精密加工
加工速度は従来の3倍以上!生体用インプラント部品加工機器
栃木県
株式会社スズキプレシオン
2020年3月18日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 生体用インプラント部品のシンクロナイズド切削加工機の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、自動車、農業、産業機械、工作機械 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本提案ではチタン合金の生体用インプラントプレートの加工を対象とし,高能率・低コスト化を図るため,遊星歯車機構による5倍速増速スピンドルの開発と複数のスピンドルによる同時切削を試みる。また,スピンドル回転角を同期化したシンクロナイズド切削加工機を開発する。さらに,高精度化を図るためエンドミルの切れ刃回転角の位相差を利用し,低剛性なプレートにかかる加工反力変動を抑制する
開発した技術のポイント
6本のスピンドルを搭載した生体インプラント用小型専用加工機の開発
・精密小型遊星ギヤユニット開発
→形状精度0.005mm、軸芯同軸度0.002mm
・増速スピンドルの開発
→主軸最高回転数:25,000min-1
・6本のスピンドルを搭載し、加工効率向上
→1個当たりの加工速度:従来の3倍
(新技術)
・6本スピンドルシンクロナイズド切削加工
(1)同時多数加工(6個)
(2)両面一括加工
(3)省スペース⇒0.5m2
(4)省電力⇒1.5kw
(5)単一刃物で全加工
(6)高精度
↓
切削加工を従来の3倍効率化
具体的な成果
・形状精度0.001mm、同軸度0.002mmの増速遊星ギヤユニットを開発
‐遊星ギヤのギヤ直径とギヤ比の最適設計によって増速機構を製作
‐小型ギヤ形状精度0.001mm、軸芯の同軸度0.002mm
‐同クラスのスピンドルの半値で搭載が可能
・従来比で4倍速の増速スピンドルを開発
‐主軸回転数20,000min-1、従来の4倍速の小型スピンドルを開発
‐5倍速での設計とすると、周辺部品が極小となり強度不足となるため、4倍速とした
‐小スペース設計
・加工効率が従来の3倍以上の加工機を開発
‐生体用インプラントプレートを高効率で加工できる専用加工機を開発
‐制御軸は3軸同時制御。各スピンドルはサーボモーターを動力としスピンドルの回転制御及び位相制御による切削負荷の軽減を実現
‐最大加工範囲は218×250×100、スピンドル軸数6本
‐テスト結果を基に加工速度を推測した場合、加工効率は3.07倍
知財出願や広報活動等の状況
・出展:ナノテク総合展(H23.2)、シチズンマシナリープライベートショウ(H23.11)
・新聞:日刊工業新聞、下野新聞
研究開発成果の利用シーン
生体用インプラント専用加工機として、人工関節用インプラント部品の切削加工を3倍以上効率化する
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H23年度に事業化に成功
・加工機に搭載した増速スピンドルをサンプルとして提示可能(有償)
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化:インプラント加工に特化した専用加工機で、安価な設備投資を実現
・複雑形状化:生体用インプラント特有の複雑な表面形状に対応しえる制御ソフト
・製作時間短縮:同時に6個のインプラントが加工できるため大幅な時間短縮が実現
今後の実用化・事業化の見通し
医療機器、自動車、産業機器での事業化に成功、さらなる展開を目指す
・既に医療機器、及び自動車関連産業での事業化に成功し、海外展開も視野に入れての販路を開拓中
・成果物の一部となる増速スピンドルは産業機器分野で好評を得ており、更なる信頼性の向上に向けての研究を実施中
・川下企業における使用環境の違いに関するモニタリングにより他産業への展開の可能性を模索中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社スズキプレシオン |
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事業管理機関 | 鹿沼商工会議所 |
研究等実施機関 | 株式会社橋本精機 栃木県産業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社スズキプレシオン |
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事業内容 | 医療用インプラント製品製造、精密金属部品の製造、他金属製品の切削加工 |
本社所在地 | 〒322-0251 栃木県鹿沼市野尻113-2 |
ホームページ | http://www.precion.co.jp |
連絡先窓口 | 営業部マネージャー 花輪潤 |
メールアドレス | j.hanawa@precion.co.jp |
電話番号 | 0289-65-6001 |
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