接合・実装
高出力可能な高周波インバータ開発によるIHはんだ付け装置の実現
神奈川県
株式会社スフィンクス・テクノロジーズ
2025年1月27日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 世界初の磁束集中型誘導加熱機構と高度制御可能な高周波インバータを用いた高熱容量端子対応局所IHはんだ付け装置の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、情報通信、スマート家電、半導体、工作機械、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮 |
キーワード | 誘導加熱,IH,はんだ付け,非接触,高熱容量 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
非接触型の局所誘導加熱(IH)技術を活用し、高熱容量端子に対応できるはんだ付け装置の開発を行った。対象物に対して集中加熱を行うことで、狭いスペースでも効率的なはんだ付けが可能となる。この装置は、センサ端子や大電流用端子のような幅広い用途に対応し、従来のコテはんだ付けと比較して、より高速かつ正確な接合を実現した。また、高周波インバータを用いた高効率の加熱技術により、生産性向上を図ることができた。
開発した技術のポイント
・高周波インバータを採用し、従来の3倍出力(450A)を実現した。
・磁束集中コアの先端形状の最適化の検討を行い、狭ピッチ部や狭小スペースでの精密なはんだ付けが可能となった。
・非接触型の加熱技術により、はんだボールの抑制やフラックスの持続活性が実現され、ツール交換が不要な構造を持つ。
・自動点検・清掃機能を備え、長期間にわたる安定した稼働が可能。
・省電力で高効率な加熱技術により、低コストでの運用が可能。
具体的な成果
・局所誘導加熱装置により、40万ショットを超える稼働実績を達成。
・大電流対応端子やセンサ端子に対する高速・精密なはんだ付け技術が確立された。
・フィールドテストにより、設備の堅牢性や稼働率向上のための改善策が導入され、量産実用化に向けた実証が完了した。
・従来のコテはんだ付けと同等以上の信頼性が確認され、局所誘導加熱による優位点が明確化された。
知財出願や広報活動等の状況
「特願2021-197625」高周波誘導はんだ付け装置、「特願2022-99788」高周波誘導加熱装置など、7件の特許出願、そのうち2件が特許成立済み
・マイクロエレクトロニクスシンポジウム(MESS2022) 2022/9/6 学会論文発表
「局所誘導加熱を利用した非接触はんだづ技術の開発」 坂井 雄一
・第29回エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術シンポジウム(MATE2023) 2023/1/24 学会論文発表
優秀論文賞受賞 「局所誘導加熱を利用した非接触はんだづけにおける加熱シミュレーション」 熊田 泉実
研究開発成果の利用シーン
自動車用センサーやパワーデバイス、高密度実装された小型電源回路など、電子部品が高密度に集積される分野での応用が期待される。特に、従来のはんだ付け技術では難しかった大電流端子や狭ピッチ端子の接合において、効率的かつ安定した性能を提供する。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
フィールドテストを通じて4社での導入実績があり、42万点以上のはんだ付けを実施し、良好な結果を得ている。今後、さらなる改善を加え、より多くの川下企業への展開を進める予定である。特に、自動車やロボット関連企業からの需要が期待されており、事業規模拡大が見込まれている。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造
製品・サービスのPRポイント
非接触型の局所誘導加熱技術を活用したはんだ付け装置であり、従来のコテはんだ技術に比べて高速で省電力、そして高精度な接合が可能である。また、ツールの消耗が少なく、長期間安定して運用できるため、コスト削減にも貢献する。
今後の実用化・事業化の見通し
局所誘導加熱技術によるはんだ付け装置は、特に自動車産業やエレクトロニクス分野において需要が高く、今後さらに拡大することが期待される。また、設備の堅牢性や稼働率向上に向けた改善が進み、量産実用化が現実的な目標となっている。
実用化・事業化にあたっての課題
・高熱容量端子への対応において、さらなる加熱スピードの向上が求められる。
・導入企業からのフィードバックをもとに、操作の簡略化やメンテナンスの効率化を図る必要がある。
・競合技術との比較において、さらなる性能向上とコスト削減が事業拡大の鍵となる。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社スフィンクス・テクノロジーズ |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人富山県新世紀産業機構 イノベーション推進センター |
研究等実施機関 | アポロ精工株式会社 技術部 シードシステムズ株式会社 国立大学法人富山大学 学術研究部 富山県産業技術研究開発センター 機械電子研究所 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社スフィンクス・テクノロジーズ(法人番号:5020001118058) |
---|---|
事業内容 | 誘導加熱装置の研究開発と用途開発および非接触宮殿の研究開発と用途開発 |
社員数 | 9 名 |
本社所在地 | 〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜1丁目18番3 |
ホームページ | https://www.s-finx.com/ |
連絡先窓口 | 熊田 泉実 |
メールアドレス | izumi_kumada@s-finx.com |
電話番号 | 0766-92-2907 |
研究開発された技術を探す