接合・実装
病院等での診断をスムーズにするとともに、陽性者の簡易検査も迅速・安価で行うことが可能な診断システムを開発
京都府
マイクロニクス株式会社
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | mEmS技術を用いた癌診断用カートリッジ型ハイスループット光力学尿中細胞診断装置の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、食品、化学品製造 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
我が国最大の疾病における死亡原因は、癌である。膀胱癌は、とくに早期発見が難しく、尿中の癌細胞の検出精度が低いため、川下産業の医療機関・検査機関においては、簡便・高速・高精度に自動検出する診断装置の開発が求められている。本事業では、MEMS技術と光力学診断法を用いて、フローセル・微細切替弁を作製し、癌細胞の検出・分別・採取を行う癌診断用カートリッジ型ハイスループット光力学尿細胞診断装置の開発を行う
開発した技術のポイント
・高速かつ高精度で細胞を収集し、診断性能を向上
-検出・採取能力:現状では個別に実施→検出と採取を同時に実施
-精度:現状約50%(細胞診)→85%以上
-処理速度:1検体あたり約10分
(新技術)
(カードリッジ型ハイスループット光力学尿細胞診断装置)
・検出時間約10分/検体→操作が簡便かつ検出時間が短い
・排尿からのがん細胞検出率85%以上→検出精度が高い
・装置価格約1、500万円かつカードリッジ1、000円/個→カードリッジ方式の採用等により低価格化
具体的な成果
・癌細胞検出・採取カートリッジの開発
-3ポートの液体入力、2ポートの液体出力を有するマイクロ流体デバイスを設計・製作し、デバイスには厚膜レジストの紫外線フォトリソグラフィ技術と、独創的なマクロ流体デバイス加工手法を適用
-癌細胞懸濁液とシース液をシリンジポンプで圧送するための送液システムを構築するとともに、細胞のみ採取するために採集用試験管に向けてシース液を流れるように制御するピンチバルブ制御システムを構築
-蛍光粒子がシリンジやマイクロ流路へ付着・凝集することを防ぐための分散溶液の検討や表面コーティングを検討
・尿中細胞診断装置の全体設計を検討
-がんに対する最先端研究機関、mEmS技術を利用した機器の開発研究機関等の知見を活かし、検査装置イメージを検討
-可能な過程については自動化をするなどし、外来患者50名の尿検体を8時間以内に素早くスクリーニングすることを可能にした
・カートリッジ型ハイスループット尿中細胞診断装置の臨床導入に向けた検討
-癌細胞と同等の大きさ(約20-30μm)で、蛍光により励起するリポソームを作製
-フローサイトメトリー用ビーズ(励起波長405nmで蛍光波長が488nm:実際の蛍光波長とは異なる)を用いて外部の切換弁をon/offすることでmEmS式カートリッジの出口側の回収で分別できることを確認
-DNAメチル化異常を指標とした解析を加えることにより、尿中剥離細胞から感度82.7%、特異度100%で尿路上皮がん患者尿が診断可能
知財出願や広報活動等の状況
・論文:平尾佳彦、永井秀典各1編
・出展:国際バイオテック(東京ビッグサイト)(H24.4)
・出展:機械要素展(インテックス大阪)(H24.10)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功、H25年の事業化を目指す
・無償サンプルあり(依頼分析、サンプルでの検討が可能)
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化→検査システム(本体価格)・消耗品を安価にして迅速性も含めて低コストを実現
・省スペース化→臨床現場にコンパクトに設置でき、簡単操作
・その他→癌細胞の検出、採取から遺伝子診断につながる新規の研究の可能性
今後の実用化・事業化の見通し
・既に臨床研究を進めており、より効率の良いプロトコールを検討し、販売にあたっては代理店との交渉を実施
-サポイン事業において作製した試作機が大型であったため、専用機にして小型廉価版の「小型細胞診断装置」「細胞検出器」「高速遺伝子診断装置」製作を進めている
-研究開発については、奈良県立医科大学泌尿器科で臨床研究を継続している。今まで以上に効率のいいプロトコールを検討中であり、25年3月までに確立できる予定
-販売体制につき、大学関係、民間の研究機関関係それぞれ得意な代理店と交渉中である。また、これとは別に展示会などからのルートで直接販売ルートも検討中である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | マイクロニクス株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 関西ティー・エル・オー株式会社 |
研究等実施機関 | 株式会社ピー・ドゥ 国立大学法人京都大学 公立大学法人奈良県立医科大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | マイクロニクス株式会社 |
---|---|
事業内容 | 創薬関連機器・バイオ関連機器、環境計測機器・分析前処理機器、医療機器、OEm受託機器を中心にメカ・電気・ソフト設計スタッフを揃えてユーザーのニーズにこたえる研究開発型メーカーです |
本社所在地 | 京都府久世郡久御山町田井新荒見24番地1 |
ホームページ | www.micronix.co.jp |
連絡先窓口 | 営業技術部課長 八木健介 |
メールアドレス | ken_yagi@micronix.co.jp |
電話番号 | 0774-46-8303 |
研究開発された技術を探す