複合・新機能材料
蒸散冷却建材の強度(剛性、靱性)を向上させつつ、薄手化による軽量化を両立させる
山口県
海水化学工業株式会社
2022年2月17日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 剛性と靱性を両立させた革新的複合材料による蒸散冷却建材の研究開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 建築物・構造物 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 省エネ、除熱、データセンター、冷凍、冷蔵 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
省電力性に優れた既存の蒸散冷却外装材について、近年川下企業より超軽量化・高強度化及び低コスト化が要求されている。本研究では、蒸散冷却建材のバインダーに、新たな概念の三次元相互貫入型繊維強化技術を適用し、大幅な高強度化・薄手化・軽量化を実現する。一方、成型時に材料の流動性を制御する複合系粘弾性配合及び流動・均一化促進金型構造研究の2面より、大幅な収率向上・コスト半減を達成する。
開発した技術のポイント
・強固なバインダー構造の開発
-材料の高緻密度化及び、複合材料化
・複合材料成形技術開発
-特殊増粘構造材他を含む特殊配合の確立
-金型投入量安定化、均一充填流動、脱型時保形性の実現
・省電力消費実証試験及び省エネルギーシミュレーションシステムの開発
-定常、および非定常熱流収支をベースにした省エネルギーシミュレーション基礎式を確立
具体的な成果
・強固なバインダー構造の開発
-剛性、靭性の強化については、曲げ強度4~8N/㎟、変形率1.7%の系を得られた
-凍結融解性能(JIS A 1435 B法)で、100サイクル以上の系を得られた
・複合材料成形技術開発
-材料の最適充填性及び脱型時保形成を向上した配合開発においては、チキソ性、流動性向上を実現、90%以上の収率を得た
-骨材均一充填促進金型の開発では、表層均一充填効果を確認
・省電力消費実証試験及び省エネルギーシミュレーションシステムの開発
-省電力消費効果の確認と、材料開発へのフィードバックを目的として、4種類の試験区における通年データを連続計測
-省エネ設計実施のためのシミュレーションシステムの確立により、作成された計算ソフトで表面温度、熱流の計算値と実測値が概ね一致することを確認
知財出願や広報活動等の状況
・日経新聞掲載(2021年5月28日)
・商標取得(除熱王:2021年3月31日)
研究開発成果の利用シーン
蒸散冷却建材の重量半減と低コスト化を実現することで、インターネットデータセンターをはじめとした通年所熱用途建築物への普及が進み、それによって省エネルギー性の向上や省エネ関連法規の満足を実現する。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
現在開発された最適構造において、川下企業とへ事業化の可能性を模索しながら、継続研究を行う。
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
従来製品と比較して、薄くすることによる重量半減、さらにコスト低減。さらに軽歩行が可能である。
今後の実用化・事業化の見通し
現在は、現時点の最適構造を元に宮城県以南や鹿児島県、沖縄県を皮切りに川下企業への事業化の可能性を模索している。
並行してさらに最適な構造の実現に向けた継続研究を行い、価格を引き下げることを目標とする。
実用化・事業化にあたっての課題
現在開発された最適構造については、事業化を目指す川下企業の模索。
さらに最適な構造を求めての研究開発は継続し、予定されている価格の15,000~16,000円/㎡を最終的には12,000円/㎡程度に引き下げることを目標とする。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 海水化学工業株式会社 |
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事業管理機関 | 地方独立行政法人山口県産業技術センター |
研究等実施機関 | 地方独立行政法人山口県産業技術センター 国立大学法人山口大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 海水化学工業株式会社(法人番号:1250001002011) |
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事業内容 | 環境関連商品の研究開発・販売 |
社員数 | 3 名 |
本社所在地 | 〒747-0026 山口県防府市緑町一丁目10-20-1101 |
ホームページ | https://www.kaisuikagaku.com/ |
連絡先窓口 | 永橋和雄 |
メールアドレス | rd@kaisuikagaku.com |
電話番号 | 0835-22-8105 |
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