文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 遺伝子組換えカイコの繭による医薬品製造プラットフォームの構築と途上国向け感染症診断薬の開発

バイオ

遺伝子組換えカイコの繭による医薬品製造プラットフォームの構築と途上国向け感染症診断薬の開発

沖縄県

リムコ株式会社

2023年2月12日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 遺伝子組換えカイコの繭による医薬品製造プラットフォームの構築と途上国向け感染症診断薬の開発
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 医療・健康・介護、農業
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、低コスト化
キーワード 抗体、抗原、感染症、カイコ
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 令和1年度~令和3年度

プロジェクトの詳細

事業概要

日本発の「遺伝子組換えカイコの繭による医薬品・診断薬用途の有用タンパク質製造プラットフォーム」の大量飼育技術確立により量産体制を構築し、
<1 安心、安全、低コストの感染症診断原薬の開発>
<2 コールドチェーン未整備の途上国用途に向けた感染症診断薬原薬の熱耐性の向上>
<3 1・2を利用した途上国向け感染症診断キットの開発>
を行う。

開発した技術のポイント

・遺伝子組み換えカイコの飼育方法を確立し、1万頭スケールでの大量生産体制を構築した。
・目的タンパク質を「中部・後部絹糸腺」に同時発現させ、発現量を増大させた。
・カイコ繭由来の有効タンパク質精製工程を最適化し、品質向上と低コスト化を実現した。
・感染症診断薬原薬の熱耐性向上を実現した。
・発展途上国向け感染症診断キットを開発した。
・中国の感染症診断薬メーカーにてサンプル評価を実施し、既存品と比較して8~16倍感度が高いと評価された。

具体的な成果

・確立した遺伝子組み換えカイコへの生産系を系統維持しつつ、大量生産体制(1万頭スケール)を確立することに成功した。
・中部絹糸戦と後部絹糸戦への同時発現を行い、更に実用品種化(交配による繭増大)により、目標の発現量を達成した。
・抽出液から凍結溶解による不純物(セリシン分画)を析出し、濃縮後、ゲルろ過による精製法を最適化し精製工程の簡略化に成功した。
・診断薬原薬となるマウスIgG抗体において、定常部へのSS結合導入による安定化を達成し、特許出願を行った。
・耐熱化抗体を用いて改良型のELISAキットを開発した。

知財出願や広報活動等の状況

・感染症診断薬原薬の熱耐性向上について、産業技術総合研究所と共同特許を出願済み。
・世界最大の展示会MEDICAやアジア最大のBio Japanに出展。

研究開発成果の利用シーン

コールドチェーン未整備の国でも品質を損なわず使用できる熱耐性を持った感染症診断薬原薬を製造し、感染症診断キットを低コストで提供する。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

遺伝子組み換えカイコの大量飼育プラットフォームの構築を目的とした1万頭飼育体制の実現、川下メーカーのニーズ及びコストを満たすための有用タンパク質発現量増大の実現、途上国でも流通可能な熱安定性向上を実現、特許出願を行った。また、事業化に向けて製品のサンプル評価(国内1社、海外1社)を行い、他サンプルよりも高評価を獲得。海外診断薬メーカーによる診断キットの試作化を行い、当該メーカーがOEM製造したキットの国内外への販売を計画している。

製品・サービスのPRポイント

遺伝子組み換えカイコの大量飼育のプラットフォームを確立できたことにより、人的・技術的の両面において有用タンパク質の量産体制を構築した。また、途上国でも流通可能な熱安定性が高い感染症診断薬原薬を開発したことで、発展途上国向け感染症診断キットを低コストで提供できる。

今後の実用化・事業化の見通し

・中国の診断薬メーカーで本製品を活用した診断薬キットの試作に成功しており、今後はこれらの製品向けの原料供給に加え、当該メーカーがOEM製造したキットの国内外への販売を計画している。
・「Bio Japan」などのイベント・展示会出展、個別の営業活動により、新たな販路開拓活動を実施予定。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 リムコ株式会社
事業管理機関 公益財団法人沖縄科学技術振興センター 研究部
研究等実施機関 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究所 生物機能利用研究部門 新産業開拓研究領域 カイコ機能改変技術開発ユニット
国立研究開発法人産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 構造創薬研究グループ

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 リムコ株式会社(法人番号:4360001014455)
事業内容 カイコ事業、診断試薬事業、研究開発事業
社員数 6 名
本社所在地 〒904-2234 沖縄県うるま市州崎12-75 沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター106号室、107号室
ホームページ http://rimco.jp/
連絡先窓口 リムコ株式会社 事業部長 渡邉 智
メールアドレス watanabe@rimco.jp
電話番号 098-923-2071