情報処理
最新リアルタイム歪計測とAI技術及びCAE技術により、圧壊試験時の内部状態可視化システムを構築し、バッテリ圧壊試験の課題を解決する
東京都
株式会社先端力学シミュレーション研究所
2025年1月27日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 力学シミュレーション・計測およびAIによる圧壊試験時の内部状態可視化システムの開発 |
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基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、産業機械、建築物・構造物、電池、半導体 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | CAE、3次元計測、デジタルツイン |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本プロジェクトは、バッテリパックの圧壊試験時に内部状態を可視化するシステムを開発する。開発した内部状態可視化システムで、CAEシミュレーションの高精度化と設計因子検討が可能となり、AI代理モデルによるDIC計測データからの内部状態検知、設計フィードバックを実現する。
開発した技術のポイント
・試験条件最適化システムの開発
-バッテリパックの基準CAEモデルを構築。
-パラメータ感度の評価システムを開発し、試験条件による影響を、試験実測結果にて実証。
-試験条件最適化システムを開発。
・内部状態可視化システムの開発
-多種の試験サンプルを試作し、DIC計測技術を開発。
-AI代理モデルによる内部状態予測技術を開発。
-多数シミュレーション実行のためのオープンソース技術(FrontISTR)を開発。
-CAE・DIC・AIを統合した内部状態可視化システムを開発、試作した実機相当モデルにて実証済み。
具体的な成果
・複雑なシミュレーションモデルの構築と確認
-実測データと比較して、バッテリーパック模擬形状のシミュレーションモデルの適切性を確認。
・パラメータ感度評価システムの開発と検証
-模擬形状モデルの内部構造のパラメータ感度が、試作・実測結果と定性的に一致することを検証した。
・最適試験条件評価システムの開発と確認
-バッテリーパック模擬形状モデルを対象にした認証試験の最適条件が、試作・実測結果と定性的に一致。
・DIC計測技術の確立と内部損傷状態予測手法の開発
-DIC計測技術を導入してひずみ分布の時間変化を計測し、シミュレーションと連携したデータ同化手法、およびAIによる内部損傷状態予測手法を開発。
・プロトタイプシステムの作成と評価
-試験条件最適化システムと内部状態可視化システムを統合したプロトタイプを作成。模擬バッテリーケースに対して、荷重特性および試験体設計パラメータ感度の評価を実施し、シミュレーションモデルを高精度に生成。
・DIC計測データとシミュレーションの統合
-DIC計測データとロードセル計測データを、シミュレーション結果に一致させ、データ同化技術の基盤を検証。
研究開発成果の利用シーン
開発したシステムは、バッテリーパックの構造設計や試験条件の最適化に活用可能。試験回数を削減し、設計変更の効率化を実現する。DIC計測技術を活用し、圧壊試験中のひずみ分布や内部損傷の予測が可能になったため、製品開発の試験精度が向上する。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
開発したデジタルツイン技術をソフトウェアパッケージとして整備し、他分野へ水平展開するための助成金を申請し、採択された計画に基づいてソフトウェア開発を進めている。また、別のプロジェクトとして本技術をベースにパワー半導体分野における評価技術へ適用・確立するための研究開発を進めている。
開発したソフトウェアは、試験機メーカーと共同でマーケティング、販売計画を推進中である。
提携可能な製品・サービス内容
試験・分析・評価、技術コンサルティング、ソフトウェア
製品・サービスのPRポイント
「試験条件最適化システム」と「内部状態可視化システム」を統合したプロトタイプは、試験条件の妥当性を高精度に評価でき、圧壊試験の効率を飛躍的に向上させる。また、DIC計測とAIを組み合わせたデータ同化手法により、内部損傷の予測精度も高い。
今後の実用化・事業化の見通し
デジタルツインソリューションをソフトウェアパッケージとして整備し、他分野へ水平展開するための助成金を申請し、採択された計画に基づいてソフトウェア開発を進めている。
また、開発したソフトウェアを元に、試験機メーカーと共同でマーケティング、販売計画を推進中である。
プロジェクトの実施体制
事業管理機関 | 株式会社先端力学シミュレーション研究所 |
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研究等実施機関 | エスペック株式会社 国立大学法人東京大学 |
アドバイザー | 東芝インフラシステムズ株式会社 一般財団法人日本自動車研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社先端力学シミュレーション研究所(法人番号:2030001047878) |
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事業内容 | 情報サービス産業 |
社員数 | 60 名 |
本社所在地 | 〒112-0002 東京都文京区小石川5-5-5 |
連絡先窓口 | 新事業創造部 デジタルツイン事業推進室 大浦賢一 |
メールアドレス | ohura@astom.co.jp |
電話番号 | 03-5981-8116 |
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