へ向けて、事業参画機関である東京科学大学及びアドバイザーへ評価を依頼して、アプリケーション開発、プロトコルの最適化、ユーザビリティ向上などを行い、IoT・AI技術の機能を充実させて更なる商品力の向上を目指す。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

従来の高コストな自動培養装置に対し、低価格でありながら高機能な自動培養と物理的化学的刺激を同時に付与できる点が特徴である。また、AI技術を活用して培養条件を学習し、再現性を確保しつつ、遠隔地からも操作が可能である点も強みである。

今後の実用化・事業化の見通し

国内販売に先立ち新規アプリケーション開発に協力可能なユーザーへのモニター販売も開始し、製品化に向けての準備を行っていく予定である。国内販売時期は2026年度の日本再生医療学会総会開催日、アジア展開は2027年度、世界展開は2028年度を目標とする。

実用化・事業化にあたっての課題

・低コスト化とIoT・AI技術の充実による競合他社との差別化。
・様々な幹細胞の各種刺激条件、細胞周期、細胞増殖、細胞分化などのデータを統合し、関連性や相関関係を解析して、統計的手法や機械学習アルゴリズムを活用して、膨大なデータからパターンやトレンドを抽出して最適化する必要性あり。
・早期最終仕様の決定、製造コスト・部材点数の削減の検討をして、製造バリデーションを早急に行い、安定した量産化体制を構築する必要性あり。

事業化に向けた提携や連携の希望

アプリケーション開発、プロトコルの最適化、ユーザビリティー向上に協力してくれるユーザーを募集中

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 ネッパジーン株式会社 商品企画開発部
事業管理機関 公益財団法人千葉県産業振興センター 新事業支援部
研究等実施機関 国立大学法人東京医科歯科大学 小児歯科学・障害者歯科学分野 教授 岩本勉
国立大学法人東京医科歯科大学 口腔機能再構築学講座・歯髄生物学分野 准教授 川島伸之
アドバイザー 株式会社新日本科学
公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団
学校法人松本歯科大学
株式会社フロンティアメドテック

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 ネッパジーン株式会社(法人番号:4040001028462)
事業内容 理化学機械器具等製造業、機械器具卸売業
社員数 17 名
生産拠点 研究開発拠点 商品開発研究センター 千葉県市川市大野町4-2963-8
本社所在地 〒272-0114 千葉県市川市塩焼3-1-6
ホームページ https://nepagene.jp/
連絡先窓口 商品企画開発部 部長 鈴木 孝尚
メールアドレス suzuki@nepagene.jp
電話番号 047-306-7222