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情報処理

宇宙における通信において、電波に変わる新たな手法である光を利用し、自然災害、環境、自動化などの新たな社会を築く通信網を確立する

茨城県

株式会社ワープスペース

2025年1月24日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 衛星間通信ネットワーク構築に伴う同時複数通信を実現する1対多衛星間光通信技術研究開発
基盤技術分野 情報処理
対象となる産業分野 航空・宇宙、農業、情報通信、物流・流通、金融
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)
キーワード 光通信、衛星間通信
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 令和2年度~令和4年度

プロジェクトの詳細

事業概要

ワープスペースは、光通信モジュールを搭載した中継衛星を中軌道に打ち上げ、低軌道のユーザー衛星に光通信モジュールを提供して搭載してもらい、ユーザー衛星が中継衛星経由で地上局にデータを送信する「WarpHub InterSat」システムを構築する。高度2,000km超に位置する中継衛星「WARPSPACE Hub Satellite」3機の中継衛星により、地球を周回する全ての低軌道衛星を包括し、海上を飛行中でも地上へデータを送信可能とし、また光通信利用によりユーザーの周波数調整を不要とする。

開発した技術のポイント

・最大8,000kmに及ぶ長距離高速通信を可能とする高精細姿勢制御
・高い経済性を実現するための衛星搭載コスト最小化を可能にする軽量化
・1対多衛星間光通信制御装置からの効率的な熱制御
・地上における実証を行うためのシミュレーター開発

具体的な成果

・最大8,000kmおよび最速2.5Gbpsの長距離高速通信の実現(地上実証)
・光通信制御装置の重量60kg以下、中継衛星総重量209kg(目標比4.5%超過)を達成(設計値)
・光通信端末の温度環境を-10〜60℃の範囲に制御する設計
・826機のユーザー衛星を同時計算可能で、並列分散処理を実現するクラウド統合シミュレーターを開発

知財出願や広報活動等の状況

1対多光通信制御アルゴリズムをはじめ5件の特許を取得し、PCT出願申請による特許審査ハイウェイを利用して米国、中国、欧州、オーストラリアでの獲得を進めている。

研究開発成果の利用シーン

衛星データに対するニーズの高まりとともに、データ量、速度、タイミング等の要求も高まっている。ワープスペースが開発する光通信端末および衛星網は、今後の地球観測衛星ビジネスのエコシステムに必要不可欠な技術である。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

打ち上げは大幅に遅れているが、市場ニーズを汲み取った結果、成果の一部を「WARP-ON!」という光通信導入ソリューションサービスとして事業化し、国内外の顧客候補20社以上を獲得(うち5社と有償契約済み)。光通信を利用した中継衛星通信事業者として世界をリードできる準備が整いつつある。

提携可能な製品・サービス内容

試験・分析・評価、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

ワープスペースの「WarpHub InterSat」は、低軌道リモートセンシング衛星のデータ量増大と周波数確保の課題を解決し、海上飛行中でも地上へのデータ送信を可能とする、世界初の1対多衛星間光通信サービスである。これらの衛星間光通信サービスを利用する立場の地球観測衛星事業者等の顧客に向けたサービスである「WARP-ON!」は、本事業の成果となる光通信制御装置をベースとして現在も研究開発中の光通信機器「HOCSAI」と、同じく成果であるシミュレータをもとに製品化した光通信シミュレータ「DTS」で構成された、光通信インテグレーションサービスである。これらはまだ製品の研究開発を行なっているところであり、市場獲得を優先するために、一部完成したものから製品化させ、すでに売上をあげて事業化に成功している。

今後の実用化・事業化の見通し

光通信インテグレーションサービスである「WARP-ON!」の完全版の研究開発と、一部機能を所有する初期製品をもとに事業化を同時に進めており、2027年には完全仕様の製品としての販売を通じて、2028年の上場を目指している。また衛星間光通信中継サービス「WarpHub InterSat」は2025年以降に予定しており、競合他社進捗や顧客進捗、および資金状況を鑑みて市場投入を計画している。

実用化・事業化にあたっての課題

国際競争力を維持するため、光通信機器のスループプットの高速化、相互運用性を保有する通信装置の開発、および衛星運用事業者の光通信端末搭載を支援する高度な光通信エミュレータが必要であり、そのための競争的資金獲得が課題である。

事業化に向けた提携や連携の希望

市場調査を通じ、本研究開発の成果をもとにした光通信機器「HOCSAI」は2026年の販売に向けて1社と商談中であり、もう一方の光通信シミュレータである「DTS」はすでに5社と契約済みであることから、事業化を通じた上場までのシナリオの見通しが立ってきている。その中で、現在完全仕様版の開発に向けて資金調達中である一方、これらの開発が成功した後のサプライチェーンの確立も課題となっている。資金面および製造面での事業提携や連携を模索中である。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ワープスペース
事業管理機関 株式会社ワープスペース
国立大学法人筑波大学
研究等実施機関 国立大学法人筑波大学
アドバイザー JAXA 荒木氏
東海大学 高山教授
三菱UFJキャピタル 執行役員 清水孝行氏
株式会社スペースシフト代表取締役 金本氏
城県産業技術イノベーションセンター 行武氏

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ワープスペース(法人番号:5050001041447)
事業内容 光通信に関する機器およびソフトウェアの製造販売、光通信コンサルテーションサービス
社員数 13 名
本社所在地 〒305-0031 茨城県つくば市吾妻1-10-1 つくばセンタービル1F
ホームページ https://warpspace.jp
連絡先窓口 東 宏充
メールアドレス hiromitsu.azuma@warpspace.jp
電話番号 029-869-8788