精密加工
「石油由来ゼロ」「有機溶剤ゼロ」次世代アルミ加工の新常識 次世代アルミ加工の新常識
~SDGsに対応し、環境負荷を低減しながら高精度加工技術を提供~
大阪府
能勢鋼材株式会社
2026年2月9日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | アルコキシド反応を用いたSDGs対応環境負荷低減加工技術高度化に関する研究開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 精密加工 |
| 対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、航空・宇宙、半導体、工作機械 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、環境配慮 |
| キーワード | 環境配慮、洗浄不要 |
| 事業化状況 | 研究実施中 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本事業は、航空・宇宙産業を中心とした高精度アルミニウム部品加工において、環境負荷と作業者リスクの低減、生産性および品質の飛躍的向上を目的とする研究開発である。
大阪大学で研究されているアルコキシド反応膜技術を応用し、再生可能原料100%のSDGs対応超仕上げ加工液を開発するとともに、最小量精密供給システムおよび計算科学による加工条件最適化技術を確立する。これにより、切削抵抗低減、加工面精度向上、洗浄工程の水洗浄化、廃棄物90%削減を実現し、航空宇宙分野における持続可能で競争力の高い生産技術の社会実装を目指す。
開発した技術のポイント
本技術のポイントは、アルコキシド反応により加工面で生じる化学反応と切削挙動の関係を現象として捉え、加工品質向上の本質要因を明確化した点にある。加工中に形成される反応膜が潤滑性を安定的に発現し、切削抵抗の低減と加工面精度の向上を同時に実現することを、加工結果・洗浄性・再現性の検証を通じて確認した。これにより、従来は経験や勘に依存していた加工条件設定を、現象に基づく理解へと転換している。また、再生可能原料100%の加工液を用いることで、加工後の残渣が水洗浄で完全に除去できる超親水性を実現し、工程短縮と品質安定化を両立した。専用供給機構と組み合わせることで、加工液の効果を必要最小限で確実に発現させ、環境負荷低減と量産適用性を高い次元で成立させた点が、本技術の中核である。
具体的な成果
・SDGs対応超仕上げ加工液の開発
ー加工面精度Ra=0.2以下の超仕上げ加工を安定的に実現
ー引火点100℃以上かつGHS危険有害性区分に非該当の安全な加工液を確立
ー純水による洗浄で残渣ゼロ(洗浄率100%)を達成
・最小量精密供給システムの開発
ー従来方式に比べ加工液消費量を90%削減
計算科学を用いた最適加工条件の予測方法の確立
ー実測値とシミュレーション結果の誤差を10%以内に抑えることに成功
知財出願や広報活動等の状況
以下技術について国内特許出願を実施済み。
・SDGs対応超仕上げ加工液
・専用最小量供給ノズルシステム
・加工条件最適化に関するシミュレーション技術
研究開発成果の利用シーン
開発したSDGs対応超仕上げ加工液および供給・シミュレーション技術は、航空宇宙産業における主翼や胴体など複雑構造物の加工工程において、生産性と加工精度を両立する技術として利用可能である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本技術は現在、事業化に向けた検証段階にあり、開発した加工液や供給装置の単独事業化には至っていない。現時点では、自社の加工工程に適用し、実加工を通じて加工品質、再現性、洗浄性、工程短縮効果などの実績データを蓄積している段階である。特に、加工条件や対象形状による効果の違いを把握し、技術が安定して機能する範囲を明確にすることを重視している。現段階では技術の拡販よりも、加工結果に基づく信頼性の確認を優先しており、今後、蓄積した実績を基盤として、加工受託を起点とした展開や加工液・装置の段階的な事業化を検討していく。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
本技術は、従来の加工液に比べ安全性・環境性・精度で優位性を持つ点が大きなPRポイントである。また、従来方式に比べ加工液消費量を90%削減し、生産性を維持したことは、環境負荷低減とコスト削減の両面で価値を持つ。加えて、計算科学モデルや摩擦状態の可視化技術を導入したことで、従来は熟練者の経験に依存していた加工条件の最適化を数値化・標準化できるようになった。
今後の実用化・事業化の見通し
今後は、現在進めている実加工によるデータ蓄積を継続し、加工条件・対象形状・材料ごとの効果と再現性を整理することで、本技術の適用範囲と信頼性を明確化していく。まずは自社加工を中心に実績を重ね、品質安定性や工程短縮効果を具体的な数値として示せる状態を目指す。その上で、顧客要求や認証条件への適合性を段階的に確認し、加工受託を起点とした事業展開を進める計画である。加工液および供給装置については、実加工で有効性が確認された仕様を基に、用途や分野を限定した形での展開を検討する。将来的には、航空・宇宙分野で得られた知見を基盤として、医療、半導体など高精度・高清浄性が求められる分野への応用も視野に入れ、段階的かつ確実な事業化を図っていく。
実用化・事業化にあたっての課題
本技術を実用化するにあたり、主な課題は、加工対象や条件が多様な実環境において、効果と再現性を安定的に確保する点にある。航空・宇宙分野では形状や材質、要求品質が案件ごとに異なるため、加工液および供給条件の適用範囲を十分に整理する必要がある。また、新たな加工液・供給方式を導入する際には、既存設備や工程との親和性、作業手順の標準化も重要となる。さらに、顧客要求や認証対応のためには、加工結果に関する客観的データの蓄積と長期的な安定性評価が不可欠である。現時点では技術の有効性を示す事例は得られているものの、量産適用や他拠点展開を見据えた検証は今後の課題であり、実加工を通じた継続的な検証と条件整理が実用化の鍵となる。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | 能勢鋼材株式会社 KSC事業部 |
|---|---|
| 事業管理機関 | 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ |
| 研究等実施機関 | 国立大学法人大阪大学 |
| アドバイザー | 滋賀県東北部工業技術センター 他 |
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | 能勢鋼材株式会社(法人番号:6120001000948) |
|---|---|
| 事業内容 | ステンレス鋼、チタン、アルミニウム合金など多様な金属材料を取り扱い、調達から切断・加工・納品までを一貫して担っている |
| 社員数 | 78 名 |
| 生産拠点 | 本社(営業事務所・製造工場)_ 大阪市旭区高殿1丁目2番25号、名古屋営業所_愛知県一宮市猿海道2丁目6-20 、滋賀工場(営業事務所・製造工場)_滋賀県犬上郡甲良町在士738 |
| 本社所在地 | 〒535-0031 大阪府大阪市旭区高殿1-2-25 |
| ホームページ | https://www.nose-sus.co.jp/company/ |
| 連絡先窓口 | 能勢鋼材株式会社 KSC事業部 課長 中山 晃祐 |
| メールアドレス | k.nakayama@nose-sus.co.jp |
| 電話番号 | 06-6922-7631 |
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