機械制御
薬剤投与管理による在宅医療可能な新たな医療機器を目指す
岩手県
株式会社アイカムス・ラボ
2022年1月25日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 小型薬剤投与装置及び薬剤管理システムにおける低消費電力化の研究開発 |
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基盤技術分野 | 機械制御 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、低コスト化 |
キーワード | 薬剤投与管理、無線通信、AI、ねじ、インスリン |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
糖尿病患者は食事直前のインスリンを自身で注射により投与するが、シリンジ内の薬剤をワンショットで一気に投与するため、注射時の鈍痛が大きく、患者の精神的・身体的負荷となっている。また、医師が投与時刻や投与量を管理できないことも問題となっている。そこで本研究開発は薬剤投与の高効率な機械制御技術を開発することで、多数のショット回数で、痛みが少なく、投与管理も可能な、小型・高効率投与装置を開発する。
開発した技術のポイント
・AIによる低消費電力モータ制御
-歯科用装置でのモータ制御検討
-高効率直動機構を使用したモータ制御検討
・高効率直動機構の開発
-小径台形すべりねじの設計開発
-すべりねじ表面処理と潤滑剤組合せ検討
・電動ワンショット・インスリン投与装置の試作機設計開発
具体的な成果
・AIによる低消費電力モータ制御
-モータ制御を従来技術PID制御に対しAI制御にすることで22.3%電力削減効果を確認し、目標の10%削減を達成。
・高効率直動機構の開発
-開発したすべりねじの評価を行い、耐久性も含め動力伝達効率は42.2%となり目標30%を達成。
・電動ワンショット・インスリン投与装置の試作機設計開発
-連続投与回数313回後に無線通信ができる事を確認し目標50回を達成。
知財出願や広報活動等の状況
・自己学習(AI)のアルゴリズムを用いたモータ制御により、モータの消費電力を低減する内容で特許を1件出願した。
研究開発成果の利用シーン
・これにより、薬剤が正しく投与されたかどうかを病院やヘルスケアの機関がチェックできるようになることで、確実で安心・安全な医療を実現することが可能となる。
・医師、医療系の研究者、医薬品企業、自治体の保健担当部局、サービス業などが利用することで、新たなビジネスを生み出すことが期待できる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
使い勝手の観点から、今後、更なる小型化デザインの開発を川下企業と連携して進める予定としている。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
開発した電動ワンショット・インスリン投与装置は、従来の他社製品である手動投与装置に比べて痛みが少なく、電動投与装置に比べて低侵襲で投与可能である。また、薬剤投与状態をクラウド等によりデータ管理し、薬剤が正しく投与されたかどうかを病院やヘルスケアの機関がチェックできるようになることで、確実で安心・安全な医療を実現することが可能となる。
今後の実用化・事業化の見通し
・電動ワンショット・インスリン投与装置
-本研究で開発した技術を基にして、「電動ワンショット・インスリン投与装置」として病院内投与や在宅医療用途に製品を開発し販売を行う。また、本研究成果は、インスリン投与装置のみにとどまらずに、薬剤投与状態を無線通信手段を用いてデータ転送してクラウド等によりデータを管理する「薬剤投与システム」に展開する。
・ペン型電動ピペット「pipetty」への展開
-本製品は直動機構には従来技術のすべりねじを採用しているため、バッテリー寿命が短く、分注スピードが遅い。そこで、本研究技術を採用することで、バッテリー寿命は約1.2倍、スピードは20%アップすることが見込めるので、3年後にはシェア2倍に拡大を目指す。さらに、本研究の無線通信技術は、分注プロセスや培養プロセスのバリデーション・システムにも応用展開を目指していく。
・新たな事業への展開
-本製品によるシステムは、薬剤投与データや生体データをクラウドで管理することにより、新たなサービスビジネスへの展開を目指していく。
実用化・事業化にあたっての課題
表示インターフェースや安全性担保(生体認証、薬剤認証)等を含め開発製品に機能を集約することを求められている一方で、使い勝手の観点から更なる小型化の検討も求められている。
事業化に向けた提携や連携の希望
本技術はインスリンだけでなく、薬の投与管理ができる技術である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社アイカムス・ラボ |
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事業管理機関 | 公益財団法人いわて産業振興センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人岩手大学 |
アドバイザー | ニプロ株式会社 シオノギファーマ株式会社 医療法人社団医凰会 株式会社TOLIMS 東北ライフサイエンス・インストルメンツ・クラスター |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社アイカムス・ラボ(法人番号:5400001003543) |
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事業内容 | マイクロアクチュエータとその応用製品の開発・製造・販売及び当該製品や技術、製造装置、評価装置の受託開発など |
社員数 | 40 名 |
本社所在地 | 〒020-0857 岩手県盛岡市北飯岡二丁目4番23号 |
ホームページ | https://www.icomes.co.jp/ |
連絡先窓口 | 株式会社アイカムス・ラボ 開発部 小川 裕二 |
メールアドレス | ogawa@icomes.co.jp |
電話番号 | 019-601-8228 |
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