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接合・実装

摩擦圧接法により、高強度かつ長寿命な圧延ロールの製造が可能に!

福岡県

株式会社フジコー

2020年4月8日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 大径丸鋼材の摩擦圧接法によるロール軸接合技術に関する研究開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、産業機械、建築物・構造物
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)
キーワード 摩擦圧接、高強度、大径、圧延ロール、丸鋼
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成22年度~平成24年度

プロジェクトの詳細

事業概要

近年、鉄鋼メーカ-では製品の品質向上や省エネルギーの観点から低温・高圧下で鋼材の圧延を行う傾向が強まっている。このため圧延ロールへの負荷が大きくなり高性能ロールが求められる。連続鋳造法で製造されるロールは他製法のロールに比較して性能が優れるが、軸部の溶接で強度低下が生じる。本研究では、摩擦圧接法を応用した新技術で軸部を接合することで、ロール軸部の高強度化、製造コストの削減、品質の安定化を目指す

開発した技術のポイント

ロールの軸部を外部加熱と摩擦加熱を併用した摩擦圧接法で接合する技術を開発する

(新技術)
外部加熱と摩擦加熱を併用した超高速摩擦圧接法によって、圧延ロール軸部を接合し、圧延ロールを製造する

(新技術の特徴)
・圧延ロールの高強度化、高寿命化、低コスト化の達成が可能になる
・併せて摩擦圧接装置の小型化が可能になる

具体的な成果

・大径丸鋼材用摩擦圧接装置の開発
‐小径材摩擦圧接試験により見出した適正な摩擦圧接条件を実現する大径丸鋼材用摩擦圧接試験装置を設計・製作した
‐圧接面を最適温度に加熱する外部加熱装置を開発した
・大径丸鋼材の摩擦圧接試験条件の研究
‐摩擦トルクの低減条件・摩擦熱による急速昇温条件を確立した
‐大径丸鋼材の最適なアプセット圧力値と押し付けタイミング、および最適な摩擦圧接面形状を見出した
・圧接部の品質評価
‐健全性を確保できる摩擦圧接条件を確立、接合部の静的・動的強度特性が溶接接合を上回ることを確認した
・長尺丸鋼用の摩擦圧接装置の開発
・ロール軸接合制御自動化の開発
・ロール軸接合試験の実施
‐実サイズ想定の圧延ロール試験で強度、品質目標を達成した
・摩擦圧接で製造したロールの実機検証テストをクリアー

大径丸鋼材用摩擦圧接装置
大径丸鋼材の摩擦圧接
知財出願や広報活動等の状況

「圧延ロールの製造方法及び圧延ロール並びに圧延ロールの製造装置」(PCT/JP2014/60184、特許第5756889号)

研究開発成果の利用シーン

・開発した摩擦圧接法を用いて軸部を接合した圧延ロール
・将来的に本開発技術を活用した大径材同士の接合製品

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

本技術によって製品化した圧延ロール等の製品は軸接合部に強度的な問題なく使用されている。事業開始以降も各製鉄所殿から取引が継続的に続いている。

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造、製品製造

製品・サービスのPRポイント

圧延工程での不具合が低減し、製品歩留りが向上
・摩擦圧接法による軸接合を実施することで耐久性が高く、高強度な圧延ロールの製造が可能になった
・耐久性が高い圧延ロールの提供が可能になったことで、高負荷の圧延環境においてもロール軸部の破損・折損等による不具合発生が低減した圧延による製品ラインナップの拡大に寄与
・従来技術では、大径材(φ200~350mm)の接合対応ができなかった
・本技術の開発により、高強度かつ高品質な接合部を保った大径材の接合が可能になったことにより、圧延による対応が可能な製品群が増加し、製品ラインナップの増加に寄与することが可能になった

今後の実用化・事業化の見通し

・本事業で研究開発した摩擦圧接法を応用した軸接合技術とCPC(ContinuousPouringprocessforCladding)法を用いて製造した特殊ハイスロールは、溶融溶接による軸接合に比較して高強度化かつ品質向上を達成した
・本提案の圧延ロールは、川下産業のニーズ(高寿命化・高強度化)を反映できることから、今後は国内メーカーへの拡販を実施した
・販売された圧延ロールは問題なく使用されており、継続的な取引が続いている

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社フジコー 技術開発センター
事業管理機関 公益財団法人北九州産業学術推進機構
研究等実施機関 国立大学法人九州工業大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社フジコー(法人番号:4290801003292)
事業内容 複合製品製造・販売、溶接材料の製造・販売、機械加工、プラントエンジニアリング、製鉄作業・メンテナンス
社員数 830 名
本社所在地 〒804-0011 福岡県北九州市戸畑区中原西2丁目18-12
ホームページ http://www.kfjc.co.jp
連絡先窓口 技術開発センター
メールアドレス a-sonoda.fujico@kfjc.co.jp
電話番号 093-701-4500