文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 気泡峻別可能な油中パーティクルカウンタの高精度化と,カウンタ校正のための標準懸濁液の開発

測定計測

気泡峻別可能な油中パーティクルカウンタの高精度化と,カウンタ校正のための標準懸濁液の開発

愛知県

トライボテックス株式会社

2023年2月4日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 機械保全に資する潤滑油オンサイト監視装置の開発
基盤技術分野 測定計測
対象となる産業分野 産業機械
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、低コスト化
キーワード 潤滑、パーティクルカウンタ、コンタミナント、校正液、気泡峻別
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 平成29年度~令和1年度

プロジェクトの詳細

事業概要

潤滑油中の粒子を数える事で、機器の故障原因となる潤滑油の汚染や摩耗が評価できる。しかし、機器使用中は計測対象粒子径と同等サイズの気泡が多量に存在するため、潤滑油の汚染をリアルタイムで正確に監視することができない。そこで、気泡を峻別し粒子のみをリアルタイムに計測できる独自技術を発展させ、国内標準化を目指すと共に、校正用標準懸濁液評価システムを構築し、IoTに有用なオンサイト粒子数監視装置を開発する。

開発した技術のポイント

油中パーティクルカウンタの高度化
・レーザ光を粒子に照射し、遮断光と側方散乱光を利用する独自原理の高度化
 -気泡内在流体中において最小4μmの粒子検出が可能。

標準懸濁液の開発
・最小で4μmのポリスチレン球形粒子を均一粒径で作製可能
・従来の校正は多分散粒子で行っていたが、単径複合分散粒子で校正することで信頼性向上が期待される

気泡判定原理
多分散粒子と単径複合分散粒子
具体的な成果

・油中粒子数測定技術(測定装置)の開発
 -液中の粒子と気泡を識別でき、ISO 4406 基準サイズ粒子を検出可能な自動計数装置(開発装置)を完成。
・標準懸濁液及び校正システムの開発
 -開発装置の計数効率を不確かさ10 % 以下で評価。
 -マイクロリアクターを応用した単径の球形粒子製作手法を開発。
 -液中の球形粒子と気泡を識別する技術を開発。
 -偽計数を計数値の5 % 以下に抑える技術を開発。

脱泡油の粒径ヒストグラム
気泡混入油の粒径ヒストグラム
作製球形粒子のSEM写真
知財出願や広報活動等の状況

校正に用いる粒子・懸濁液製造システムの特許出願を検討。
新市場創造型標準化制度を利用した校正システム等の標準化を検討。

研究開発成果の利用シーン

風力を含む発電設備やガス設備を有するエネルギー業界、航空機エンジンを有する航空機業界をはじめとする交通機関、各種モータやポンプを有する上下水道や石油・化学業界など、回転・摺動部を有する動的設備機械を利用するあらゆる産業界での状態監視。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

開発装置を販売するため、技術の紹介と共に、校正に用いる粒子、懸濁液製造システムの特許化、標準化をすすめる。このための追加研究も実施中。

提携可能な製品・サービス内容

試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

・液中の粒子と気泡を峻別でき、且つ、4μm粒子を検出可能な開発装置を完成させた
・単一粒径の微小球形粒子を作製する方法を確立し、単径複合分散粒子による標準懸濁液の供給に目処を付けた。

これらの技術により、液体に混入している気泡の影響を受けず、粒子数濃度をより正確に計測可能となる。
また、単径複合分散粒子径の懸濁液を使用して計数器を校正することで計測の信頼性向上が期待できる。

今後の実用化・事業化の見通し

・回転・摺動部を有する動的設備機械を利用するあらゆる産業界での状態監視への活用を想定し、令和三年度からサンプル出荷と同時に製造販売を行う計画である。
・油中単径複合分散球形粒子懸濁液は、現在の一次標準である油中多分散不定形粒子懸濁液に代わる安価、且つ、粒径・計数効率を正確に値付け可能なものにするため、令和三年度より標準化を目指し、令和四年度からの供給を計画している。

実用化・事業化にあたっての課題

装置校正用の油中粒子数濃度標準懸濁液の完成およびそれを用いた油中粒子計測におけるトレーサビリティの確立を目指し、産業技術総合研究所との共同研究を継続している。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 トライボテックス株式会社
事業管理機関 公益財団法人名古屋産業科学研究所
研究等実施機関 国立研究開発法人産業技術総合研究所
アドバイザー 国立大学法人 福井大学
学校法人 日本大学
株式会社トクヤマ

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 トライボテックス株式会社(法人番号:3180001092636)
事業内容 機械状態監視診断・潤滑管理・トライボ診断・計測器開発
社員数 23 名
本社所在地 〒474-0052 愛知県大府市長草町山口45番地の7
ホームページ http://www.tribo.co.jp/
連絡先窓口 トライボテックス株式会社 技術部 技術開発センター 技術開発G 類家 淳司
メールアドレス a-ruike@tribo.co.jp
電話番号 0562-48-1148