複合・新機能材料
フランウッド
岡山県
富士岡山運搬機株式会社
2024年12月6日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 国産針葉樹(スギ・ヒノキ)の高付加価値化に資する革新的フラン樹脂化技術の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 建築物・構造物 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、環境配慮、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | スギ、ヒノキの高付加価値化 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
熱帯産広葉樹材の中には重厚で硬く、耐久性が極めて高い樹種があるが、それらは乱伐により資源が枯渇しており再生も不可能とされている。当事業では、豊富な賦存量があるスギ・ヒノキ等の国産針葉樹材(人工林木)の硬度と耐久性、さらには審美性の向上を、農業系廃材から作られる「フラン系薬剤」の含浸と、木材中での樹脂化により達成し、貴重な熱帯産広葉樹材の代替となる「スーパーウッド」製造のための新技術の開発を目指す。
開発した技術のポイント
・常温保存ができかつ加熱で完全な樹脂化が進むフラン系薬剤の開発
‐実用上充分に安定なフルフリルアルコール(FFA)処理薬剤を開発する目標を達成した。
‐FFA処理薬剤は、加熱により効率的に樹脂化できることを確認した。
・新たに開発したフラン系薬剤で木質材料に付与される基本的な物性の評価
‐ASE50%以上を十分に満たす寸法安定性を維持した。
‐部分圧縮強さは、スギ材で最大、無処理時の2.9倍、ヒノキで2.2倍だった。
‐腐朽試験による重量減少率3%以下を満たすことができた。
・実大材を効率的に処理できる処理(薬剤含浸・乾燥・反応)装置の開発
‐実大材が処理できる反応・乾燥装置の開発を行い、注入率80%を実現できた。
・実物大製品の試作と評価
‐目視で、使用に問題がある大きな割れ、曲がり、そりは見られなかった。
具体的な成果
・安定剤を添加することで、40℃の保存でも、14日間安定な薬剤の調合の開発に成功した。
・長さ40cm程度の木材のフラン樹脂加工処理方法を確立することができた。
・寸法安定性、曲げ試験等の機械的性質、耐腐朽性能等の物性試験において、目標を達成した。
・長さ2mの木材のスケールアップにおいて、樹脂化処理の条件を見出すことに成功した。
知財出願や広報活動等の状況
特許査定通知を得て、国際特許移行出願済み、また、周辺特許も申請中
研究開発成果の利用シーン
寸法安定性、曲げ強度等の機械的性質や耐腐朽性能などが向上した高付加価値なスギ・ヒノキ材の提供
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
商品化について、ルーパー、デッキ、外壁、ベンチなどの用途で、すでに多くの案件の引き合いがある。今後は、流通コストがかからないよう直販を主体に販売を進めるとともに、促販に活用できるような目立つ案件への納品を優先させ、経年変化のモニタリングができるようにしていく。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
新しいフラン樹脂化技術の開発によって、国内に大量に存在するスギ・ヒノキの高付加価値化が可能となり、国内林業の活性化、国産材利用の促進、熱帯産広葉樹資源の枯渇化問題に貢献することができる。
今後の実用化・事業化の見通し
商品化について、ルーパー、デッキ、外壁、ベンチなどの用途で、すでに多くの案件の引き合いがある。今後は、流通コストがかからないよう直販を主体に販売を進めるとともに、促販に活用できるような目立つ案件への納品を優先させ、経年変化のモニタリングができるようにしていく。
実用化・事業化にあたっての課題
生産量が極端に小さくコストが高い状態である。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 富士岡山運搬機株式会社 建材事業部 小原冨治雄 |
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事業管理機関 | 公益財団法人岡山県産業振興財団 ものづくり支援部 |
研究等実施機関 | 京都府立大学 生命環境科学研究科森林資源循環学研究室 教授 宮藤久士 岡山県農林水産総合センター 森林研究所木材加工研究室 専門研究員 道場隆 |
アドバイザー | 前田建設工業株式会社 一級建築士事務所アトリエ天工人 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 富士岡山運搬機株式会社(法人番号:2260001020184) |
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事業内容 | 機械建材等の卸売、建材の開発製造販売 |
社員数 | 80 名 |
本社所在地 | 〒708-0884 岡山県津山市津山口111−1 |
連絡先窓口 | 公益財団法人岡山県産業振興財団 ものづくり支援部次長 石部 裕之 |
メールアドレス | ishibe@optic.or.jp |
電話番号 | 086-286-9651 |
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