機械制御
低騒音化・低振動化を実現し、製造工程を短縮するステアリング用高伸縮型スプライン伝達機構の開発
愛知県
協和工業株式会社
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 防振・防音機能を持つ低コストなステアリング用高伸縮型スプライン伝達機構の開発 |
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基盤技術分野 | 機械制御 |
対象となる産業分野 | 自動車、産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(使用機器削減)、環境配慮、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | ステアリング、伸縮、操作性、樹脂コーティング、スライド |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車産業では、衝突安全性が高く、応答性が優れ、更に低騒音・低コストであるステアリング用スプライン伝達機構の開発に対する強いニーズがある。本研究開発では、高精度な冷間成形加工で長い滑動が可能なスプライン軸を製造し、独自の工法で均一で薄く堅固なコーティング膜を形成することにより、高精度・低コストである製造技術を開発する。これにより低コストで革新的な動力伝達機構の実現を可能とする
開発した技術のポイント
スプライン軸への均一で薄く堅固なコーティング膜を短時間で形成
・樹脂コーティング装置→サイクルタイム60秒、1個流し可能
・コーティング膜厚→200μm以下かつ均一
・耐久性→ガタ増加量1′30″以下、スライド荷重範囲15~20N、摩耗や剥離なし
(新技術)
・塗膜厚‐膜厚200μm以下かつ均一な塗布膜を確保でき、騒音・振動抑制効果が大きい
・仕上
‐薄膜のためサイジングのみで均一に仕上げるため、工程が短縮できがコスト低下
具体的な成果
・サイクルタイム60秒、1個流し可能な樹脂コーティング機械装置を製作
‐供給部からプライマー浸漬塗布、加熱、樹脂パウダー塗布を織り込んだ樹脂コーティング機械装置を製作
‐加熱部に電磁式加熱装置を組み込むことで、1個流しを実現、さらにサイクルタイム60秒を達成
・薄く均一な成膜を達成。また樹脂コーティングの強度を高める技術を開発
‐槽内の温度、塗布時間を検証し、200μm以下で均一な塗膜厚を形成する技術を確立
‐素材表面のショット研掃材、密着性を向上させるプライマー、さらに樹脂パウダーの選定を通じて、強固な樹脂コーティング膜を形成する前処理も技術も併せて開発
・スプライン軸に施した樹脂膜の耐久試験を実施し、スプライン伝達機構の十分な強度を確認
‐製作したスプライン伝達機構について、スライド耐久試験を50万回実施して評価
‐スライド荷重変異は15~20N以内に収まり、樹脂膜の剥離も見られず、目標を達成
‐振動に影響するガタ量も川下ニーズを満足する値を獲得
‐付着すべり試験機による、耐摩擦磨耗試験を実施し、樹脂膜に摩耗がないことを確認
・スライド耐久試験における樹脂コーティング部
~スライド機構の両端にステアリングジョイントを溶接し試験機に固定をして、40mmスライドさせ、初期の状態から50万回まで実施。スライド荷重変位は目標を達成、樹脂コーティング部の剥離もなかった~
知財出願や広報活動等の状況
・出展:東京モーターショー(H23.12)、クルマ未来博2012(H24.11)
・新聞:日刊工業新聞(H24.10.11、10.23~10.26)
・受賞:愛知県「愛知環境賞優秀賞」(H24)、素形材センター「素形材産業技術賞中小企業庁長官賞」(H24)
研究開発成果の利用シーン
微小の長さの変位に追随することや静寂性の利点があり、自動運転の操舵部位に活用されている。また、長いスライドにおいて、どの位置においても安定した操作性を確保できる技術開発によりトラック系(キャブオーバー)において注目されている。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功、H25年度の事業化を目指す
・取り付け長さ、相手の形状(諸元)、伸縮量などの仕様提示により、試作品製作可能(有償)
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化→中間スライド部に樹脂コーティングを塗布し、サイジングのみで仕上げることで、生産性効率を図り30%のコスト低減が可能・強度
・剛性向上→樹脂コーティングにより従来比で強度が30%向上し、また熱処理品と同等以上の強度を確保可能
・軽量化→衝突安全(伸縮)、振動、騒音、組立性をクリアする様々な機構を一体化することで、30%の軽量化が図れる上、強剛性化によりコンパクト化が可能
今後の実用化・事業化の見通し
国内主要自動車メーカーを対象に、H25年6月の事業化を目指す
・川下企業数社へ試作品を提供し、性能評価・耐久試験を実施し高評価を得たことで、量産イベントを展開中
・中間部の伸縮量を増やす要求やスライド荷重の変化量の微小化、ガタ量の微小化、最終仕上げダイスの精度向上、温調などをテーマに補完研究を実施する予定
・国内主要自動車メーカーに対し、H25年6月の事業化を目指す一方で、国内外の自動車メーカーへの販路開拓を狙うとともに、農業機械への試作品提供も実施する予定
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 協和工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人名古屋産業科学研究所 |
研究等実施機関 | 名古屋市工業研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 協和工業株式会社(法人番号:1800-01-092448) |
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事業内容 | ユニバーサルジョイント、ステアリングジョイント設計、製造、販売冷間成形潤滑剤塗布装置「PULSKIP」販売 |
社員数 | 160 名 |
生産拠点 | 愛知県大府市横根町坊主山1番地31 |
本社所在地 | 〒474-0011 愛知県大府市横根町坊主山1-31 |
ホームページ | http://www.kyowa-uj.com |
連絡先窓口 | 総務グループ顧問 久野敬次 |
メールアドレス | t-kuno@kyowa-uj.co.jp |
電話番号 | 0562-47-1241 |
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