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表面処理

金属蒸気触媒CVD技術を用いたミニマルファブ用絶縁基板上グラフェン直接合成装置の開発!

大阪府

株式会社ナバテック

2021年2月18日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 金属蒸気触媒CVD技術を用いたミニマルファブ用絶縁基板上グラフェン直接合成装置の開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 医療・健康・介護、環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、半導体、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(使用機器削減)、環境配慮、低コスト化
キーワード ミニマルファブ、グラフェン、半導体製造装置、金属蒸気、電子デバイス
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 平成29年度~令和1年度

プロジェクトの詳細

事業概要

これまで実現が困難であった絶縁基板上へのグラフェン合成を可能とする、金属蒸気を触媒に用いたCVD手法による絶縁基板上へのグラフェン直接合成技術と、半導体製造装置の小型化と高性能化、多品種少量生産に対応した低コスト化を可能にする革新的生産システムであるミニマルファブ生産システムを融合した、ミニマルグラフェン合成装置を開発し、最先端材料であるグラフェンの電子デバイスとしての産業応用分野を開拓する。

開発した技術のポイント

絶縁基板上グラフェン直接合成技術のミニマル装置化と、ミニマルファブ用成膜グラフェンを用いたデバイス基盤技術の開発が完了。これにより、グラフェンを構造体とした電子デバイス開発が推進される。
・半導体・絶縁基板上へのグラフェン成膜技術の最適化
-金属蒸気触媒供給システムにおける金属蒸気触媒生成温度を300℃以下に低温化した。
-計算機シミュレーションにより基板面内での金属蒸気・原料ガスの分布誤差±5%以内となる条件を探索した。
-グラフェンの膜厚・結晶性の面内均一性±5%、膜厚制御性±5%、ラマン分光スペクトルでG/D比1以上を達成した。
・グラフェン成膜装置のミニマル化
-各種電源系統、真空排気系統ガス導入系等の最適レイアウトを決定した。
-ミニマル規格に準ずるサイズ(装置サイズ:約29cm×45cm×144cm)に組み込んだ。
・成膜グラフェンを用いたデバイス加工レシピの開発
-成膜グラフェンのフォトリソグラフィーによるパターニング、エッチング条件を探索した。
-レジストを除去した成膜グラフェンの結晶性を評価することで、汚染除去によるグラフェンの結晶性悪化を評価した。
-ラマン分光スペクトル計測にて、G/D比の悪化が10%以内となるグラフェン加工プロセス、グラフェン表面の汚染除去プロセスを確立した。

プロジェクト概要
具体的な成果

・絶縁基板上グラフェン直接合成技術のミニマル装置化
-半導体・絶縁基板上へのグラフェン成膜技術の最適(低温)化
-金属触媒蒸気・原料ガスの合成炉内での分布の最適化(±5%)
-グラフェン合成条件の最適化
*膜厚・結晶性の面内均一性±5%、膜厚制御性±5%
*ラマン分光スペクトルでG/D比1以上
-グラフェン成膜装置のレイアウト最適化
-グラフェン成膜装置のミニマル筐体への組み込み
・ミニマルファブ用成膜グラフェンを用いたデバイス基板技術の開発
-グラフェン加工レシピの開発
*ラマン分光スペクトル計測にて、G/D比の悪化が10%以内
-グラフェン表面の汚染除去プロセスの開発
*ラマン分光スペクトル計測にて、G/D比の悪化が10%以内

プラズマ発光の様子とグラフェンのラマンスペクトル
グラフェン膜厚制御性
グラフェン膜厚・結晶性分布
研究開発成果の利用シーン

半導体・絶縁基板上へ直接グラフェン成膜を可能とする生産装置と、グラフェンに損傷を与えないデバイス加工プロセス、グラフェン表面の汚染除去プロセスを開発した。これらの製品により、グラフェンを構造体としたMEMSセンサーなど、先端研究で開発が進んでいる従来型デバイスの性能を凌駕する電子デバイス群の産業化が可能となる。また、グラフェンを用いたバイオセンサーやDNAシーケンサー等のナノバイオデバイス、グラフェンを用いた光学デバイス、最先端透過型電子顕微鏡観察用のグラフェン支持膜などへの活用も期待される。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

現状産総研での装置評価中ではあるが、すでに、横河ソルーションサービス殿が最先端デバイスに使える装置であると興味を持って頂いており、本装置を用いたデバイスを製作できるライン構築に向けた販売先を検討頂いている。
まずは現行装置を用いてサンプル成膜を実施しそのデータを基に想定している具体的企業に向けて アプローチを行なっていただく予定である。

提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造

製品・サービスのPRポイント

これまで実現困難あった半導体・絶縁基板上へ直接グラフェン成膜を可能とする生産装置と、グラフェンに損傷を与えないデバイス加工プロセス、グラフェン表面の汚染除去プロセスを開発した。これらの製品により、グラフェンを構造体としたMEMSセンサーなど、先端研究で開発が進んでいる従来型デバイスの性能を凌駕する電子デバイス群の産業化が可能となり、グラフェンを用いた電子デバイス開発が推進される。

今後の実用化・事業化の見通し

・新たな事業展開の可能性
-グラフェンを用いた先端MEMSデバイスの事業化
グラフェンをメンブレン構造体とした、圧力MEMSセンサー、マイク、超音波素子などのMEMSデバイス群の産業化が可能となる。
-グラフェン成膜の受託事業
開発した装置の事業化に伴い、グラフェン成膜の受託事業への展開も検討する。
・事業化への実現性
現状ミニマルファブにて想定使用ユーザーが組合メンバーに参画しており、事業化への実現性は高いことが見込まれる。またグラフェンという新しい材料を用いた生産ラインの構築が可能となることで新材料を検討しているユーザーに対して需要は高まる。そういった需要の高まりに応じて、検査機器や、雇用体制を整えるとともに、社外的への委託依頼事項なども検討する。
・販売先、川下製造業者等の事業化の体制
販売先は、公的研究機関及び、半導体メーカー、 MEMSメーカー、機器メーカーを想定している。装置単体での販売となる場合には従来通りナバテックにて直接の販売や、顧客対応を実施するが、ミニマルファブシステムとしての製造ラインでの販売の場合には横河ソリューションサービスを窓口になっていただく。製造ラインでの販売の際にはメンテナンスやアフターサービスなどはすべて横河ソリューションサービ スが窓口になってもらえるため、弊社では必要に応じた人員増員を今後検討する。
・事業化に至るまでの遂行方法
実機を用いた成膜結果を基に、ミニマルファブ総会でのポスターセッションによる、販売促進や、デバイス試作などの学会発表、さらにはセミコンジャパンといった半導体最大の展示会への出展なども検討し、基に販売促進を行う。

実用化・事業化にあたっての課題

グラフェン合成温度の低温化およびグラフェン結晶性の更なる向上により、グラフェンの応用用途が広がるため、更なるユーザーの獲得が期待できる。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ナバテック 大阪府羽曳野市駒ヶ谷39-1
事業管理機関 一般財団法人金属系材料研究開発センター
研究等実施機関 ナノテクノロジー・インスツルメンツ株式会社
国立研究開発法人産業技術総合研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ナバテック(法人番号:1150001015246)
事業内容 真空関連機器の設計/製作/販売/メンテナンス
社員数 6 名
生産拠点 大阪府羽曳野市駒ヶ谷39-1
本社所在地 〒583-0841 大阪府羽曳野市駒ヶ谷39-1
ホームページ http://www.navatec.co.jp/
連絡先窓口 技術部長 尾崎 真一
メールアドレス ozaki@navatec.co.jp
電話番号 072-957-7107