測定計測
モータの形そのままにリアルな損失測定を実現
大分県
株式会社ブライテック
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | モータ積層コアの損失計測技術の高度化とシステム開発 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 自動車、ロボット、産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上) |
キーワード | 鉄損、ステータ、ロータ、サーモグラフィカメラ、磁気特性 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
環境問題のために、産業用モータや、特に今後エンジンから電動化が進む電気自動車等の駆動用のモータの高効率化のニーズは高い。しかしながら、モータの主要部品であるモータ積層コアの加工による損失は、従来の磁気センサでは分解能が不足し計測ができず、高効率化の指針が得られない。そのために、新たに熱的測定法により空間・測定分解能を向上させ、モータ積層コアの損失を詳細に計測する技術の高度化とシステム開発を行う。
開発した技術のポイント
・従来比空間分解能100倍(0.03mm)
₋高性能サーモグラフィカメラ使用により空間分解能向上。
₋非接触で短時間計測が可能になり、量産用品質管理に使用可能。
・従来比損失分解能10倍(1W/kg)
₋高真空状態で計測により計測精度が向上する。
₋微少温度変化を用いた非破壊試験等への応用も可能
具体的な成果
・熱的測定法の開発
高速サーモグラフィカメラを用いた測定装置の製作及びソフトウェアの作成を行った。
高速サーモグラフィカメラとしてFLIR X6901scを選定し、分解能が0.024mmであることを確認し空間分解能100倍の0.03mm以上の目標を達成した。
・熱的外乱除去技術の開発
大型の真空チャンバー及び大容量のターボポンプを組合せ、最大真空度5×10-4Paを確認し、オープン型単板磁気試験機により磁気特性による鉄損とサーモグラフィカメラによる損失を測定し0.55W/kg(0.6T測定時)に相対誤差0.10%であることを確認し、目標である損失分解能10倍(1w/kgの実証)の目標を達成した。
・計測装置のユニバーサルデザイン化
真空チャンバーを制御するバルブやターボンプのGUI画面をイラスト化することや、バルブ誤操作をなくした。その結果ユーザーテストの評価結果が5段階で4.3となり目標の4以上を達成した。
・モータ積層コアの損失計測の実証
モデルモータ及びモータ駆動装置やオープン型単板試験機により磁気特性により鉄損とサーモグラフィカメラによる損失誤差が最大で9.7%であることを確認し、目標の10%以内を達成した。また、実証用のモデルによりモータ積層コアの溶接の影響や回転体の測定により装置の有効性を示した。
知財出願や広報活動等の状況
新聞掲載:日刊工業新聞(2020/05/19)ブライテック、モーター損失を画像で把握 受託測定を事業化
研究開発成果の利用シーン
今回開発した測定技術により、モーターを寸法管理ではなく、磁気的な品質管理をすることが高分解能でできるようになる。
モーターの高効率化、高出力化、小型化を目指して開発するシーンで活用できる測定技術である。
モーターの具体的な適用製品は、電気自動車、ロボット、汎用産業機械などが考えられる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本開発のサーモグラフィカメラによる熱的損失可視化装置は自動車産業やロボット産業などで多く使われているモータの高性能化につながる測定を行うもので、サンプル測定を進め、ユーザーに評価をもらい、令和 2年度から販売を開始する。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
今回開発した測定技術を適用することで、モーターを寸法管理ではなく磁気的な品質管理を高分解能ですることができる。
電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、などの駆動用のモータに必要な仕様は小型・軽量、高出力、高効率、低騒音、低振動など要求項目は多岐に渡る。要求仕様を達成する開発を行うため実機計測を行うことができるようになる。
ロボット産業の製品に組み込まれるモータの自重が製品性能に影響する。そのため小型・軽量、高出力が要求され、それらの開発に、本計測技術を用いて実機の品質管理をして開発を進めることができる。
汎用の産業用小型モータにおいても効率規制が日本でも開始され、世界的な動きとなった。モータが使われる製品の高性能化や小型化が進むと同時にモータそのものの設計変更も検討しなければならず、まさに本装置を活用して精度の高い計測により、規制に対応する指針を得られる。
今後の実用化・事業化の見通し
・受託測定サービスの展開方法
₋通常の開発業務として、この計測装置を使用して頂く「顧客の知りたい欲求」に即応するために「受託測定サービス」をあげ、これを重視している。モータは、国内のみならず海外にも大きな市場があるものの、当面は国内での技術・製品の周知と展開を重点とし、受託測定サービスでの地盤を築く。
・展示会、商談会、学会などでの周知活動
₋モータ積層コアの損失計測実証データを基に、モータ積層コアの磁気特性の品質管理の重要性を示し、本計測技術の有用性を周知する。また、国内外の展示会、商談会への参加を積極的に行う。そして、各研究段階における成果発表などを、学会や論文発表で行う。これらの活動により、計測装置、計測法についての周知および、受託測定などのサービスの紹介を行う。
・中小機構の受発注マッチングサイト(J-GoodTech)などの活用
₋マッチングフォーラムでのプレゼンテーションや、J-GoodTech登録の2,500社などへのアプローチを行う。
実用化・事業化にあたっての課題
「今後の実用化・事業化の見通し」の内容を確実に推進すること。
また、国の方針としても、国際標準化への対応が求められており、本研究成果で確立される測定法は、いち早く国際標準として規格化を検討する意義があると考えている国際標準化については「国際標準化アクションプラン」にもとづき、基準認証政策課(経済産業省、産業技術環境局)の指導をいただきながら、実現に向けて取り組みを進める。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ブライテック |
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事業管理機関 | 公益財団法人大分県産業創造機構 |
研究等実施機関 | 有限会社 FACT 大分県産業科学技術センター 国立大学法人 大分大学 |
アドバイザー | トヨタ自動車九州(株) 株式会社三井ハイテック 同志社大学 JFE テクノリサーチ株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ブライテック(法人番号:2320001003117) |
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事業内容 | 電気機械器具製造業 |
社員数 | 121 名 |
生産拠点 | 大分県大分市大字海原739番地3 |
本社所在地 | 〒870-0107 大分県大分市大字海原739番地3 |
ホームページ | http://www.btec-net.co.jp/index.html |
連絡先窓口 | 株式会社ブライテック 技術部 相原 茂 |
メールアドレス | shigeru_aihara@btec-net.co.jp |
電話番号 | 097-574-7899 |
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