精密加工
フレネルレンズの集光効率向上により集光型太陽電池システムの高効率化を実現し、グリーンエネルギー実用化に貢献
京都府
嶋田プレシジョン株式会社
2022年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高性能フレネルレンズ用金型および金型材料の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車、電池、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(精度向上)、環境配慮 |
キーワード | 超精密切削加工、高転写樹脂成形、電析Ni合金めっき、フレネルレンズ、集光型太陽電池 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成24年度~平成26年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
変換効率の高い集光型太陽電池システムの主要部品性能の高効率化により、太陽光発電ロードマップ2020年目標達成に寄与する。電池セルに太陽光を集光するフレネルレンズの表面およびその形状を超鏡面(10nm未満)・高精度(1μm以下)に加工し、エネルギー損失を減少させる。レンズは射出成形法で製作することから、金型の超精密切削加工技術ならびに加工性の高いめっき新材料の開発により目標を達成する
開発した技術のポイント
集光型太陽電池システムの主要部品であるフレネルレンズの集光効率を(現行78%から)85%以上に向上できる金型技術および金型材料を開発する
(新技術)
・金型の超精密切削加工技術ならびに加工性の高いめっき新材料を開発した
・加熱冷却成形による高転写射出成形技術を開発した
(新技術の特徴)
レンズ表面を面粗さ10nm以下の超鏡面化し、形状を1μm以下まで高精度化することで、エネルギー損失を減少させる
具体的な成果
・高集光効率フレネルレンズの開発
・集光効率において、市販プレス品レンズの83.4%を上回る、89.7%を達成した
・射出成形による金型形状の樹脂レンズへの高転写性技術開発
・抜き勾配を適正に設定したレンズの設計製作を実施し連続成形を可能とした
・5つのレンズを組み合わせ構成した複合フレネルレンズの設計製作を実施した
・延性電析Ni合金めっき皮膜の超鏡面・超微細切削加工の開発
・ダイヤモンド工具の長寿命化
・延性電析Ni-Pめっき材料の品質安定化技術開発
・高速かつ平坦めっき製造条件の開発
研究開発成果の利用シーン
・集光型太陽電池システム向けフレネルレンズ
・集光型太陽電池システム向けフレネルレンズ用金型
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
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提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、製品製造
製品・サービスのPRポイント
・フレネルレンズの集光効率を向上させ、集光型太陽電池システムによる電力の価格を低減
‐めっき材料、切削加工、金型構造および射出成形の技術開発を総合してフレネルレンズの集光効率を89.7%まで向上させた
‐これにより集光型太陽電池システムを高効率化させることができるため、グリーンエネルギー実用化に向けて、太陽光発電システムによる電力価格の低減に貢献する
・高精度加工技術の多用途展開が可能
‐面粗さ10nmの鏡面化や、1μm以下までの形状高精度化技術は、樹脂製の多様な光学製品での活用が可能であり、用途の拡大に貢献する
今後の実用化・事業化の見通し
・現状広く使用されているシリコンパネル太陽電池と比較し、集光型太陽電池システムは追尾装置など含め構成も複雑でコストを要するため、普及は進んでいない。
・他分野での光学部品での技術活用に期待する
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社野村鍍金 |
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事業管理機関 | 一般財団法人大阪科学技術センター |
研究等実施機関 | 嶋田プレシジョン株式会社 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 国立大学法人神戸大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 嶋田プレシジョン株式会社(法人番号:1300-01-014657) |
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事業内容 | プラスチック射出成形ならびに金型設計製造、およびプラスチック光学部品の製造販売 |
社員数 | 70 名 |
本社所在地 | 〒612-8291 京都府京都市伏見区横大路天王後50 |
ホームページ | http://www.shimada-precision.co.jp/ |
連絡先窓口 | 技術グループ 二俣圭吾 |
メールアドレス | k_futamata@shimada-precision.co.jp |
電話番号 | 075-611-6405 |
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