測定計測
生命活動の最も根幹を表わす4つのバイタルサイン(呼吸数、心拍数、血圧、体温)を呼吸情報から分析するという新たな計測方法の実現を目指す
宮城県
株式会社コスモスウェブ
2022年1月25日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 呼吸情報に基づいたマルチバイタルサイン計測技術の研究開発 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | 呼吸情報、バイタルサイン、センサシステム、MEMS、災害 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本事業では、生命活動の最も根幹を表わす4つのバイタルサイン(呼吸数、心拍数、血圧、体温)を呼吸情報から分析するという新たな計測方法の実現を目指す。具体的には、MEMS技術によるマルチ物理量センサ集積化技術とバイタルサイン信号処理技術とを融合することで、呼吸という流体流れから、呼吸、心拍数、心拍出量、さらに体温の情報を読取る計測・解析手法を確立する。
開発した技術のポイント
・マルチ物理量センサ集積化技術
-MEMS技術により、流量、風向、温度の3つのセンサデバイスを集積化した。
-MEMS技術の特徴を最大限に活用し、センサ構造の小型化を図ることでセンサの応答性を極限まで追求し、これにより時々刻々流量と流れの向きが変化する呼吸の流れを高時間分解能で計測することを可能にした。
・計測および信号処理技術
-マルチ物理量センサを動物実験に適用し、4つのバイタルサイン(呼吸数、心拍数、血圧、体温)を算出するためのもととなる、流量、風向、呼気温度を計測した。
-バイタルサインを変化させ、その変化を気体流量変化として、検出可能か否かを検討した。
・システム化技術
-有線によるシリアル通信で、マルチ物理量センサで取得したセンサデータを、バイタルサイン信号処理デバイスへと送信し、その後、処理デバイスにてデータ解析するという一連のデータ送信・解析技術の流れを確立した。
具体的な成果
・マルチ物理量センサ集積化技術
-流量、風向、温度の3つの物理量計測が可能なセンサデバイス技術を確立した。
-熱式検出原理を用いて可動部のないセンサ構造を開発した。
-流量0~300cc/min、応答速度100ms以下、温度補償0~45℃を満たす小動物用流量センサデバイスを開発した。
-流量0~80L/min、応答速度300ms以下、温度補償0~45℃を満たすヒト用流量センサデバイスを開発した。
-風向きセンサの誤差±10%以下、温度センサの誤差±1℃以下を達成した。
・計測および信号処理技術
-呼吸周波数の誤差±5%以下、分時換気量の誤差±5%以下、心拍周波数の誤差±5%以下、体温の誤差±5%以下を達成した。
・システム化技術
-Bluetoothによる無線通信、PCで処理できる解析ソフトを開発した。医療機器用国際規格(IEC)の安全性試験評価を実施した。
-モバイルバッテリーによる8時間駆動実現した。医療用マスクへ実装可能な技術を確立した。
知財出願や広報活動等の状況
・本技術の核となる「呼吸情報からの呼吸及び心循環機能検出原理」に関する知財を特許出願している。(特願2020-116274)
・本計測技術の源である流量センサの基本特許、およびそれの周辺特許については既に特許として権利化しており、さらに上記以外の周辺特許も特許出願している。
・今後、上記特許の権利化を図るとともに、(株)コスモスウェブと名古屋大学及び広島市立大学とで知的財産を含めた実用化の枠組みを構築する。
・学会発表:
(1) MEMS flow sensor capable of measuring multi-vital signs of respiration, heart rate, and body temperature, Tech. Dig. of 21st International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems, Online, Jun. (2021), B2-209b., Y. Hasegawa, S. Lee, M. Matsushima, S. Hasegawa, T. Kawabe, M. Shikida
(2) 呼吸,心拍,体温のマルチバイタルサイン計測を可能とする呼吸センサの開発, 第38回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム,(オンライン,2021.11.9-11),10P2-SS3-5, 長谷川 義大, イ スンヒョン, 松島 充代子, 長谷川 信, 川部 勤, 式田 光宏
研究開発成果の利用シーン
本事業で開発した計測システムは、災害時における医療支援計測装置である。
都道府県、市区町村の災害対策本部に設置することで、災害発生時にバイタルサインを計測分析できる。
その結果、1人でも多くの人命を救助できる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
日本呼吸器学会学術講演会で口頭発表(最終的にはweb報告)を行った。
次のステップで関係医療機関へサンプル提供し、医学的実績を蓄積する。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
本事業で開発したマルチバイタルサイン測定システムを活用することで、災害医療現場で迅速かつ正確にバイタルサインを測定できる。
その結果、患者の状態を把握し、救命医療を実施できる。
今後の実用化・事業化の見通し
AEDが一般社会に普及したように、本事業で開発したマルチバイタルサイン測定システムも徐々にではあるが、着実に普及すると推測している。
販売先としては、都道府県、市区町村の行政機関の施設を想定している。また、医療機関である大学病院の集中治療部門、救命救急部門でも本システムは必要であると考える。
試作品による臨床研究などで得られた医学的データを学会等で発表し、広く周知する。
その後、関係医療機関へサンプル提供し、実績を蓄積した後に行政機関へ販売設置交渉を進めていく。
実用化・事業化にあたっての課題
実用化に向けて、開発した臨床用マスクタイプのバイタルサイン測定システムに改良を加えて検出精度の向上をはかる必要がある。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社コスモスウェブ |
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事業管理機関 | 公益財団法人みやぎ産業振興機構 |
研究等実施機関 | 公立大学法人広島市立大学 情報科学研究科 国立大学法人 東海国立大学機構 名古屋大学 医学系研究科 |
アドバイザー | J-Med Associates 安倍彰 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社コスモスウェブ(法人番号:3370001012062) |
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事業内容 | 電気電子回路設計、ソフトウェア設計、制御システム開発、プリント基板、卓上ロボット開発製造、電子部品販売、受託開発製造、医療機器製造販売 |
社員数 | 82 名 |
本社所在地 | 〒998-3122 宮城県仙台市青葉区栗生5丁目4-1 |
ホームページ | http://www.cosmosweb.com |
連絡先窓口 | 経営本部 総務部 |
メールアドレス | cosmosweb.soumu@cosmosweb.com |
電話番号 | 022-302-8520 |
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