測定計測
AiP(アンテナ一体型パッケージ)の正確な測定を可能にする
千葉県
株式会社テクノプローブ
2025年1月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 第5/第6世代無線通信用アンテナ一体型パッケージ(AiP)評価装置の開発と事業化 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、情報通信、スマート家電、半導体、工作機械、エレクトロニクス、光学機器、物流・流通 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上) |
キーワード | 5G/6G、高周波プローブ、高周波プローバー、AiP、誘電体プローブ |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本プロジェクトは、5Gや6Gに使用されるAiP(アンテナ一体型パッケージ)の正確な測定を可能にする技術開発を目指している。まず、セラミックやLTCC基板の凹凸構造に対応可能な340GHz帯のMEMSプローブと、その校正方法の開発を行った。次に、誘電体プローブのアンテナ接続部の構造および導波路部分の設計・開発を実施。さらに、両面からのプローブ測定に対応する新型プローバーと、プローブ走査技術の開発を行った。これにより、AiPの正確な測定が可能となり、今後の高速通信技術の発展に大きく貢献することが期待される。
開発した技術のポイント
・340GHz MEMSプローブおよびその校正方法の開発
-試作品の挿入・反射損失共に目標値を達成し、プローブ校正方法や校正基板の確立に成功。
・誘電体プローブのアンテナ接続部の構造開発および誘電体導波路の設計・開発
-試作品の挿入・反射損失共に目標値を達成し、組立技術確立に成功。
・高周波プローブと誘電体プローブに対応した新型プローバーおよびその走査技術の開発
-試作品の繰り返し精度2%以下に成功、自動プローブアライメント機構、走査プローブ要素の確立に成功。
具体的な成果
・340GHz MEMSプローブおよびその校正方法の開発
-反射損失10dB、挿入損失5dB以下、校正後のダイナミックレンジ15dB以上の目標値を達成。
・誘電体プローブのアンテナ接続部の構造開発および誘電体導波路の設計・開発
-反射損失10dB、伝送損失1dB/cm以下の目標値達成。
・高周波プローブと誘電体プローブに対応した新型プローバーおよびその走査技術の開発
-測定繰り返し精度2%以下、ダイナミックレンジ20dB以上の目標値を達成。
知財出願や広報活動等の状況
実用新案、特許の出願はありません。
研究開発成果の利用シーン
本プロジェクトで開発されたMEMSプローブ、誘電体プローブ、新型プローバーは、5Gおよび6GのAiPの測定において広く利用される。特に、325GHz帯での高精度な測定が求められる場面で、これらのプローブとプローバーが力を発揮する。加えて、携帯端末市場に限らず、自動車や航空宇宙、半導体、通信基地局など、さまざまな高周波デバイスの開発・検査にもビジネス展開が可能。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
このプロジェクトで開発したプローブとプローバーは、アドバイザー各社から業界最先端のAiP測定トータルソリューションとして高く評価された。今後のAiP研究開発から量産検査において大きな貢献を果たすことを目指し、引き続き共同体で早期の事業化に向けたプロジェクトを推進する。
また当該研究成果物、関連製品の受注増加が見込めるため、当社製造会社において1名の設計エンジニア、専任の製造者2名、事務員2名を雇用した。
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
本プロジェクトで開発された測定システムは、325GHz帯での精密な測定を可能にし、5Gや6Gに対応した高周波デバイスの開発・量産検査において不可欠なツールとなる。MEMSプローブ、誘電体プローブ、新型プローバーはそれぞれ、精度の高い測定と柔軟な設計対応を実現しており、他社製品に対して明確な技術的優位性を持っている。現在、同様の技術を提供する企業は市場に存在せず、本プロジェクトで開発された技術は競争優位に立つ独自の技術である。
今後の実用化・事業化の見通し
本事業の終了時点である2023年から2025年頃にかけて、6Gの仕様が確定すると見込まれている。そのため、本事業で開発した測定システムの技術を確立し、6Gの要求仕様が確定する2025年頃までに、6G向け測定システム製品のリリースが必須であると考えられる。また、NOKIAを中心とした6Gflagshipへの参画を通じて、開発した計測技術や製品の情報をアピールし、測定仕様の提案を行うことも可能である。
本事業の終了時点の2023年に比べ、2024年は国内・海外問わずWR3(325Ghz)プローブの需要が増加していて、2025年には更に多くの需要を獲得できると考えている。新型プローバーは2024年4件のデモンストレーションを実施し、高評価をえているものの、原材料費等の高騰により、想定される販売価格が開発開始当初よりも3~4割アップすると予測され、研究開発フェーズの川下事業者への導入の障壁が高くなっている。
実用化・事業化にあたっての課題
・誘電体導波路のコストイメージについて、今後共有が必要。
・新型プローバーの事業化を実施する為には、マニュアル機などの低コスト版を製作し、新規参入者の導入障壁を下げる必要がある。
・高周波回路と受信用アンテナまでの距離に関して、今後調整を進める。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社テクノプローブ |
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事業管理機関 | 公益財団法人千葉県産業振興センター |
研究等実施機関 | 株式会社ワカ製作所 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
アドバイザー | 光通信機メーカー 測定器メーカー |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社テクノプローブ(法人番号:2040001032128) |
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事業内容 | 電子部品・デバイス・電子回路製造業 |
社員数 | 5 名 |
生産拠点 | 白井本社 |
本社所在地 | 〒270-1436 千葉県白井市七次台3-18-1 |
ホームページ | https://www.technoprobe.co.jp/ |
連絡先窓口 | 代表取締役 大井雅俊 |
メールアドレス | toshi-ohi@tplus-co.com |
電話番号 | 047-492-7711 |
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