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精密加工

日本初!国内産国玉の製品化と販路拡大

岩手県

久慈琥珀株式会社

2023年2月4日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 ジェット粉末の高品位・高効率成形技術の研究開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 自動車、スマート家電、宝飾品・アクセサリー・文具
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、デザイン性・意匠性の向上
キーワード 宝石、琥珀、久慈、国内初、太古
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成29年度~令和1年度

プロジェクトの詳細

事業概要

久慈市では、ジェットの原石の産出が確認されたが、原石にき裂が生じるため、宝飾品に加工するのは困難であった。ジェットを粉末にして加熱成形することを試み、宝飾品としての原材料を製造することを可能としたが、様々な製品に展開するために、高度な量産技術の確立が必要である。高精度粉体成形技術を応用し、複雑形状を十分な高品位・高効率で製造することを可能とする生産システムを開発し、ジェット製品の事業化を行う。

開発した技術のポイント

・ジェット成形品の基礎材料評価
硬さ・抗折力評価、被削性評価
・異形状品のネットシェイプ成形
角部C面、狭小角部評価、パイプ薄肉、半球薄肉性評価
・高効率化生産システム開発
カセット金型システム、計量・予加熱システム、加熱・加圧成形システム、冷却システムを用いての1サイクルのリードタイムの50%減
粉体製造システム
・バックアップ成形技術
パイプ状および半球状部品のインサート成形、薄板製品傾斜機能成形
・琥珀との2色成形技術
金型構造の考案と成形条件、2色成形の試行と評価

具体的な成果

・ジェット成形品の基礎材料評価
硬さ・抗折力評価:最適成形条件として、粉体粒径50μm以下、加圧力500MPa、保持時間6分以上であることが分かった。
被削性評価:最適切削条件は、直径0.5mmのエンドミルで、回転数32,000rpm、送り6,000mm/min、切込み量0.05mmであることが分かった。
・異形状品のネットシェイプ成形
角部C面、狭小角部評価:角部C面 0.4以上とすることで、粒径180μmでもカケの発生は無かった。狭小角15°でもカケの発生は無かった。
パイプ薄肉、半球薄肉性評価:パイプ薄肉形状では、直径10mm、長さ40mm、肉厚2mm、半球薄肉形状では、直径10mm肉厚2mmで成形が可能であったが、歩留りが悪い、または、成形後の経時劣化により、破損してしまうなど課題が残った。
・高効率化生産システム開発
1サイクルの製造時間が合計58分となり、目標の1時間以内を達成した。
粉体製造システム:1日当りの粉砕量は2,500g以上を達成した。
・バックアップ成形技術
パイプ状および半球状部品のインサート成形:ジェット自体にワレが発生しやすく、試行した成形品がすべて破損してしまった。
薄板製品傾斜機能成形:得られた成形品の抗折力は、PEEK3%のものが最大の31MPaとなり、目標の20MPa以上を達成した。
・琥珀との2色成形技術
金型構造の考案と成形条件:琥珀との2色成形を実現する金型構造を考案し、2色成形試験を行った。
2色成形の試行と評価:成形された2色成形品は、ジェット部が成形後、1週間ほどで破損するという経時劣化の問題があることが分かった。

知財出願や広報活動等の状況

特願2018-47471「ジェット材料の製造方法及びジェット材料」
特願2020-39732「成形製品、成形製品の製造方法及び成形製品の成形型」

研究開発成果の利用シーン

パイプ状インサート成形で成形されたパイプ形状部品は、ボールペンのペングリップに使用する。
薄板製品傾斜機能成形された薄板製品は時計の文字盤として用いる。
国内初のジェットを使用した新しいアクセサリー(ブローチ、ブレスレット、ネックレス、イヤリング等)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

国内初のジェットを使用した新しいアクセサリー(ブローチ、ブレスレット、ネックレス、イヤリング等)を開発する目途が立ったが、
課題として、ジェット成形品の経時劣化とジェット粉末中の異物除去の問題がある。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

ジェットの粉体成形に関する基礎的な知見を得たこと及びジェット粉体製造から、粉体成形までの生産技術システムを構築できたことである。
成形体の抗折力が最大となるジェット粉体の最適成形条件を見出し、ジェット成形品の切削加工が可能であることが判明した。
ジェット粉体成形の生産技術として高効率な製造方法を確立し成形サイクル1時間以下を達成した。
粉体製造については、粉砕機のカスタマイズにより、1日当りの粉砕量2,500g以上を達成し、振動式ふるい機の導入およびタッピングボールの使用によりふるい分けの高効率化も実現した。

今後の実用化・事業化の見通し

国内初のジェットを使用した新しいアクセサリー(ブローチ、ブレスレット、ネックレス、イヤリング等)
ジェット単体の成形品では数ヶ月以上経つと、経時劣化によるワレや耐久性が低下する問題がある事が分かり、琥珀をバインダーとして使用する事で、その対策の可能性を見出した。
印鑑やボールペンのペングリップなどの商品化の検討をすることができた。
ジェットを使用したアクセサリーの商品化に向けた量産化の取組を行い、販売準備を進める。

実用化・事業化にあたっての課題

ジェット単体の成形品では数ヶ月以上経つと、経時劣化によるワレや耐久性が低下する問題
熱可塑性樹脂のバインダー適用による薄肉成形の技術確立
ジェット粉体中の異物除去

事業化に向けた提携や連携の希望

通販会社や宝飾店との取引

ジェットイメージ

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 久慈琥珀株式会社
事業管理機関 公益財団法人いわて産業振興センター
研究等実施機関 国立大学法人岩手大学
アドバイザー ポーライト株式会社 品質管理統括部
シチズン時計株式会社 国内時計営業本部
セーラー万年筆株式会社 文具事業部
株式会社ジャストウェーブ 

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 久慈琥珀株式会社(法人番号:5400001007940)
事業内容 琥珀装飾品の製造加工ならびに販売、琥珀博物館の営業
社員数 55 名
生産拠点 岩手県久慈市
本社所在地 〒020-0857 岩手県久慈市小久慈町19-156-133
ホームページ http://www.kuji.co.jp/
連絡先窓口 久慈琥珀株式会社 製造部 下館さつき
メールアドレス simodate@kuji.co.jp
電話番号 0194-59-3821