精密加工
精度の極限を目指した超精密切削技術と、それを達成するための専用機の開発
埼玉県
池上金型工業株式会社
2025年1月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 次世代光学製品のための特殊なダイヤモンド切削技術を利用した超高精度専用機の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 半導体、工作機械、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(精度向上) |
キーワード | ダイヤモンド切削,専用切削液,超精密加工機,光学素子 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本事業では、グレーティング専用加工機を開発し、反射面の表面粗さ(Ra)5nm以下、反射率100%、グレーディング幅350mmを実現することを目的とする。また、接触検知や表面創成のために各種センサーによるナノレベルの制御を可能とし、IoT化により半自動化を実現する。さらに、ナノレベルの挙動変化検出のため、ナノ粒子複合切削液と供給システムを開発する
開発した技術のポイント
・ダイヤモンド工具専用のナノ粒子複合切削液の開発
・ナノ粒子複合切削液のファインバブル(FB)供給システムの開発
・工具接触検知システム、工具位置検出システムの開発
・ダイヤモンド切削専用加工機の開発(リニアモータ駆動、油静圧軸受、各種センサー制御)
具体的な成果
・安定性と切削性能に優れるナノ粒子複合切削液(基油A+ナノカーボンNC-B)を開発
・FB付与により動摩擦係数を70%低減、工具摩耗量を約1/2に低減
・AEセンサーによる10nmの工具接触検知、画像処理による80nmの工具位置検出を実現
・350mm以上の加工面積を有する専用加工機を開発中(精度調整中)
・グレーティング加工で幅60mmまで反射率107%を達成(幅300mmは25%)
知財出願や広報活動等の状況
新規開拓となるため、展示会などで宣伝活動中である。
研究開発成果の利用シーン
開発したグレーティングマスターは半導体露光装置の光源の狭線化モジュールに用いられ、高精度な半導体製造に貢献する。また、開発した専用加工機とナノ粒子複合切削液は、他の高精度光学部品の製造にも応用可能である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
事業化計画として、グレーティングマスターの販売とダイヤモンド工具専用切削液の販売を予定している。グレーティングマスターは幅60mmから順次販売開始予定で、さらにそのマスターからのレプリカ製造・販売も検討中である。ダイヤモンド工具専用切削液は、次年度も共同研究体制を検討し、品質確認後に販売を目指す。
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
開発したグレーティングマスターは幅60mmで反射率107%を達成しており、半導体露光装置の高精度化に貢献できる。また、開発中の専用加工機は350mm以上の加工面積を有し、ナノ粒子複合切削液や各種センサー制御により、高精度かつ効率的な加工を実現する。
今後の実用化・事業化の見通し
グレーティングマスターは幅60mmから順次販売開始予定であり、既存の超精密加工機で月産数個の製造体制を整える。開発中の専用加工機の精度が実証されれば、専用機を増産し量産体制を構築する計画である。ダイヤモンド工具専用切削液は、品質確認後に販売を目指す。
実用化・事業化にあたっての課題
グレーティングマスターの製作には加工時間が膨大になるため、量産には加工機の台数増加で対応せざるを得ない。また、専用加工機の完成には更なる精度向上が必要であり、350mm以上の製品製作のためには資金調達が課題となる。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 池上金型工業株式会社 |
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事業管理機関 | 一般社団法人首都圏産業活性化協会 |
研究等実施機関 | パレス化学株式会社 国立大学法人茨城大学 |
アドバイザー | 学校法人智香寺学園 埼玉工業大学 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 池上金型工業株式会社(法人番号:7030001030648) |
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事業内容 | 製造業・射出成形用金型製造 |
社員数 | 147 名 |
生産拠点 | 埼玉県 |
本社所在地 | 〒346-0036 埼玉県久喜市北中曽根1453番地2 |
ホームページ | https://www.ikegami-mold.co.jp/ |
連絡先窓口 | 松澤 隆 |
メールアドレス | t-matsuzawa@ikegami-mold.co.jp |
電話番号 | 0480-44-8686 |
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