立体造形
補聴器普及に貢献する人肌触感に近いシリコーン素材の開発
愛知県
株式会社名南ゴム工業所
2023年2月7日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 身体親和性シリコーンにより補聴器装着を快適にする革新的イヤチップの開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、ロボット |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | 補聴器、フィット感、快適、聞こえ、継続使用 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
補聴器所有者の中には補聴器を全くしていなかったり、装着時の不快感から1日1時間以下しか装着していないのが実態である。本課題を解決するため、身体親和性のシリコーンを用いたイヤチップの開発および硬硬度シリコーンゴムとの2色形成技術を開発し、“付け心地の良い補聴器”の実現を目指す。
開発した技術のポイント
・身体親和性シリコーンを用いたイヤチップの開発
-高tanδを実現するシリコーンの配合
-剥離強度向上のための精密洗浄
-粘着性改善のための表面パターン
・製造プロセスの効率化と環境対策
-金型表面の面粗さ制御手法
具体的な成果
・身体親和性シリコーンを用いたイヤチップの開発
-耳穴(外耳道)に近似の動的粘弾性(tanδ)と着装可能な強度を兼ね備えたイヤチップ素材を開発。
-高硬度シリコーンゴムとの二色成型により、樹脂製接続部からの抜去力はJIS規定値以上を確保。
-粘着性低減のため微細凸凹をモールド表面へ施すことに成功。
・製造プロセスの効率化と環境対策
-図面データから最短10日間で10ショットは試作可能な新製造プロセスを、3Dプリンターによる樹脂製モールドで構築。
-低分子量シロキサン対策により、将来的な環境規制に適合。
-GLP適合生物学的安全性の認証を獲得し、補聴器をはじめ人体に触れて使用する用途への適用が可能。
知財出願や広報活動等の状況
・米国特許取得シリコーン混和物およびその硬化物№16/424993
・国内特許取得シリコーン混和物およびその硬化物特願2017214707
・国内商標登録「SMPiFit」商願2017143941
研究開発成果の利用シーン
補聴器への適用。その他にも医療やアミューズメントをはじめ多岐にわたることが予想される。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
イヤチップは2022年度中にリオン株式会社向け量産開始を目標年、2023年度以降は海外メーカー含む全補聴器メーカーを対象とし、販路の拡大を図る。イヤモールドでは2024年度にリオン株式会社へのサービス開始を念頭に体制を整える。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
輸出を前提とした環境対策基準を順守できる二次加硫条件を確認。さらに生物学的安全性の裏付けが得られた。
国内、海外を問わず身体親和性シリコーンを補聴器に適用可能であることが証明し、安全、安心な商品として販売できる。
今後の実用化・事業化の見通し
・イヤチップ
2022年度中のリオン株式会社向け量産開始を目標とする。2023年度以降は主販売先をリオン株式会社としつつ、海外メーカー含む全補聴器メーカーを対象に販路の拡大を図る。その中で、製品供給だけでなく材料販売、ライセンス販売といった新たな販売形態を展開していく。
・イヤモールド
2024年度のリオン株式会社へのサービス開始を念頭に体制を整える。今後2年間で受注から出荷までの生産フローを見直し、完全受注生産に向けた生産プロセス全体の効率化を図る。
また、2023年度中の試作品製作を目指してモールド設計の練度を更に高める。
実用化・事業化にあたっての課題
・イヤチップ
量産の安定性を実現するための生産技術。
汎用のイヤチップは多数個取りの金属製モールドによる量産品となるため、試作とは異なり、キャビ毎あるいはショット毎のバラツキを抑え、商品の安定供給を実現する技術開発が必要
・イヤモールド
川下企業とのシームレスな連携と価格相応の高い品質と短納期を担保する確固たる生産体制の構築。
オーダーメイドのイヤモールドを身体親和性シリコーン製に置き換えることは、当社が製造面でサービスの一端を担うことになるためである。
・その他
補聴器以外での販路拡大とアイテム毎の研究開発。
身体親和性シリコーンの活用が期待される分野は医療やアミューズメントをはじめ多岐に渡り、個別の案件で求められる特性や条件が異なることが予想されるためである。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社名南ゴム工業所 代表取締役 岡本敏宏 |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人名古屋産業科学研究所 |
研究等実施機関 | 株式会社SMPテクノロジーズ 代表取締役社長 林 俊一 学校法人名古屋電気学園愛知工業大学 工学部機械学科 准教授 武田 亘平 |
アドバイザー | リオン株式会社 医療機器事業部課長 添田 晃弘 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社名南ゴム工業所(法人番号:8180001094826) |
---|---|
事業内容 | ゴム製品製造販売、ワイヤーハーネス組付 |
社員数 | 31 名 |
本社所在地 | 〒478-0001 愛知県知多市八幡字岩之脇105 |
連絡先窓口 | 代表取締役 岡本 敏宏 |
メールアドレス | toshihiro-okamoto@meinan-rubber.co.jp |
電話番号 | 0569-47-5639 |
研究開発された技術を探す