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精密加工

PSIRプリズム(P偏光、S偏光、赤外光(IR)を撮影できるという社内呼称)

東京都

株式会社三井光機製作所

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 世界初、皮膚表面・内部同時観察可能とするダーモスコープ用プリズムの開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 医療・健康・介護、航空・宇宙、自動車、エレクトロニクス、光学機器
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮
キーワード 赤外線、皮膚内部まで観察可能、同時同軸観察が可能、偏光
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成30年度~令和1年度

プロジェクトの詳細

事業概要

皮膚科医療において悪性腫瘍等の正確な診断のため、ダーモスコープと呼ばれる偏光を利用した観察具が使用されている。また、赤外光によってさらに深い皮膚内部の組織構造の観察も行われている。しかし、上記2種類のカメラを併用することは診察が煩雑で手間がかかるものにしている。当社では独自技術でこれを解消する方法を考案したため、事業化をめざす。

開発した技術のポイント

現在の非接触型ダーモスコープにプリズムモジュールを組み込むことにより、医師と患者それぞれの負担軽減のため、光源の可視光と赤外光を分離し、
PSIR各chを同時同軸で観察することを可能にした。

具体的な成果

・イメージセンサーの接合技術の開発
-新規イメージセンサー接合装置について、微調整機構のブラシュアップやセンサー貼り合わせ用ガラスブロックの設計と相俟ってプリズムとの接合精度を向上させ、高精細な画像提供を可能とするイメージセンサー接合精度+/-0.4μm以内(相対位置)を達成した。
・可視光/赤外光分離膜の開発
-中間屈折率コート材料を導入する事で成膜技術を一段と高度化し、可視光と赤外光との良好な分離を可能とする膜設計技術を確立した。これにより入射角依存の波長シフトの低減を初めとして分光特性のフラット性、成膜バッチ間バラつき等製品の安定化を実現する事が出来た。この結果、可視光と近赤外光を含めた総合的なダイクロイック膜の成膜設計技術を確立した。

知財出願や広報活動等の状況

本開発案件に関わる特許を事業開始前に2件出願中。
ダーモスコープ用プリズム開発として、赤外光波、可視光P偏光波、可視光S偏光波の3分光光学モジュール構成及び3分光光学モジュールを使用した光学装置の基本的構成に関する特許2案件
特願2018−104049
特願2018−104050

研究開発成果の利用シーン

医療現場における、ダーモスコープ利用による悪性腫瘍早期発見。
その他の分野でも転用が可能。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

デモ機を作った経験から事業化展開可能性は大と判断、商品化には研究機関、医師等と色々な症例を記録して検討を進めることで、より実現性を高める。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

・ダーモスコープを利用する可能性のある顧客数は皮膚科病院医師数3,889、診療所医師数10,734、合計14,623(帝国データバンク)、皮膚科医師やアトピー等で関係する小児科を含めると国内だけでもかなりの数の需要が見込まれる。
・本製品が通信機能を持つ事も考えており、この展開が実現すれば医師間の情報交換、医師と患者の意思疎通についてスマホ等の携帯端末、タブレット端末を通しての会話が可能になり、医療行為についての信頼性も増してくると予測される。
・本開発内容と市場ニーズが一致する分野は、監視用カメラ、溶接用・鉄鋼用カメラ、航空機用カメラ、車載用カメラ等幅広く存在しており、波及効果は大きい。

今後の実用化・事業化の見通し

・デモ機を作った経験から事業化展開可能性は大と判断するが商品化には研究機関、医師等と色々な症例を記録して解析を進めることで、
 より実現性を高めるよう検討して行きたい。
・川下産業には当社には無いが画質調整技術、映像加工技術との連携等、診断を早くできるような技術展開を考えたい。
・患者情報、医療診断情報との連携の重要性が高まって来ている。
個人の診療情報との連携や画像データベースの蓄積によって、権威のある先生でなければ判断できないようなもののナビゲートが望まれる。

実用化・事業化にあたっての課題

・川下企業である池上通信機様とは、昨春より商品化に向けて各種データの蓄積、赤外波長の最適設計値の検討等のステージに進めるべく準備をしてきましたが、コロナ禍により企画遅延変更の可能性あり。現在、応用技術を生かした医療関連の試作を検討中。平行して皮膚科医と連携しダーモ開発のステージへ移行準備
・広島大学蓮沼先生には医療関係者へのデモ機活用によるアドバイスや秋田大学への繋ぎ依頼がコロナ禍により停滞中。
・秋田大学医学部と連携し、本カメラの強みである深さ方向の患部に関わるデータを蓄積すべく準備中だがコロナ禍の影響により、コンタクトできない状況。

事業化に向けた提携や連携の希望

・皮膚科医療関係者の情報入手及びコンタクト先などネットワーク支援
・見込み顧客に対する製品・サービスのテストマーケティング支援
・販路拡大に向けたサポート支援
・公的機関や中小企業等の連携先構築支援

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社三井光機製作所
事業管理機関 公益財団法人あきた企業活性化センター
研究等実施機関 秋田県産業技術センター
アドバイザー 池上通信機株式会社
広島大学医学部付属医学教育センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社三井光機製作所(法人番号:3011301006863)
事業内容 主な営業品目 各種光学プリズムの研磨、蒸着、接合及び組立
社員数 80 名
生産拠点 株式会社三井光機製作所 秋田工場
本社所在地 〒166-0012 東京都杉並区和田2-3-3
ホームページ http://www.mitsui-om.co.jp/
連絡先窓口 株式会社三井光機製作所 開発部 齋田 有宏
メールアドレス saita.arihiro@mitsui-om.co.jp
電話番号 018-882-2995