複合・新機能材料
コンビニで使用される表示ラベルを低コストで生産するための粘着剤の開発
東京都
サイデン化学株式会社
2022年1月15日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 低塗工量で高速塗工可能なハイブリッド型高性能エマルション粘着剤の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | 粘着剤、エマルション、塗工、ラベル |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
・粘着ラベル産業での低コスト化の要請に対して、新規ハイブリッド型エマルション技術を使用することで粘着剤の塗工量を10%低減し、カーテンコーターの塗工において速度を300m/分から600/分まで高速化が可能なエマルション型粘着剤を開発することで、川下事業者である粘着ラベルメーカーでの粘着ラベルのコストダウンを目指す。
・高速塗工のメカニズム解析を行い、シミュレーションを活用することで、川下企業ごとに仕様の異なるコーターで塗工できるように粘着剤を設計するためかかっていた開発期間の大幅な短縮をはかる。
開発した技術のポイント
・高速カーテンコーターでの塗工性評価技術の確立
・高速塗工で「はじき」が発生しないエマルション型粘着剤の設計技術の確立
・高速塗工における「はじき」のメカニズム解析
・ユーザーの実機での高速塗工可能な粘着剤の開発
具体的な成果
・高速カーテンコーターでの塗工性評価技術の確立
‐塗工性が評価できるカーテンコーターヘッドの仕様の決定および導入をし、また、600m/分で塗工可能な条件を確立した
・高速塗工で「はじき」が発生しないエマルション型粘着剤の設計技術の確立
-高速塗工して綺麗な塗工面が得られるエマルション型粘着剤を完成させ、また、その各物性がどの様に影響するか確認した
・高速塗工における「はじき」のメカニズム解析
-はじきの発生しにくい粘着剤開発の指針として、組成粘度と表面張力を提案した
-AI化によって、高速塗工可能な範囲と粘着剤の性能との関係を明確にした
-試験機の代替とすべく高速塗工の数値シミュレーションコードを改良し、カーテンの安定化を図るための対策を提案した
・ユーザーの実機での高速塗工可能な粘着剤の開発
-ユーザーの要求性能に合わせた粘着剤の設計を行い、-20℃でも粘着性能が良好な処方を完成した
-はじきなく塗工できるように粘着剤を設計し、パイロットプラントでの試作品を完成させた
-ユーザーの生産機で塗工テストを実施し、要求の450m/分、dry10g/m2で塗工できた
知財出願や広報活動等の状況
VOF法を用いたカーテンコーティングの数値解析:中島遼太、千葉匠、本間俊司、梅宮弘和、小田純久
粘着剤塗布の数値シミュレーション:中島遼太
粘着剤塗膜に生じたピンホールの成長:千葉匠
特願2021-040045 本間、平原、小田、梅宮(埼玉大共願) カーテン塗布装置及びカーテン塗布方法
研究開発成果の利用シーン
・新規ハイブリッド型エマルション技術を使用することで粘着剤の塗工量を10%低減し、カーテンコーターの塗工において速度を300m/分から600/分まで高速化が可能なエマルション型粘着剤を開発することで、川下事業者である粘着ラベルメーカーでの粘着ラベルのコストダウンを実現することが可能である。
・高速塗工のメカニズム解析を行い、シミュレーションを活用することで、川下企業ごとに仕様の異なるコーターで塗工できるように粘着剤を設計するためかかっていた開発期間の大幅な短縮が可能となる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
今回塗工テストを行っていたいただいたユーザーはトップメーカーであるため、本事業により新粘着剤の商品化が成功すれば、新たなチャネルの開拓を必要とせず拡販は容易に可能である。また、現在高速カーテンコーターを導入することにより、コストダウンをはかる計画を立てている。今回は1品種でのテスト塗工に成功したが、さらにロングラン試験、他の品種での評価等量産化への準備を進めている。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
・エマルション型粘着剤の塗工量18g/m2を16g/m2に低減、600m/分に高速化した場合、川下企業における粘着ラベル製造コスト4円/m2のコストダウンが可能になる。
・速度600m/分のカーテンコーターを導入した場合は、生産量168百万m2/年で7億円/年のコストダウンが可能であり、カーテンコーターの設備投資は1年以内に投資回収できる。
今後の実用化・事業化の見通し
・国内における事業
-粘着ラベル用粘着剤の国内シェアではトップの販売量を持っているため、今回の高速塗工の実用化で様々なラベルメーカーへの拡販も可能である。
・海外における事業
-海外でのシェアは低いため、海外でのシェアを伸ばすためには、成長著しい東南アジア市場を重点的に攻略する必要がある。
-今後有機溶剤系のVOC規制が強化され、水系のエマルション型粘着剤への置き換えに拍車がかかることが予想されるため、ここ数年が本事業にとって大きなビジネスチャンスになる。そのためにはタイ工場での生産を進めていく。
実用化・事業化にあたっての課題
・導入したカーテンコートテストラインで300m/分までの評価はできたが、さらに高速の600m/分までの評価はできていない。これは機械と粘着剤の両面からさらに検討をする必要がある。
・今回は1品種の粘着剤で顧客の塗工テストに合格したが、今後別の品種、別の顧客に対して粘着剤を開発していく必要がある。
・原油価格の高騰で粘着剤の原材料価格が上がっており、さらなるコストダウンが求められる。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | サイデン化学株式会社 開発本部 |
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事業管理機関 | 国立大学法人埼玉大学 |
研究等実施機関 | サイデン化学株式会社 開発本部 |
アドバイザー | リンテック株式会社 公益財団法人さいたま市産業創造財団 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | サイデン化学株式会社(法人番号:3010001044819) |
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事業内容 | 合成樹脂エマルション等の製造及び販売 |
社員数 | 300 名 |
生産拠点 | 東京工場(埼玉県)、滋賀工場(滋賀県) |
本社所在地 | 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-4-7 |
ホームページ | https://www.saiden-chem.co.jp/ |
連絡先窓口 | 開発本部 小田純久 |
メールアドレス | odas@saiden-chem.co.jp |
電話番号 | 048-861-9121 |
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