研究開発された技術紹介

リチウムイオン電池は、携帯電話、ノートパソコン等の携帯機器や自動車、発電分野において次世代に向けた高機能化(大容量化、高速充電、高寿命化)の要求がある。本研究は、既存のアルミ箔集電体をアルミ繊維に置き換え、電気の取り出しを容易にすることで、充放電速度、高容量化、高寿命化に優れた、しかも大型化、低コスト化が可能なリチウムイオン電池の開発を行うものである

リチウムイオン電池の構造を変化させることで、以下の目標を達成することができた
・容量：200Wh/kg、400Wh/L、2000W/kg(従来技術100Wh/kg、160Wh/L)
・充放電速度：従来技術の2倍・サイクル特性：300サイクルで初期の充電容量の90%(従来技術50～70%)
・製造工程(工数);従来の1/2製造コスト：従来の1/2

・アルミニウム繊維の製作とリチウムイオン電池の製作
‐孔径約20μmの長繊維、短繊維の製作が可能となった
‐活材に上記短繊維をその4wt％混練機で均一に混入する事が可能となった
‐この方法で、ボタン型、ラミセル単層セルの電池を製作した

・アルミ繊維混入リチウムイオン電池の特性評価
‐電池の内部抵抗を大幅に低減できることが分かった
‐繊維を混入する事で活材を厚く塗布できることが分かった
‐市販の5Ah(アンペアアワー)リチウムイオン電池と比較したところ、活材の塗布面積=1800cm2、1C充放電に対して、
容量容量=3420mAh→7920mAh(開発箔)2.3倍
体積ｴﾈﾙｷﾞｰ408wh/L→575wh/L(開発箔)1.4倍
重量ｴﾈﾙｷﾞｰ160wh/kg→194wh/kg(開発箔)1.2倍

向上出来ることが分かった

「蓄電デバイスの集電体用のアルミニウム不織繊維材、その製造方法、前記アルミニウム不織繊維材を用いた電極、およびその製造方法」PCT/JP2016/070752
「蓄電デバイスの電極およびその製造方法」PCT/IB2017/058110

高容量化、充放電の高速化、充放電サイクルの継続性(寿命)の向上、安全性向上、形状の柔軟性向上、低コスト化を実現した革新的リチウムイオン電池

ビジネスモデルに関しては九州産業技術センターの報酬型コーディネーター支援を2018年の10月から頂き、検討中で、2019年1月電池メーカーの来社があり、評価をしてもらう事となり、現在評価中である。また、2019年2月27日から3日間開催の二次電池展に出展し、多くの来場社があり、今後どのように展開するか検討中である