材料製造プロセス
次世代型核酸医薬ドラッグデリバリーシステム開発
大阪府
株式会社ナノビヨンド
2023年2月12日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 次世代核酸創薬開発を加速させるデリバリーナノ粒子の製造システムの確立 |
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基盤技術分野 | 材料製造プロセス |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | 核酸医薬、DDS、ナノ粒子 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
核酸専用ナノ粒子「NBPD粒子(NanoBeyondPlatformDelivery)」の開発に成功した。効率よく癌・炎症組織に到達し、患部全体に浸透できるのが特徴である。数例の末期癌患者における治療的有効性を確認し、GLP基準のサル安全性試験も終了した。本事業では製造システムの確立を実現し、核酸医薬品の開発を加速させる。
開発した技術のポイント
・独自に開発した化合物Pに着目した化学的分散による、800〜1000nm粒子の収率100%。
・速やかに反応を停止することが出来る反応停止液を開発することに成功し、分散性が向上。
・反応停止剤の添加による中空フィルター目詰まりの抑制。
・TAITEC社製凍結乾燥機(VD-250R)を用いて排気量50L/min、到達真空度0.067Paにて、10時間処理したサンプルは、きれいな凍結乾燥ケーキ層を形成し、凍結乾燥が可能となった。
・NBPDの分散性を上げる添加剤の探索。
・誠南工業による攪拌手の開発により、反応バッグを上下にもむことで反応液を温和に混ぜることが可能
具体的な成果
・粒子凝集体の形成阻害、粒子径の縮小、分散性の向上によるNBPD粒子の品質向上を確立した。
・凍結乾燥の条件を試行錯誤した結果、輸送や長期保存においてもNBPD粒子の品質確保が出来るようになった。
・NBPD粒子の大規模合成や合成の自動化に最適な反応条件を見出すことができた。これまで30分を要した反応時間を5~7分まで短縮できた。この短縮は効率化だけでなく粒子の良質化にも寄与する。
・誠南工業株式会社と共同でNBPD粒子の合成に最適化された独自の自動合成機を開発した。
・治療的核酸や反応に用いられる試薬、合成された粒子に関して、小・中大動物を用いて安全性を証明することが出来た。
更に、腫瘍局在制等もそれぞれの粒子で確認することが出来た。
研究開発成果の利用シーン
NBPDはまず研究試薬として使え、その国内市場は年間100億である。有用な核酸医薬候補を大量に備蓄している。
研究機関、医療機関、製薬会社等は数多くいるが、DDSが無いために研究が頓挫している。大規模合成の自動化が確立し中大動物の安全性が保証できたことから、様々な製薬企業がNBPDに興味を示しており、継続的に複数の会社と面談を実施し、今後の本格的なビジネス展開ができるようになってきた。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
ドイツの化学総合メーカーであるEVONIK社は、弊社のNBPD技術に興味を持っており、既に共同研究に向けて秘密保守契約を結んだ。いくつかの製薬会社より、本事業のNBPDに関する情報収集のための面談依頼があり1社につき30分ずつ説明した。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
1.核酸医薬分野、2.癌検査治療分野、3.炎症治療分野などの臨床の場で使える医薬品NBPDの創薬。
NBPD粒子製造過程の最適化により反応時間を30分から5~7分まで短縮し粒子を良質化しつつ腫瘍組織への運搬能力を向上したNBPD製造技術。
今後の実用化・事業化の見通し
以下のスケジュールで推進する予定である。
・2022年より、粒子製造器を使って核酸医薬を搭載した粒子製剤を作成する。共同研究ベースで動物実験用に複数の企業に弊社で作成した粒子を試用してもらう。東京大学獣医外科でネコの乳腺腫瘍に対して治験を行う。
・2023年には各企業で使用された製剤の有用性が広く認知され、オーダーメイド品としての販売を受け付ける。
・2023年に企業提携または AMEDより資金を得て粒子製造器を用いてフルコースの前臨床試験を行う。
・2024〜2025年 粒子製造器を用いて MIRTXを搭載した粒子を作成し、ヒト固形癌に対する第1相臨床試験を開始する。
・2026年以降、NBPDを擁して核酸医療の急速な進歩が期待される。
・2030年以降に機器販売が爆発的な伸びをみせ、年々売り上げが増加する。
実用化・事業化にあたっての課題
自動で大量合成が可能となった NBPD粒子の更なる安全性を保証するための高衛生環境の樹立が重要となる。
NBPDの認知度を上げることが必要。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ナノビヨンド |
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事業管理機関 | 一般財団法人大阪科学技術センター |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ナノビヨンド(法人番号:4120001215507) |
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事業内容 | 医薬品製造 |
社員数 | 4 名 |
本社所在地 | 〒567-0085 大阪府茨木市彩都あさぎ7丁目7番15号バイオインキュベータ210号室 |
連絡先窓口 | 株式会社ナノビヨンド 柴田理志 |
メールアドレス | s.shibata@cs-tech.co.jp |
電話番号 | 072-641-8100 |
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