材料製造プロセス
放熱特性向上を目的とする高密度充填が可能な
窒化ホウ素(BN)ナノレベル分散スラリー
岐阜県
株式会社MARUKA
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | EV/PHV車向け放熱材料に活用する窒化ホウ素(BN)ナノレベル分散スラリーの量産技術及び品質検査技術の開発 |
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基盤技術分野 | 材料製造プロセス |
対象となる産業分野 | 自動車、産業機械、半導体 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮) |
キーワード | 放熱、ナノ、スラリー、BN、高充填 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本提案ではナノレベルの窒化ホウ素(BN)を高濃度分散させたスラリーを高充填ナノフィラーとして安定品質かつ安価で市場に提供することを目的に、1連続製造する量産技術開発と、2高濃度環境下での分散性を担保する技術を開発する。
開発した技術のポイント
・BNナノ粉末を分散させたスラリーを安定した品質で製造する連続製造プロセスの開発
・少量多品種生産に対応した小型分散処理装置の開発
・高濃度でも分散状態を評価できる高濃度分散スラリーの評価技術の開発
具体的な成果
・導入した特許技術の原理を模擬する連続製造装置(量産機)を選定・導入し、BNナノ粉末をIPA・水・エタノール溶媒下20wt%BN固形分濃度でスラリー製造を行い、目標としたラボレベル品質(粒度分布が0.5μm以下にシャープなピーク、粘度が200Pa·s以下48時間後も著しい沈降無しと同等で生産レベル10㎏hを達成するプロセス開発に成功した。
・開発したBNナノレベル分散スラリーは、流動性があり、濃度ムラや目に見える大きな凝集は見えず、 6か月後に及ぶ経時変化の データベースを構築し、製造時の品質をほぼ維持する優れた分散性を示すことを実証した。
・少量多品種生産に対応した小型分散処理装置を開発することで、BNナノ粉末以外のナノ素材(例えば、カーボンナノチューブ ( CNTs))でも分散処理が応用可能であることを検証した。
・20wt%BN固形分濃度のスラリー原液での粒度分布測定が安定的に測定可能とし1試料当たり10分以下の検査マニュアルを完成させた。
知財出願や広報活動等の状況
【学会発表実績】
平成30年9月6日(木)(公社)日本セラミックス協会年会 口答発表
令和元年10月28日(月)The 13th Pacific Rim Conference of Ceramic Societies ポスター発表
研究開発成果の利用シーン
EV/PHV 車向け電子部材(バッテリーやモーターコンバーター等)では、小型・軽量化のため高い放熱材料が求められておりナノフィラーの高充填化がキーテクノロジーとして期待されている。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本研究開発でナノレベルの窒化ホウ素(BN)粉末を高濃度分散させたスラリーを量産する( 連続製造)システムを構築し、供給量を確保しつつ低コストで市場に供給できる体制は整い、EV/PHV 向け放熱部材市場への販売を基軸とし、ナノレベル分散スラリーの安定供給を主題においた製造販売を強化する事から事業化を進める。 具体的にはユーザーでの製造試作による量産体制前の最終確認を一定期間( 1 2 年程度)継続して行い、問題点の抽出し本格的な生産体制へ移行する計画としている。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
分散が難しいとされるBN(窒化ホウ素)を、あらかじめ分散した状態でご利用いただけるように20Wt%の分散スラリーとして販売しています。
さらに、弊社独自であるナノサイズのBN粉末においても20WT%でのスラリー化が可能です
今後の実用化・事業化の見通し
EV/PHV向け放熱部材市場に対しては、放熱を目途とする部品製造メーカーに対して、サポインでの研究開発期間を通してサンプル提供とユーザー評価を繰り返しながら、ナノレベル分散スラリー採用の内定を頂いた。
事業化においては、当初の目的であるEV/PHV向け放熱部材市場への販売を基軸とし、ナノレベル分散スラリーの安定供給を主題においた製造販売を強化する事から事業化を進める。具体的にはユーザーでの製造試作による量産体制前の最終確認を一定期間( 1~ 2 年程度)継続して行い、問題点の抽出し本格的な生産体制へ移行する計画としている。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社MARUKA 製造部製造1課 |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター 技術振興部開発支援課 |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 構造材料研究拠点 セラミックス基複合材料グループ |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社MARUKA(法人番号:9200001023995) |
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事業内容 | 不定形耐火物製品、耐火性製品、ファインセラミック製品、アルミ溶解炉周辺製品の製造・販売 |
社員数 | 30 名 |
生産拠点 | 本社工場(岐阜県恵那市山岡町) |
本社所在地 | 〒509-7604 岐阜県恵那市山岡町釜屋122-1 |
ホームページ | https://www.maruka-co.com/ |
連絡先窓口 | 株式会社MARUKA 取締役 社長 加藤 文宣 |
メールアドレス | f-kato@maruka-co.com |
電話番号 | 0573-56-2131 |
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