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研究開発された技術紹介

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接合・実装

・ナットランナ内の各センサで計測した値を使ってAIが締付制御
・AIは航空機組立用「セルフロックナット」の締付データを学習済
・AIのカスタマイズにより、用途変更可

奈良県

株式会社ユタニ

2025年1月23日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 AI搭載型ハンドナットランナシステムの研究開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 航空・宇宙、自動車、産業機械
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、高効率化(生産性増加)
キーワード ナットランナ,航空機・飛行機,AI,ボルト/ナット/ねじ,データ管理/データ活用
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和2年度~令和4年度

プロジェクトの詳細

事業概要

・航空機組立で使用されるセルフロックナットの「着座」および「底付き」を、精度よく検知するAIを搭載したハンドナットランナ
・締付け位置検出法を確立し、締付け結果と紐付けさせるトレーサビリティシステム
を開発し、締付け工程の自動化による高信頼度化・高精度化・生産性向上・低コスト化を実現する。

AI搭載ナットランナ_製品写真
開発した技術のポイント

・着座/底付を検知するAI搭載ハンドナットランナの開発
-AI構築用自動データ取得装置を開発
-小型コントローラおよび小型トルクセンサを開発
-AI搭載型ハンドナットランナを開発
→着座/底付き検知率99.99 %以上を達成
→締付け制御/合否判定成功率99.99 %以上を達成
・画像を用いた締付け位置特定技術の開発
-撮影画像と登録図面を自動照合する画像処理技術を開発
→締付け位置検出率99.99 %以上を達成

具体的な成果

・着座/底付を検知するAI搭載ハンドナットランナの開発
-AI搭載型ハンドナットランナを開発し、着座/底付き検知率99.99%以上、締付け制御/合否判定成功率99.99%以上を達成
・画像を用いた締付け位置特定技術の開発
-撮影画像と登録図面を自動照合する画像処理技術を開発し、締付け位置検出率99.99%以上を達成
・セルフロックナットの着座および底付き検知技術の確立
-トルク、角度、モータ電流の3要素により着座および底付き判定が可能となり、99.99%以上の検知率を達成
・簡易交換式AIモジュールを搭載した小型コントローラ基板の開発
-コントローラ基板のサイズを18,475mm3に抑え、AIのアップデートを簡単に行える設計を実現
・バッテリ式ハンドナットランナの開発
-重量1.7kg、全長530mm、締付けトルク精度±3%以内を実現し、1回の充電で1,000回以上の締付けが可能
・トレーサビリティシステムの開発
-締付け位置検出率99.99%以上を達成し、締付け管理のPC用ロギングソフトを用いて締付け状況を明示化。

AI搭載ナットランナ_制御イメージ
知財出願や広報活動等の状況

論文
著書名:下田萌喜、中島智晴、楠木祥文(大阪公立大学) 油谷謙介、吉本智(株式会社ユタニ)
論文名:ハンドナットランナにおける着座判定のための異常検知手法(2023年電気学会電子・情報・システム部門大会)

セルフロックナットの着座および底付きを検知する技術についての特許出願
発明の名称:ナットランナ 特願:2023-023180
発明の名称:ナットランナ及びナットランナ制御システム 特願:2024-209274

研究開発成果の利用シーン

航空機の組立工程におけるセルフロックナットの締付け作業に応用される。AIを活用したナットランナにより、セルフロックナットの着座や底付きの検出を自動化することで、組立の効率化と品質向上が期待できる。今後、これを踏まえたさらなる活用方法として、他の締付け工程への拡張も視野に入れている。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

国内航空機産業(三菱重工業、三菱重工航空エンジン、IHI、川崎重工、SUBARU、新明和工業、MRO Japan、ジャムコ等)の各工場を訪問し、デモ機を用いたPR活動を実施する。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

ナットランナは、AIによるリアルタイムな着座および底付きの検出機能を搭載しており、従来の手動締付けに比べて大幅な作業効率の向上が見込まれる。また、軽量かつコンパクトな設計により、狭い航空機組立スペースでも容易に扱えることが特長である。これにより、作業者の負担軽減と安全性の向上も実現できる。

今後の実用化・事業化の見通し

国内で導入実績を積んだ後、全日空商事や双日エアロスペースのビジネスネットワークを活用し、パリエアショーなどの航空関連展示会に出展することで、ボーイング、エアバス、ロールスロイス、プラット・アンド・ホイットニー、ゼネラル・エレクトリック等に対して本開発品のPR活動を展開する。将来的には、航空機メーカー(ボーイングやエアバスなど)からの指定動力ツール認定を目指す。

実用化・事業化にあたっての課題

・着座/底付き検知 AIが使用できる締付け条件範囲を広げる。
・正しく画像処理できる条件範囲を広げる。
・セルフロックナットの着座と底付き以外にもAI検出できる事象を増やす。
・既存製品へのAI搭載を進める。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ユタニ
事業管理機関 公益財団法人奈良県地域産業振興センター
アドバイザー 三菱重工業株式会社
三菱重工航空エンジン株式会社
公立大学法人大阪
株式会社アズマ

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ユタニ(法人番号:3150001002548)
事業内容 下記製品等の開発設計/製造/販売:エアツール(インパクトレンチ/グラインダ/ドリル/ハンマ等) ・エアモータ/エアウィンチ ・電動ナットランナ/エアナットランナ/自動締付け装置
社員数 53 名
生産拠点 本社奈良工場
本社所在地 〒630-8453 奈良県奈良市西九条町5-4-8
ホームページ https://yutani.co.jp
連絡先窓口 取締役技術部長 油谷謙介
メールアドレス kyutani@yutani.co.jp
電話番号 0742-61-1815