情報処理
GNSSと画像認識による高効率な自律走行無人草刈りロボットの研究開発
岩手県
和同産業株式会社
2021年2月18日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 画像認識を用いた高効率な自立走行無人草刈りロボットの研究開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、ロボット、農業、情報通信、電池、半導体、工作機械、エレクトロニクス、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮) |
キーワード | 草刈、ロボット、自動、無人 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
勾配や果樹・障害物がある果樹園やメガソーラの下草の伸長量や未草刈り部及び樹木やポールなどの障害物を画像認識して、自ら走行ルートを決定し効率的に草刈りを行い、電池の残量減に対応し自動帰還・充電を行う自律型ロボットを開発する。
開発した技術のポイント
・草刈り効率向上
-人工知能を用いた画像認識(刈跡認識)
-高精度測位(RTK-GNSS)
-慣性センサ(9軸センサ)による自己位置推定
・エリア設定労力軽減
-高精度測位(RTK-GNSS)と慣性センサ(9軸センサ)によるエリア設定
-人工知能を用いた画像認識による充電ステーションとの位置合わせ
・サービス性向上
-スマートフォンへ故障診断結果表示
-ICTを活用したメンテナンス情報の表示
-アップデートプログラム配信
具体的な成果
・並行走行による高効率作業の実現
-作業エリアに沿った走行パターンを自動生成するプログラムを開発。
-障害物の多い場所でも並行走行が可能な、刈跡および樹木や障害物を認識するAIによる画像認識アルゴリズムを開発・実装。
-RTK-GNSS測位が不可となる場所での自己位置推定のため、9軸センサを搭載し誤差制度5%を実現。
・作業エリア設定のワイヤレス化
-RTK-GNSS測位により作業エリアの外周となる座標を記憶し、その座標をつないで作業エリアを設定するプログラムを開発。
-充電ステーションの座標を記憶させ、任意の位置からの帰還ルートを生成し、帰還と作業エリア復帰を行うプログラムを開発。
-充電ステーションのARマーカをAIを用いて画像認識し、ドッキングするアルゴリズムを開発・実装。
知財出願や広報活動等の状況
画像処理とGNSSを利用した自律走行技術に関する特許を出願予定(海外展開を前提しているため、海外も含めた特許申請を予定)。
研究開発成果の利用シーン
果樹園地並びにメガソーラー設置場所のように果樹・ポールの様な立体的な障害が多数存在するほか斜度、凹凸が激しい土地の草刈を無人で自律走行しつつ幹回りを含めた草刈り。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
事業化に向け、更なる制御性能向上、デバッグ作業、追加試験等を予定している。また従来に加え、新たな販路・販売形態・サービス手法の導入を検討している。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
果樹園地並びにメガソーラー設置場所のように果樹・ポールの様な立体的な障害が多数存在するほか斜度、凹凸が激しい土地の草刈を無人で自律走行しつつ幹回りを含め草刈りを行える。搭載されたカメラから得られた画像を高速に処理することで障害物を認識し、障害物までの距離を高精度で推測し、際まで刈り込みを効率よく行うことが可能である。更に、同技術をもって草の刈跡を認識することで、未了のエリアを検出し重複を最小限に抑えて無駄のない草刈りを行い、高効率作業を実現できる。
今後の実用化・事業化の見通し
中長期的に見て電動化・自動化の市場は拡大しており、本ロボットはその中核モデルであり、先駈けとして市場投入することで事業基盤の改善につながると見込んでいる。その際販売手法として、従来の販売店流通ネットワークに加え、通信販売・ネット販売の導入やリース・サブスクリプションの検討する。またサービス手法として、従来の販売店での補修に加え、新たなサービス網の導入や、クラウド等を活用したサービスの実現を検討する。
実用化・事業化にあたっての課題
事業化に向けて制御などの更なる精度向上やデバッグ作業が必要である。また草刈ロボットの精度のみならず、市場にある様々なエリア条件に対して適合させる必要もある。ゆえに今後は、これまでのテストフィールドとは別のエリアでの実証評価を多数行い、草刈ロボットの精度向上と様々な条件への適合性向上を図る。具体的には、令和2年7月から12月にかけて、果樹園や緑地管理地・メガソーラー発電所を中心に実証試験を継続して実施する。さらに、既存の草刈ロボットの課題として、エリアワイヤ設置の多大な工数やエリア面積の制限、獣害などによるエリアワイヤ切断などの改善が求められている。ゆえに、エリアワイヤ撤廃が画像認識による高効率作業より優先度が高いことから、RTK‐GNSS測位技術の事業化を最優先課題と位置付け、GNSSマップを作成して"ランダム走行で高効率な草刈作業"の実現を第1ステップとして事業化に取り組む。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 和同産業株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人いわて産業振興センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人岩手大学 |
アドバイザー | 東北農業研究センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 和同産業株式会社(法人番号:8400001005529) |
---|---|
事業内容 | 除雪機械・草刈機・農業機械の開発・設計・製造および販売 |
社員数 | 295 名 |
生産拠点 | 本社工場・花巻営業所 岩見沢営業所 長野営業所 岡山出張所 |
本社所在地 | 〒025-0035 岩手県花巻市実相寺410番地 |
ホームページ | https://www.wadosng.jp/ |
連絡先窓口 | 商品開発課 嶋 大輔 |
メールアドレス | d_shima@wadosng.jp |
電話番号 | 0198-24-3228 |
研究開発された技術を探す