測定計測
老化赤血球のスクリーニング及び非老化赤血球変形能測定装置により、高齢化社会での生活習慣病の早期診断を目的とする
福岡県
株式会社レオロジー機能食品研究所
2022年1月26日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高齢化社会における生活習慣病の早期発見のため、老化赤血球のスクリーニング及び非老化赤血球の変形能が測定可能な2ステップ・フィルトレーション法による自動測定装置の開発 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、食品 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高性能化(老化赤血球のスクリーニング機能による精度向上と自動化による省力化) |
キーワード | 赤血球変型能、生活習慣病、毛細血管、老化赤血球、計測装置 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
加齢とともに、毛細血管のゴースト化が進行して生活習慣病の大きな原因となっているが、毛細血管のゴースト化は赤血球の変形能が低下して、赤血球の大きさより小さな径の毛細血管を通過できないため発生している。本研究では、赤血球の変形能が低下した老化赤血球のスクリーニング及び非老化赤血球の変形能が測定可能な測定装置の開発を行うことにより、高齢化社会での生活習慣病に対して早期診断を可能とすることを目的とする。
開発した技術のポイント
・2ステップ・フィルトレーション法の研究開発
-遠心と緩衝液での洗浄を繰り返して洗浄赤血球を調製した場合とフィルター方式による白血球除去による方法の比較検討を行った
-赤血球浮遊液をチューブポンプにて送り出す定量送液式を採用したフェーズⅠ試作機を製作
-2ステップ・フィルトレーション法では、2 枚のニッケルメッシュフィルターを用いるため、最適な孔径の組み合わせを臨床データを踏まえて検討
・2ステップ・フィルトレーション法を実装した自動測定装置の開発
-新たなニッケルメッシュフィルターを製作
-精度が満たせない原因として、フィルターの目詰まりが多量の場合や管路の洗浄が不十分である場合に発生することが判明
具体的な成果
・2ステップ・フィルトレーション法の研究開発
-遠心分離機で白血球除去を行うことを決定した
-一定の圧力で注入できる送液方式を採用することを決定した
-フィルター1に 5.98μm、フィルター2に5.49μmを採用することを決定した
・2ステップ・フィルトレーション法を実装した自動測定装置の開発
-5台の並列運転を可能とし、100検体/日の測定を可能とする仕様で決定した
-自動化に必要な要求仕様を決定した
-フェーズⅠ試作機(セミオート)を製作し送液式の自動化実証、フィルター微小孔の大きさの最適化、フルオート化の要求仕様検討ができた
-フェーズⅠは①±5%の測定精度 ②測定時間 10 分/検体 ③1 台当り20 検体/日の測定を実施し目標を達成
知財出願や広報活動等の状況
・知財
-「赤血球老化度の評価方法」特許第 6841543 号
・広報活動
-食品メーカーからの本装置への問合せに対してのPR及びプレス発表マスメディア、テレビ局から取材を受け、テレビ放映など
研究開発成果の利用シーン
ゴースト化の要因となる老化赤血球のスクリーニングと非老化赤血球の変形能を測定することで、これらが影響すると考えられている生活習慣病などに対してそれぞれの患者に適切な診断を行うことができ、治療の効果増大や医療費の削減につながる。
赤血球変型能を示す新しい指数であるRCFを定義し、病理、疾患との関連性の研究。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
開発した自動測定装置の先行市場として、大学病院や血液検査センター、行政機関などが挙げられる。また、国内外の市場化に備えて販売代理店の調査や学会などでのPRを実施していく。
提携可能な製品・サービス内容
試験・分析・評価、装置販売
製品・サービスのPRポイント
・フィルターで老化赤血球と非老化赤血球を分離でき、それらの割合確認や分析を行うことで、生活習慣病の早期発見につながる
・自動化により測定時間を短縮し、感度が向上する
・ニッケルメッシュフィルトレーション法の長所を活かし、高い信頼性を期待できる
・自動化によりユーザーの熟練を必要としない
今後の実用化・事業化の見通し
インターネットを利用してニーズ調査を行うとともに、国内外の市場化に備えて販売代理店の調査や学会などでの PR を実施していく。第一ターゲットとしては、九州大学病院や福岡大学病院など、本研究開発のPLがこれまで臨床研究などに係ってきた機関。第二ターゲットとして、国内の大学病院や血液検査センターなどが挙げられる。これらに対しては、学会や展示会、医師会、自治体向けのPR活動などを行う。第三のターゲットとして、海外の大学病院や血液センターが挙げられ、海外総代理店や学会、展示会などを活用する。
実用化・事業化にあたっての課題
白血球除去における省力化手段、送液方式による赤血球への影響調査、フェーズⅡ装置による簡易洗浄機能での目詰まり、フェーズⅡ装置での健常者と疾患別の逆相関、臨床現場での評価件数
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社レオロジー機能食品研究所 |
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事業管理機関 | 一般財団法人 九州オープンイノベーションセンター 技術振興部 |
研究等実施機関 | 株式会社パラマ・テック 医療法人社団ブックス 国立大学法人九州大学 基幹教育院健康支援センター |
アドバイザー | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 学校法人福岡大学 MedStat株式会社 株式会社司測研 株式会社島津製作所 マイクロニクス株式会社 正興ITソリューション株式会社 株式会社ビー・エム・エル 社会医療法人財団池友会 九州大学病院 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社レオロジー機能食品研究所(法人番号:6290001017901) |
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事業内容 | 食物から種々の機能性物質(生理活性物質)の抽出 最新技術を用いた機能性物質の評価 ・血液のレオロジー機能(血液サラサラ度)の評価 ・糖尿病、高血圧、高脂血症等の生活習慣病予防、治験実験(動物・ヒト) ・腸管免疫機能ビジュアル化を用いた免疫機能評価 種々の免疫機能性食品の事業化と事業化支援 |
社員数 | 7 名 |
本社所在地 | 〒811-2501 福岡県糟屋郡久山町大字久原2241-1 |
ホームページ | https://www.reoken.com/ |
連絡先窓口 | 佐藤亜弥 |
メールアドレス | rheology@jade.dti.ne.jp |
電話番号 | 092-976-2800 |
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