情報処理
キャリア重畳波のデジタル復調回路により2倍の周波数効率を実現
静岡県
株式会社システック
2020年3月18日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | キャリア重畳波におけるデジタル復調回路の研究 |
---|---|
基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | 情報通信 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化) |
キーワード | 無線通信、周波数帯域削減 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
現在の衛星通信の分野の問題点として周波数の割り当てが難しくなっていることが挙げられる。解決方法としてキャリア重畳の技術が存在し、その有効性は実証されているが、重畳波を復調する回路は従来の技術よりも高度な技術が必要となり、従来の復調回路においては、動作しないことが分かっている。その為、重畳波を復調するデジタル回路の開発を研究テーマとして掲げる
開発した技術のポイント
キャリア重畳波を復調するデジタル回路のアルゴリズム、ハードウェアの検討
・ドップラーシフト(ドップラー効果で周波数が変化する現象)への対応
→ドップラーシフト±25kHz程度まで対応
・振幅変動の抑制
→±0.2dB以内
・フィルタの小型化
→遮断周波数=シンボルレート×0.7、阻止域端周波数=シンボルレート×1.26対応
(新技術)
復調回路を用いた不要波キャンセル装置
・仕様帯域が狭い
(特徴)
回路が安定/ノイズに強い/重畳波に対応できる
具体的な成果
・ドップラーシフト±100kHzまで対応
‐ドップラー効果の影響を低減させるAFC回路のアルゴリズム、ハードウェアを検討
‐結果、変調方式QPSKのキャリア重畳波で、ドップラーシフト±100kHzまで対応できるプリアンブルレスのAFC回路を開発
・振幅変動±0.2dB以内を達成
‐振幅変動に対するAGC回路のアルゴリズムを検討し、50Hzの状況下において、振幅変動を±0.2dB以内に抑えることのできるAGC回路の開発に成功
・小型フィルタを開発
‐遮断周波数=シンボルレート×0.7、阻止域端周波数=シンボルレート×1.26に対応でき、且つ小型であるフィルタ回路の開発に成功
これらの成果から、不要波キャンセル装置を開発。衛星通信では、従来、受信と送信の2チャネル分が必要であった周波数帯域を、1つのチャネルでまかなうことができる
研究開発成果の利用シーン
衛星通信の送受信システムにおいて不要波キャンセル装置を用いることにより、使用する周波数帯域を50%削減し、2倍の周波数効率を実現
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・不要波キャンセル装置の試作機あり(有償)
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造
製品・サービスのPRポイント
低コスト化:開発した不要波キャンセル装置は、衛星通信における占有周波数帯域を約50%削減することができ、通信コストを低減できる
今後の実用化・事業化の見通し
当初の想定より、衛星通信の需要が無く、開発費を回収できるほどの売り上げの見込みが立たなかったため、製品化は断念した。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社システック |
---|---|
事業管理機関 | 株式会社浜名湖国際頭脳センター |
研究等実施機関 | 株式会社浜名湖国際頭脳センター アート電子株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社システック(法人番号:1080401002223) |
---|---|
事業内容 | 受託開発設計・製造、自主研究開発、技術者特定派遣(ソフトウェア設計・ハードウェア設計・構造設計・LSI設計) |
社員数 | 275 名 |
生産拠点 | 浜松(本社・新都田工場)/東京(東京サイト)/秋田(秋田事業所) |
本社所在地 | 〒431-2103 静岡県浜松市北区新都田1-9-9 |
ホームページ | http://www.systec.co.jp |
連絡先窓口 | ソリューション事業部PLDソリューション部論理設計課論理設計1係 小澤充 |
メールアドレス | mitsuru-ozawa@systec.co.jp |
電話番号 | 053-428-4931 |
研究開発された技術を探す