接合・実装
小型かつ簡便・迅速にインスリン等の低濃度マーカーを測定可能な装置を開発し、診断機器の利便性向上に寄与
石川県
小松電子株式会社
2020年4月9日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | メタボリックシンドローム予防管理のための血糖値・インスリン同時測定デバイスの開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | HOMA-R、インスリン、メタボリックシンドローム、POCT、血糖値 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
診断機器分野ではPOCT(ベッドサイドや在宅で測定可能な小型機器)の市場が拡大しており、低濃度のマーカー測定可能な小型で自動化された簡便な装置が必要とされている。今回POCTとして大きな潜在ニーズのあるメタボリックシンドロームの指標であるHOMA-R指数の測定用小型測定装置を開発するために、μTAS技術や各種部品の実装技術を高度化し、微量サンプル中のマーカーを簡便迅速に測定する技術を確立する
開発した技術のポイント
利用者が家庭等で簡便にインスリン濃度を測定できる電気化学測定装置を開発
・検査精度→測定値の精度CV%5%以内
・検査時間→適用から結果算出まで30分以内
・装置の可搬性→サイズは最大で150mm×100mm×50mmと、持ち運び可能なサイズに
(新技術)
<新開発するPOCT機器>
・機器は小型で可搬性が高く、安価
・電極を組み込んだμTASを使ったセンサチップにより、誰でも測定可
・短時間(30分以内)に測定が完了できる
・試料の必要量はマイクロリットルオーダーでよい
具体的な成果
・小型・自動測定装置の設計・製造
‐小型のチップとして0603チップ(0.6mm×0.3mm)を、基板として4層基板、両面リフロー基板を採用し、基板の小型化を実現
‐測定装置全体として小型とするため、センサチップを装着してから自動測定可能とする機構を設計
‐筐体部については静電気放電試験、絶縁耐力試験、耐環境(低・高温連続動作)試験、漏洩電流試験、空間輻射試験、雑音端子電圧試験等の各種試験を実施し、信頼性を確保
‐液晶タッチパネルを搭載し、4名分のデータを保持することを可能にするとともに、インスリン値測定のためのDPV測定と、血糖値測定のためのCA測定の同時計測を実現
・センサについての検討・適用
‐血糖値センサは既にバイオセンサ市場で確立していることから、その手法を参考に、グルコースデビドロゲナーゼを用い、血中インスリン濃度、血糖値それぞれを測定するセンサを設計
‐このセンサの電極を用いた測定により、全血を前処理なしで10µリットル以下の量で測定することが可能
‐センサチップ上のサンプルと洗浄液を供給する機構を作りこみ、センシングに必要な溶液操作を自動化
・マイクロ流路に対するサンプル(着色水)接触実験
〜マイクロ流路内の親水化が毛管力によるサンプルの導入機構の実現に有効〜
・DEPチップの作用電極上での、抗原抗体反応・洗い処理の電気化学測定結果
〜3マイクロリットルの微量な洗浄液でも、十分な効果が認められる〜
知財出願や広報活動等の状況
特許出願しておりましたが(特願2013-54216)、審査請求の結果、取得は難しいと判断し、放棄。
研究開発成果の利用シーン
開発したマイクロ流路搭載の小型の電気化学測定器及び測定チップで、HOMA-R値を測定し、メタボリックシンドロームまた、糖尿病患者への注意喚起を促し、健康な社会を実現する。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・令和5年度の販売開始を目指し補完研究中
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化→従来の大型機に対し、1/10程度のコストで実現
・精度向上→インスリン値と血糖値の同時測定による信頼性の高い測定値
・小型化→従来の大型の据え置き機に対し、いつでも簡便な測定が出来るPOCT機器で実現
今後の実用化・事業化の見通し
①量産化の為の本体及びチップ製作の課題
本体製造に関しては、当社での生産が可能であるが、チップに関しては、医薬品医療機器等法(旧薬事法)により、連携企業内での量産が困難である為、委託生産先の調査を行う。
②安全規格関連
上記にも絡み、本チップでの「医薬品医療機器等法」上での該当カテゴリーなどに関して調査を行う。
③事業化計画
上記の課題解決後に実用化の為のスケジュールを決定する。
実用化・事業化にあたっての課題
センサチップの量産化。
事業化に向けた提携や連携の希望
資金面、販路開拓面での大手川下企業との連携
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 小松電子株式会社 商品部 |
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事業管理機関 | 公益財団法人石川県産業創出支援機構 |
研究等実施機関 | 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 大学院大学マテリアルサイエンス研究科 有限会社バイオデバイステクノロジー |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 小松電子株式会社(法人番号:5220001011960) |
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事業内容 | 電気、電子機器製造業業。民生機器、医療機器、理科学器機、環境機器、生産設備機器の開発、設計、製造、販売を実施 |
社員数 | 280 名 |
生産拠点 | 石川県小松市安宅町甲135 |
本社所在地 | 〒923-8642 石川県小松市安宅町甲135 |
ホームページ | http://www.komatsu-ec.co.jp |
連絡先窓口 | 商品部MD部長代理 福村康和 |
メールアドレス | ya.fukumura@komatsu-ec.co.jp |
電話番号 | 050-3366-2019 |
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