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測定計測

専門オペレーターでなくても使用できるナノ分析顕微鏡を開発する

大阪府

ナノフォトン株式会社

2025年1月22日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 最先端の半導体開発を支えるナノ分析顕微鏡‐組成・応力・形状をナノレベルで分析・可視化する装置の開発
基盤技術分野 測定計測
対象となる産業分野 電池、半導体、エレクトロニクス、光学機器、化学品製造
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)
キーワード 非破壊分析,ラマン分光分析
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 令和4年度~令和5年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本研究開発では、ナノレベルで微細化が進む最先端の半導体に適した新たな分析装置を開発した。具体的には、先端増強ラマン顕微鏡という物質の組成・応力・形状をナノレベルで分析・可視化する顕微鏡における実用化への課題解決を目標とし、ユーザーの熟練度に依存せず利用可能な装置を開発した。

開発した技術のポイント

・プローブ制御ユニットと対物レンズを一体化した原子間力顕微鏡(AFM)
 -プローブ制御ユニットを対物レンズと統合。
 -直径数十nmの金属ナノ粒子や単原子層ステップを高解像度で観察可能。
・TERS顕微鏡システムの構築
 -ラマン顕微鏡とAFMシステムを統合し、プローブとレーザーの焦点を調整可能な設計。
 -モジュール設計でレーザーの交換を容易に。
・TERSプローブの作製
 -金属ナノ粒子が離散的に塗布されるプローブの製作方法を開発
・解析ソフトウェアの開発
 -スペクトルデータから成分を自動抽出する新しいアルゴリズムを開発。
 -多成分ラマン画像から物質成分の自動抽出に成功。

具体的な成果

・新たな光学系を有するTERS顕微鏡システムを構築
 -対物レンズを一体化した原子間力顕微鏡(AFM)を開発した。
 -上記AFMとラマン顕微鏡を統合し、TERS顕微鏡を構築した。
・新設計のTERSプローブを開発
 -金ナノ粒子が離散的に塗布されたTERSプローブを開発した。
・ユーザビリティーを考慮したソフトウェアを開発
 -典型的な試料に対する測定の初期パラメータをリスト化し、選択可能にした。
 -複数のラマンスペクトルから、物質成分を自動で抽出する機能を開発した。

研究開発成果の利用シーン

・受託分析メーカーでの試用
 -新しい分析装置をすぐに導入できないメーカー向けに、受託分析メーカーでの試用を経て本格導入を促進。
・半導体分野での応用
 -半導体分野における微小領域の応力測定や材料分析に使用される。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

個別の技術課題には一定の成果があったものの、TERS顕微鏡としての評価には至らなかった。今後は研究開発を継続し、製品の完成を目指す。事業化の初期段階として、受託分析メーカーへの導入を行い、その後、半導体メーカーへの本格導入を図る計画である。また、論文発表や展示会参加を通じて認知度向上を図る。

提携可能な製品・サービス内容

試験・分析・評価

製品・サービスのPRポイント

・高解像度の観察能力
 -AFMの性能として、1nm以下の原子ステップを解像可能。
・モジュール設計による柔軟性
 -ラマン顕微鏡部分のレーザー交換が容易。
・コスト削減と事業化の先行
 -開発した制御エレクトロニクスが、既存のラマン顕微鏡製品にも採用され、原価削減を実現。
・高再現性のTERSプローブ
 -探針に金ナノ粒子を高い精度で配置し、プラズモン共鳴による高感度な計測を可能に。
・ユーザーフレンドリーなソフトウェア
 -初期パラメータのリスト化やオートフォーカス機能の実装により、操作が簡便化。
・多機能なスペクトル解析
 -多変量解析や蛍光とラマンスペクトルの分離など、測定精度とユーザビリティーの向上。

今後の実用化・事業化の見通し

・受託分析メーカーへの導入を第1段階とし、半導体メーカーへの本格導入を目指す。
・ショールームでのデモ機展示や学会・展示会での発表を通じて認知度を向上させる。
・他の半導体分析装置より安価で導入しやすい価格設定を採用。
・顧客の資金確保には通常数年かかるため、急速な販売拡大は見込めないが、長期的に国内外での売上増加を期待。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 ナノフォトン株式会社
事業管理機関 ナノフォトン株式会社
研究等実施機関 国立大学法人大阪大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 ナノフォトン株式会社(法人番号:7120001103816)
事業内容 最先端理科学機器の開発・製造・販売
社員数 11 名
本社所在地 〒562-0036 大阪府箕面市船場西3-1-7
ホームページ https://www.nanophoton.jp/
連絡先窓口 小林 実
メールアドレス info@nanophoton.jp
電話番号 072-736-9181