精密加工
ハイパワーLEDの需要を支える複雑形状の三次元プレス加工技術
茨城県
株式会社大貫工業所
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 圧造成型順送プレス工法によるLED用機能部品の製造技術開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、情報通信、スマート家電、電池、工作機械、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | LED用金属リフレクター、板鍛造、低コスト化、LED用ヒートシンク |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成20年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
増肉機能(据込み、潰し、しごきなど)および複合化機能(金型内での積層接続機能)を有する複雑三次元加工が可能な高機能金型技術と、この金型を用いた板鍛造順送プレス技術により、現在主に切削加工で製造されている、自動車および情報家電用のLED用機能部品を、安価に、大量に、短納期で、製造することができる、新しい複雑三次元加工部品の製造技術を開発する
開発した技術のポイント
高耐久性精密異形加工プレス金型により、複雑形状の部品を高品質に製造
・プレス速度
通常のプレス(板鍛造)と同等以上
・LEDチップへの対応
板鍛造製品にLEDチップの搭載を実現
・製品の品質
表面処理による反射率:全反射率90%以上、反射率低下率(4年後):10%以下
・量産性
切削加工による場合に比べ、コストを1/10に
(新技術)
<三次元プレス金型による加工工程の削減>
・加工工程の削減により、コストを削減
・化学研磨処理技術研究により、高反射率のリフレクタの生産が可能
(新技術の特徴)
・常時通電における相対光量は2,000時間の通電においても無変化、温度サイクル試験(1,740サイクル)においても光量が低下せず、長寿命化
・プレス加工寸法変動率が小さく、また生産コストも低価格であり、量産が可能な水準
具体的な成果
・各種金型の製作・プレス加工条件の最適化
‐アルミニウムリフレクタの製品設計を行うとともに、量産化を視野に入れた高耐久性プレス金型を設計・製作。また、圧造成形加工のための、高耐久化表面処理金型を開発。DLCコーティングパンチの入れ替えが可能な構造とした
‐プレスオイルに揮発性オイルを用いることで、最高50SPMのプレス速度を実現
・化学研磨処理による、表面処理技術の確立
‐各種のアルミニウム板材料(純アルミおよび合金系)について化学研磨処理を行い、純アルミ系が高い反射率を示すこと、また脱脂処理条件の反射率への影響がないことを確認
‐外部による表面処理の信頼性評価から、温度サイクル試験(1,740サイクル)において光量が低下しないことを確認
・量産に向けて
‐プレス加工寸法の変動について、目標(±10μm)をクリアし、安定的な生産を可能に
‐従来の切削機械加工による場合と比べて1/10のコストでの生産を実現
知財出願や広報活動等の状況
・特許:「積層金属板の摩擦撹拌接合方法及び金属板積層体」(特願2010-040733)等
・論文:御田護「3次元構造体の順送プレスによる新しい接続方法」第80回金属プレス加工技術研究会(H22.5)
・新聞:読売新聞(H23.11.7)、茨城新聞(H20.9.17)等
・出展:COMPAMED2011(国際医療機器技術・部品展)(デュッセルドルフ、H23.11)
研究開発成果の利用シーン
自動車ヘッドライトや医療機器用照明の他、屋外照明、産業用照明などの様々なLED製品において活用
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H22年度に実用化に成功、事業化には時間がかかる
・金属製LEDモジュールの無償サンプルあり
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
・省エネルギー・環境負荷低減:高放熱性高反射率金属リフレクタによる、高輝度LED照明用パッケージの提供により、省エネルギー、環境負荷低減に貢献できる
・量産化・安定供給化:複雑3次元金型技術による高速順送プレスにより高精度パッケージ用部品の量産化、安定供給を実現
・低コスト化:セラミックパッケージと同等以下のコストで、パッケージを提供できる
今後の実用化・事業化の見通し
海外展開も視野に入れて、販売体制の確立を行うとともに、更なる技術向上を目指す
・研究未了であった事項については、引き続き補完研究を実施し完成度を高めるとともに、川下メーカーからの試作の受注により新たな共同開発を進める。具体的には金型の耐久性試験およびFSPT応用接合技術の確立のため補完研究を実施
・試作品提供メーカーから、新たな構造の金属製
LEDパッケージ開発要請もあり、海外市場も視野に入れて、販売体制の確立および拡充を推進中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社大貫工業所 |
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事業管理機関 | 公益財団法人日立地区産業支援センター |
研究等実施機関 | 株式会社西野精器製作所 茨城プレイティング工業株式会社 国立大学法人茨城大学 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社大貫工業所(法人番号:4050001023041) |
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事業内容 | 超精密金型、樹脂成形金型の開発、設計、製造および高精度金属プレス加工品製作 |
社員数 | 59 名 |
本社所在地 | 〒316-0025 茨城県日立市森山町5-10-8 |
ホームページ | http://www.ohnuki.co.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役社長 大貫啓人 |
メールアドレス | ohnuki@ohnuki.co.jp |
電話番号 | 0294-53-3821 |
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