複合・新機能材料
大腿骨骨折治療法の革新
岐阜県
株式会社ビー・アイ・テック
2023年2月17日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 感染治療機能を有する複合材料製人工股関節の研究開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(医療用インプラントと薬剤とのコンビネーションの活発化) |
キーワード | 医療機器、薬剤、コンビネーション、関節機能再建、感染治療の同時実施 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
人工股関節を、現在の金属製から炭素繊維強化PEEK樹脂製とし、その優れた疲労強度を生かして金属では実現不可能な内部の空洞と薬剤流出用の小孔群を設け、人工関節内部に入れた薬剤を徐放させる「局所・高濃度・長期放出機能」を有する人工関節を開発する。そして通常の人工関節と同様に荷重をかけたり関節運動が行える関節機能の再建と、感染治療とを同時に行うことができる画期的な感染治療技術を実現する。
開発した技術のポイント
骨と確実に固着し、荷重負荷に耐え、既存の人工関節と同様の機能が再建され、感染治療も同時に行うことができる炭素繊維強化PEEK樹脂製人工関節を完成した。人工関節内部に入れた薬剤の「局所・高濃度・長期放出機能」を有する人工関節を開発するという目標を達成した。
具体的な成果
・薬剤を徐放させる方法の確立
‐1ヶ月程度の期間にわたり、薬剤を徐放させる剤型法を確立
・複合材料製薬担構造ステムの開発
‐構造コンセプトを設定し、薬事で規定される強度を有することを実験と解析で証明
・大型動物による非臨床試験
‐新規感染治療用人工股関節を用いた大型動物実験にて、100%の治癒に成功
研究開発成果の利用シーン
整形外科分野の感染の起炎菌の大部分を網羅できるバンコマイシンに適応している。形成促進剤に適応を広げれば、人工関節後の骨萎縮を予防できる可能性もあり、骨萎縮に伴う軽微な外傷でのインプラント周囲骨折を予防できる可能性がある。また、抗がん剤を扱う製薬メーカーが目をつけてくれれば、転移性骨腫瘍に対して局所集中的な治療をしつつ人工関節として機能させることが可能で癌ロコモ対策にもなり得る可能性もある。また、人工膝関節や髄内釘など他の整形外科インプラントに適応を広げる可能性を秘めている。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
薬担可能な複合材料製人工股関節ステムの基本技術は開発完了した。事業化のためには、本技術製品の医療認可取得が必要である。また、担荷薬剤に関しては、薬剤メーカとの連携が必須であり、事業化に向けての戦略を再構築中である。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・3ヶ月以上の治療期間短縮が見込まれる。
・3ヶ月以上荷重をかけないことによる骨や筋肉の萎縮や、筋肉の短縮による拘縮が防止できると考えられる。
・医療費の大幅な削減が期待できる。
今後の実用化・事業化の見通し
現在注力中の大腿骨骨折治療用医療機器(製品名:メディカーボ・ヒップネイル)の事業展開と並行し、本研究成果事業化方策を具体的にしていく。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ビー・アイ・テック |
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事業管理機関 | 国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科 株式会社ビー・アイ・テック |
研究等実施機関 | 国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科 独立行政法人国立病院機構 大阪南医療センター |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ビー・アイ・テック(法人番号:6200001008280) |
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事業内容 | 製造販売業・医療機器 |
社員数 | 13 名 |
本社所在地 | 〒504-0837 岐阜県各務原市那加甥田町125 |
ホームページ | https://www.bitec.jp |
連絡先窓口 | HPお問合せ先 |
電話番号 | 058-260-3900 |
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