材料製造プロセス
NOxの吸収除去及び他の大気汚染物質除去を組み合わせた平板多層フィルターによる総合ガス浄化技術
大阪府
株式会社公害防止機器研究所
2023年2月4日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | マイクロバブル分散洗浄技術に基づくNOXや大気汚染物質除去のための平板多層モジュールガス浄化技術の開発 |
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基盤技術分野 | 材料製造プロセス |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、農業、化学品製造、船舶 |
産業分野でのニーズ対応 | 環境配慮 |
キーワード | 大気汚染防止、排ガス再資源化、メンテナンスフリー、窒素酸化物(NOx)除去、一酸化窒素(NO)酸化 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
マイクロバブル分散洗浄技術に基づくNOx吸収除去技術の問題点である気液接触方法を並流から十字流接触に変え、粒子状物質をまず除塵し、NOx以外の夾雑ガス成分を個別に吸収除去するモジュールを積層し、NO酸化モジュールでNOx吸収効率アップして、最後にNOxを吸収除去する新しい平板モジュールを設置し、漏洩ガスをNOx吸着除去モジュールで捕集し、夾雑ガスとNOxを100%完全除去する平板多層モジュールガス浄化技術を構築する。
開発した技術のポイント
・発生源調査に関わる実排ガスの前処理と定量分析技術の充実
-SUSコンバータとMo-Cコンバータの併用によってNOxコンバート率100%を達成
・PM 除去、湿度・温度調節のための前処理汎用型平板モジュールの開発
・NOx とそれ以外の夾雑ガスに特化した各平板フィルターのモジュール化
-ガス回収成分の資源化の観点から平板多層モジュールで除去する順番の最適化
-水可溶成分の場合は、ガス量を大きくしても2段の平板多層モジュールで除去可能
-平板GF小型検証器の改良製作およびPVC製NO酸化塔製作
・後処理 NOx 吸着除去平板モジュールの開発
-ハイシリカゼオライトを用いたNOの触媒的酸化の反応機構の解析
・各モジュールの部材の性能アップと耐久性評価
-年単位での性能低下10%以下または性能低下が起こらない平板多層モジュールの開発
具体的な成果
・発生源調査に関わる実排ガスの前処理と定量分析技術の充実
-空間時間0.3秒でNOxコンバート率97%の前処理装置を開発
-水蒸気、酸性ガス(SOx、HCl、CO2、CO)、塩基性ガス(NH3)、腐食性ガス(HF)を誤差100ppb以下の定量方法を確立
・PM 除去、湿度・温度調節のための前処理汎用型平板モジュールの開発
-(1)12μm以上の粒子の捕捉率99%、(2)ガス温度40℃以下、湿度5,000ppm以下を達成
・NOx とそれ以外の夾雑ガスに特化した各平板フィルターのモジュール化
-NOx除去 99%以上について、円筒、平板型試作器を用い、吸収液に水+酸化剤H2O2を用い気相酸化剤としてO3を用いた場合、目標を達成
・後処理 NOx 吸着除去平板モジュールの開発
-(1)吸着剤摩損率 5%以下、(2)吸着剤再生率 95%以上を達成するための設計指針の明確化
・各モジュールの部材の性能アップと耐久性評価
-トータルの平板多層ガス処理性能の向上を達成し、実施試験を通してその実用性を実証
知財出願や広報活動等の状況
●大阪府立大学大学院 工学研究科 高田翼
NOxとSOxの同時水吸収に適した新規平板多層フィルター式吸収装置の開発
●登録特許
JP6201231B 脱硝方法及び脱硝装置
JP6379339B ガス浄化方法
JP5963405B NOxを含有する比処理ガスの脱硝方法
●2020年2月
日本経済新聞にて記事掲載・・・中低濃度NOx 回収ほぼ100%
研究開発成果の利用シーン
既設の排ガス処理設備の更新や高性能設備への置き換えなど需要は確実に伸びることが予想され、廃液が多く出る設備の置き換えとして廃液が発生せずNOxを硝酸として再資源化し、利益還元できる技術が適用されることで、川下産業の生産能力増強やNOxの総量規制による事業者の事業環境改善を実現する。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
現時点では事業化に至っていないが、事業者からの問い合わせが増加しており今後の事業化の可能性は高い。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、試験・分析・評価、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
・難水溶性のNOを、酸化剤を用いずに触媒に通気接触させるだけで可溶性のNO2に酸化させ、水でNOxの吸収除去が可能
・水で吸収除去したNOxは、硝酸として再資源化し、利益還元できる
・後処理モジュールにて、排出されるNOxの濃度を、ほぼゼロにすることが可能
今後の実用化・事業化の見通し
平板多層モジュールガス浄化技術に基づく装置の設計・製作に関する基礎データの蓄積はできており、想定顧客、とくに海外からの問い合わせも増加している。既存設備に対して大きな優位性があることから、事業化の可能性は高くなっている。
実用化・事業化にあたっての課題
・さらなる高効率化への推進とコスト低減化
・顧客への PR や販売営業力の拡大のためアウトソーシングの活用
・技術力向上のための人材確保
事業化に向けた提携や連携の希望
研究アドバイザー企業とアウトソーシングの連携を継続し、補完研究のため、公立大学法人大阪 大阪府立大学大学とさらなる研究を推進する。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社公害防止機器研究所 |
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事業管理機関 | 公立大学法人大阪(大阪府立大学) 研究推進課 |
研究等実施機関 | 株式会社公害防止機器研究所 株式会社エバーグリーン環境技研 日本サーモ株式会社 公立大学法人大阪(大阪府立大学) 大学院 工学研究科 物質・化学系専攻 化学工学分野 環境・エネルギープロセス工学研究室 安田昌弘 |
アドバイザー | 長瀬産業株式会社 鈴与商事株式会社 泉環境エンジニアリング株式会社 丸祥電器株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社公害防止機器研究所(法人番号:6120001147839) |
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事業内容 | 生産用機械器具製造業 ・ 湿式NOx除去装置MKNシリーズの設計、製作、販売 ・ 環境保全設備機器の受託試験研究、測定、保守、点検 ・ 環境保全設備機器、局所排気装置(対象:アンモニア、集塵、排気ガス)の設計、製作、販売 |
社員数 | 3 名 |
本社所在地 | 〒572-0048 大阪府寝屋川市大利町12番13号 レオス大利2階 |
ホームページ | http://www.ppal-mkn.co.jp/ |
連絡先窓口 | 淺野 真 |
メールアドレス | info@ppal-mkn.co.jp |
電話番号 | 072-829-3035 |
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