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材料製造プロセス

高品質シリカ灰製造用もみ殻処理炉の高性能化と建築資材用シリカ原料の開発

富山県

北陸テクノ株式会社

2025年1月27日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 高品質シリカ灰製造用もみ殻処理炉の高性能化と建築資材用シリカ原料の開発
基盤技術分野 材料製造プロセス
対象となる産業分野 農業、食品、建築物・構造物
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、環境配慮、低コスト化
キーワード もみ殻シリカ灰,発泡ジオポリマー,水ガラス,脱プラスチック
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和2年度~令和4年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本研究では、もみ殻を用いた低温安定燃焼技術を活用し、非晶質のシリカ灰を連続生産することを目指した。もみ殻には20%のシリカが含まれているが、燃焼灰の結晶化や燃焼障害が課題であった。北陸テクノ株式会社は、これらの課題を克服するために新たな燃焼炉を開発し、シリカ灰の連続生産と建築資材用のシリカ原料を生成するシステムを構築した。また、排熱エネルギーを活用することで、エネルギーとマテリアルの両方を利用可能な技術を確立した。

開発した技術のポイント
もみ殻処理炉

・もみ殻の低温安定燃焼技術の確立
‐燃焼炉の温度制御により結晶化を防ぎ、非晶質シリカ灰の連続生産を実現
‐農業用、工業用、食品用など多用途に適応できる高活性シリカ灰を製造
・炉内コントロールシステムの開発
‐炉内温度、燃焼時間、空気供給量のバランスを最適化
‐遠隔地からの燃焼条件の監視・制御を可能にするIoTシステムの導入
・高付加価値製品の開発
‐建築資材用の発泡ジオポリマーをシリカ灰から製造

具体的な成果

もみ殻シリカ灰の連続生産に成功し、発泡ジオポリマーの製造に利用できる高品質なシリカ灰を確立した。また、シリカ灰の連続生産を実現するための新規燃焼炉を開発し、農業用肥料や工業用資材として利用可能なシリカ灰を安定的に製造できることを実証した。さらに、ジオポリマーの発泡性や断熱性能の向上を図り、耐熱性に優れた建材としての活用が期待される結果を得た。

発泡ジオポリマー1
発泡ジオポリマー2
知財出願や広報活動等の状況

・広報活動: 北陸テクノ株式会社の新技術として、地域産業との連携を通じてシリカ灰の利用促進を広くPR

研究開発成果の利用シーン

もみ殻シリカ灰の利用は、以下のシーンで展開可能である。
・農業用途: 肥料として利用され、既に実用化に至っている
・建材用途: 発泡ジオポリマーを建築資材として利用し、耐熱性・断熱性の高い素材として新たな市場に投入可能
・工業用途: 高純度シリカ灰を原料に、水ガラス製造などに利用

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

シリカ灰の連続生産とともに、建築資材や工業資材としての市場展開を進めている。農業分野では既に肥料としての利用が実用化されており、次のステップとして建築用発泡ジオポリマーの市場投入を目指している。また、燃焼炉のエネルギー効率化やオペレーションのAI化を進め、コスト削減を図っている。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造、試験・分析・評価

製品・サービスのPRポイント

本プロジェクトで開発した技術により、もみ殻から抽出された非晶質シリカ灰は高い活性を持ち、断熱性に優れた発泡ジオポリマーや高付加価値な水ガラスの原料として使用可能である。特に、環境に優しいバイオマス資源を活用した持続可能な技術として、市場での競争力が高い。

今後の実用化・事業化の見通し

シリカ灰の連続生産技術は既に確立されており、農業用肥料としての普及が進んでいる。今後は、建築資材や工業用途への展開を進め、さらなる市場拡大を目指す。また、燃焼炉のエネルギー効率向上やオペレーションのAI化により、コスト削減と量産体制の確立が期待される。

実用化・事業化にあたっての課題

・燃焼炉のエネルギー効率のさらなる改善
・AI技術を用いたオペレーションの自動化と低コスト化
・生産コストの削減と量産体制の確立
・シリカ灰の品質安定化と高付加価値化

事業化に向けた提携や連携の希望

建築・建設業界で内装材や断熱材を製造している企業、また工業的純度を満たし安価な水ガラスを原材料として用いている企業との連携を模索中である。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 北陸テクノ株式会社
事業管理機関 公益財団法人富山県新世紀産業機構 イノベーション推進センター
研究等実施機関 倉敷紡績株式会社 化成品事業部 技術統括部
独立行政法人国立高等専門学校機構小山工業高等専門学校 一般科・森下研究室
いみず野農業協同組合 営農経済部
学校法人早稲田大学 創造理工学部環境資源工学科・山崎研究室
国立大学法人京都工芸繊維大学 材料化学系・塩野研究室
アドバイザー 元(独)農研機構 伊藤純雄
(株)ウッドプラスチックテクノロジー 代表取締役 中山東太

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 北陸テクノ株式会社(法人番号:1230001012846)
事業内容 工業炉、環境炉の設計・製作・据付・メンテナンス
社員数 20 名
生産拠点 本社工場(富山県)
本社所在地 〒939-0321 富山県射水市青井谷1-8-3
ホームページ https://www.h-techno.com
連絡先窓口 技術部 木倉 崇
メールアドレス t_kikura@h-techno.com
電話番号 0766-57-1400