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研究開発された技術紹介

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測定計測

透過中心波長とバンド幅を電子制御可能な分光素子「液晶波長可変フィルタ(LCTF)」を開発し、それを組み込んだ高感度LCTFカメラ、人工衛星搭載用・宇宙望遠鏡、医療用・顕微アダプタを開発した

東京都

株式会社ジェネシア

2025年1月27日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 透過中心波長とバンド幅の双方を電子制御可能とする液晶波長可変フィルタの開発とそれを用いた分光撮像システムの実現
基盤技術分野 測定計測
対象となる産業分野 医療・健康・介護、航空・宇宙、光学機器
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、低コスト化
キーワード 分光素子、LCTF(液晶波長可変フィルタ)、高感度カメラ、人工衛星搭載用・宇宙望遠鏡、医療用・顕微アダプタ
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和2年度~令和4年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本プロジェクトでは、液晶波長可変フィルタ(LCTF)を用いた分光撮像システムの開発を行った。このLCTFは、波長400nmから1,600nmの広い範囲での波長可変が可能で、従来の技術では難しかった透過中心波長とバンド幅の双方を電子制御で可変とすることができる。また、このフィルタを組み込んだ広角分光撮像カメラ、人工衛星搭載用の宇宙望遠鏡、医療用顕微アダプタの開発に成功し、広い応用範囲を実現した。

LCTF外観
SpectralProfile
開発した技術のポイント

・液晶波長可変フィルタ(LCTF)の高性能化
‐ 透過中心波長と透過バンド幅の電子制御が可能
・オーバードライブ駆動により、波長切替時間を300msecから80msecに短縮
・超高感度カメラとの組み合わせで、可視波長域におけるS/N比が100倍以上に向上
・分光撮像システム(広角分光撮像カメラ、人工衛星搭載用宇宙望遠鏡、医療用顕微アダプタ)の開発

具体的な成果

・液晶波長可変フィルタ(LCTF)の透過中心波長とバンド幅の電子制御化を実現
・超高感度カメラと組み合わせた結果、可視波長域におけるS/N比が100倍以上に向上
・オーバードライブ駆動により、波長切替時間を80msecに短縮
・新開発のLCTFを搭載した広角分光撮像カメラ、人工衛星搭載用宇宙望遠鏡、医療用顕微アダプタを開発し、性能評価を行った

知財出願や広報活動等の状況

・成⽴特許
発明の名称: 液晶波長可変フィルタの製造装置
特許番号: 特許第7223382号
・出願特許
発明の名称: バンド幅可変制御機構
出願番号: 特願2023-16791

研究開発成果の利用シーン

本研究開発の成果は、医療、農業、環境探査、宇宙望遠鏡、ドローン搭載カメラなど、幅広い応用が見込まれる。たとえば、医療分野では、顕微鏡で病理検体の組成分析や腫瘍診断が可能である。環境分野では、ドローンや人工衛星に搭載することで、農作物の鮮度分析や地球環境の観測が行える。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

本事業では、液晶波長可変フィルタを搭載した分光撮像システムを多様な市場に展開している。特に、人工衛星搭載用の宇宙望遠鏡は、国内外の研究機関や企業からも注目されている。また、広角分光撮像カメラは、ドローン搭載による農作物や環境の観測に利用され、医療分野でも導入が進んでいる。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

液晶波長可変フィルタ(LCTF)の最大の特徴は、透過中心波長とバンド幅の双方を電子制御できる点である。これにより、従来の技術では難しかった高精度な分光解析が可能となり、医療や環境、農業、宇宙探査など幅広い分野での応用が期待されている。また、超高感度カメラとの組み合わせにより、暗い対象物でも高いS/N比の画像を取得できる。

今後の実用化・事業化の見通し

今後は、分光撮像システムのさらなる小型化やコスト削減を図り、農業、医療、宇宙探査などの新しい市場に対応した製品展開を進める予定である。特に、ドローン搭載や人工衛星搭載による環境モニタリング分野での実用化が期待されている。

実用化・事業化にあたっての課題

・液晶波長可変フィルタの製造コストが高い
・バンド幅の可変制御に対する高精度な技術をさらに向上させる必要がある
・事業化に向けた市場開拓と顧客のニーズに応じた製品改良が求められている

事業化に向けた提携や連携の希望

サポイン事業で開発および実用化に成功したLCTFデバイスは、機能や性能を最大限に発揮するため、特殊な光学レンズ系や機構系と組み合わせるのが良い。この光学系・機構系の開発を、内閣府・経産省・NEDOが実施する Kプログラム(赤外多波長センサの開発事業)で実施中である。
また、このKプログラムにおいて、LCTFの利点にマッチするような市場調査、試験観測等の取り組みにも注力している。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ジェネシア 武山芸英
事業管理機関 株式会社ジェネシア 技術部 白簱麻衣
研究等実施機関 独立行政法人国立高等専門学校機構仙台高等専門学校 若生一広(仙台高等専門学校)
アドバイザー キヤノンマーケティングジャパン株式会社
東京工業大学
財)宇宙システム開発利用推進機構
経済産業省宇宙室
安全保障に係る国家組織
北海道大学
横浜国立大学
大阪大学
琉球大学
鳥取大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ジェネシア(法人番号:5012401012551)
事業内容 光学設計・開発、計測サービス、コンサルテーション
社員数 10 名
生産拠点 東京都三鷹市
本社所在地 〒181-0013 東京都三鷹市下連雀3-38-4 三鷹産業プラザ601
ホームページ http://www.genesia.co.jp/index.html
連絡先窓口 技術部 白簱麻衣
メールアドレス mai@genesia.co.jp
電話番号 0422-76-2773