文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 燃料電池セパレータ炭素被覆処理の基礎技術

表面処理

燃料電池セパレータ炭素被覆処理の基礎技術

兵庫県

株式会社ユメックス

2022年1月25日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 独自の炭素被覆形成法を用いた低価格燃料電池用金属薄板セパレータの開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 自動車、電池
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、環境配慮、低コスト化
キーワード 導電性炭素被覆、燃料電池セパレータ、薄板金属セパレータ
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成30年度~令和2年度

プロジェクトの詳細

事業概要
FC_サポイン事業内容2018-2020

自動車等の輸送機械分野の産業では、「環境負荷の低減」に向けた、ハイブリッド化を含めEV化の流れが主流となっている。その中でも、真に「ZEROエミッション」である燃料電池自動車に着目し、その燃料電池構成要素で触媒の次にコストを占めるセパレータを、提案する独自の炭素被覆処理を用いて、生産性の向上に伴う低価格化を図る。燃料電池の低コスト化を通して環境負荷の低減を目指す。

開発した技術のポイント

・電解研磨工程の確立による耐食性向上課題への対応
-基材の表面粗度を目標のRa=0.06µm以下まで低減することができた。
-対応する基板サイズを300x200mmまで拡張できた。
-上記の表面粗度均一性を90%以上で実現できた。
-電解研磨及び炭素被覆処理を行った試料の反り増加分は目標の2mm以下となった。
-流路基板への電解研磨の適用により、凸部の表面粗度を目標値まで改善した。
・大型基板を想定した電着塗装・炭素化技術の確立課題への対応
-対応する基板サイズを300x200mmまで拡張できた。
-平面基板で、貫通抵抗と耐食性(腐食電流)を満たす条件を得た。

FC_サポイン2018-2020_事業概要
具体的な成果

・炭素被覆処理技術の開発
-貫通抵抗:8.95mΩ(目標値:10mΩ)
-腐⾷電流:9.72μA/cm2(⽬標値:10μA/cm2)
-⾦属イオン溶出量(60時間後):5.18x10-10mol/cm2·hr(⽬標値:10-10mol/cm2·hr)
・流路基板への適応
-凸部Ra改善:0.0588μm(⽬標値:0.06μm以下)
-Ra均⼀度:90.9%(⽬標値:90%以上)
-炭素被覆時反り:0.591mm(⽬標値:2mm/300mm)
-発電初期評価:0.61V(⽬標値:0.6V以上@1A/cm2時)
-発電寿命試験:200hr継続中(⽬標値:5,000hr)

FC_サポイン事業調査_炭素被覆セパレーター写真
研究開発成果の利用シーン

従来よりも低価格なセパレータとして、下記の分野をはじめ、普及拡大に利用される。
 ・1:燃料電池自動車 等の運輸関連
 ・2:エネファーム 等の定置用発電
 ・3:災害用/ホビー用 等の非常時電源確保

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

本事業での成果を元に、展示会出展や関係機関への案内などを行い、金属薄膜セパレータの販売を展開する予定である。

提携可能な製品・サービス内容

共同研究・共同開発、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

本事業による低価格燃料電池セパレータは、低コストな製作方法で実施するため、燃料電池の普及拡大に大きく寄与する。
環境負荷低減に効果的な燃料電池の普及を大きく後押しするものである。

今後の実用化・事業化の見通し

本事業を通じて開発する低価格燃料電池セパレータは、燃料電池の普及を大きく後押しすると考えられる。従って、研究開発で得た発電寿命評価結果を元に、各種の展示会への出展や関係機関への案内を精力的に行い、金属薄膜セパレータ販売を展開する。川下企業としては、自動車メーカーを主に検討しているが、物量と品質の観点から、家庭用の定置型燃料電池や緊急用、モバイル用の燃料電池用から進出を図りたい。小型燃料電池で実績を積みながら、大口顧客や自社製品の開発へシフトし、燃料電池普及の足がかりとしたい。

実用化・事業化にあたっての課題

実用化・事業化に当たって、大きく2点の改善が必要
 ・1:炭素被覆処理の再現性と流路適用
  -炭素被覆処理を再現良く実施し、製作条件を確立させる。
  -流路形成基板に生じる加工歪みが生成炭素皮膜の耐食性に及ぼす効果を検証し、再現性の良い炭素被覆条件を探る。
 ・2:発電評価と販促活動
  -発電評価を実施し、炭素被覆処理の有効性を電気化学測定と合わせて評価する。
  -発電評価結果を、2の炭素被覆処理にフィードバックし、品質の向上を図る。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ユメックス ユニットグループ
事業管理機関 株式会社ユメックス ユニットグループ
研究等実施機関 兵庫県立工業技術センター 次長(技術調整担当) 石原 嗣生、材料・分析技術部 上席研究員 泉 宏和
アドバイザー 杉江 他曾宏
松尾 吉晃
石井 俊之
北谷 武

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ユメックス(法人番号:9140001062455)
事業内容 各種産業用の特殊放電灯製作・販売
社員数 85 名
本社所在地 〒671-2114 兵庫県姫路市夢前町糸田400
ホームページ http://www.yumex-inc.co.jp
連絡先窓口 株式会社ユメックス ユニットグループ 技師 井奥 淳
メールアドレス ioku@yumex-inc.co.jp
電話番号 079-335-5111