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測定計測

自己発電型小型省電力センサータグ

長野県

日本ミクロン株式会社

2023年3月1日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 産業設備、インフラ、車両等の無線によるIoT化を実現する小型ハーベスティングセンサーとデータ処理システムの開発
基盤技術分野 測定計測
対象となる産業分野 航空・宇宙、建築物・構造物、工作機械、エレクトロニクス、物流・流通
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード 無線、自己発電、小型、省電力、センサー
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 令和1年度~令和3年度

プロジェクトの詳細

事業概要

センサー情報を無線伝送し、IoT化を進めるデバイスとしてセンサータグがあるが、既存品は、配線、電源、通信方法に多くの課題を抱えている。本提案では、航空機向け金属RFIDタグを開発した技術を応用し、自己発電動作し、配線不要で、どこでも設置可能な、小型・省電力センサータグの開発を行う。さらに、情報収集・分析の自動化可能なシステムを構築し、IoT/AI技術や安全確認用途に貢献するものを開発する。

既存技術との比較表
開発した技術のポイント

・サイズ44x22x4.6mm、総合電力7.8μWの小型、省電力センサータグを開発し、量産仕様として問題がないことを確認
・振動発電ハーベスタを開発し、現場環境の生産ラインで十分な電力量が得られ、センサーデータの取得ができることを確認
・省電力動作可能なRFID通信方式を利用した送受信ソフトウェアおよびセンサーデータのリアルタイム表示ソフトウェアを開発

具体的な成果

・小型、省電力化センサータグ開発
‐動作消費電力を20μW以下に低減し、ハーベスタの微小電力でも動作を可能とする省電力目標を達成
‐製品サイズを44x22x4.6mmと従来製品体積比88%小型化することを達成
‐通信電力も含めた総合電力を7.8μWとすることが可能な省電力化専用ICを開発
‐部品内蔵基板として作り込むことで耐環境性を高め、信頼性高く現場のセンサデータが収集可能な製品として完成
・小型、大容量な環境発電装置(ハーベスタ)開発
‐熱電発電ハーベスタにて47μW、振動発電ハーベスタにて100μW程度の発電電力を達成
‐センサータグにハーベスタを組み込み、現場環境の生産ラインや設備に取り付けた状態で、無線でセンシング動作可能な製品として完成
・センサータグとPC間のデータ送受信と、データ収集・表示システム開発
‐RFID通信方式を利用し無線で、データ送受信制御、センサーの動作設定変更、複数センサータグのデータ収集が可能なソフトウェアとして開発
‐現場環境でのセンサーデータの取得から、演算処理、データベース化、グラフィカル表示まで可能なシステムとして完成

小型省電力センサータグ
センサーデータのファイリング・リアルタイム表示ソフトウェア
知財出願や広報活動等の状況

・広報活動
-令和4年2月 信濃毎日新聞への記事掲載
-令和4年6月 JPCAショーでのセンサータグ製品PR
-令和4年9月 自動認識展でのセンサータグ製品PR
-令和4年10月 産学官連携交流会in松本2022にてセンサータグ製品紹介

研究開発成果の利用シーン

・開発した小型省電力センサータグを利用し、温度・振動などのセンサーデータを収集することで、生産設備の予知保全・保守管理を行い
 生産性の向上が可能となる。
・無線でバッテリーレスで自己発電による動作が可能なため、配線の設置やバッテリー交換が困難な場所での利用が可能となる。
 また、バッテリー廃棄物による環境負荷の低減をすることも可能となる。
・従来のセンサーデバイスに比べ、配線設置費用・バッテリー交換費用がかからないため、導入コスト・ランニングコストの低減に寄与することもできる。
・従来製品に比べ大幅に小型化をしたことで、狭い空間や取付けエリアが限定される箇所など、環境を選ばず利用することが可能となる。
・センサータグ内に部品類を内蔵することで、既存のセンサーデバイスに比べ信頼性が高く、耐環境性の必要な環境でも利用することができる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

一部メーカーに評価品としてセンサータグ製品を販売。
展示会でのPRなどを通じ興味を持っていただいたユーザーへ、現場でのセンサーデータ取得実演を行い販売活動を継続中。
ユーザー要望を聞きながら、量産に向けた製品の改善・改良も引き続き実施中。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

・データ収集のための配線、給電のための電源配線の無い、無線利用可能なセンサータグが実現できた。有線では設置やメンテナンスが困難な箇所にも利用可能となる。
・周辺環境の微小電力でも動作可能なエナジーハーベスタによるセンサータグを実現できた。従来の無線タグのように電源バッテリーを必要としない。
・様々なセンサーのデータを、一括して取り扱い可能な仕組みを構築した。Webブラウザ上からユーザーが同じ操作感で、様々なセンサーデータを取り扱うことを可能とした。

今後の実用化・事業化の見通し

・2023年度は、製造業ユーザー様での現場評価とデータ収集を行い、製品改良を加え完成したセンサータグの本格販売を目指す。
 ユーザー様要望のある、センサーの高度制御可能なアクティブタグ開発と、アクティブタグの省電力制御技術に関する追加研究開発も引き続き行う。
 販路拡大には、JPCAショー、自動認識展などの展示会での自社PRとともに、取引のある商社様とも共同で取り組み、数千万円の売り上げを見込む。
・2024年度以降は、既存の取引のある商社様以外のルートも開拓し、必要に応じ追加設備投資を行い、1億円以上の事業として育てることを目標とする。

実用化・事業化にあたっての課題

・アンテナ設計と製品材料の検討による通信特性向上
・電気設計の最適化によるロス低減、省電力化
・川下企業から要望のあったアクティブタイプへの対応、ソフトウェア機能の充実
・通信やデータの信頼性も含め、システム全体の信頼性を高める

事業化に向けた提携や連携の希望

製造業界で無線センサーによるデータ取得利用を検討している企業様での実地試験協力を希望
小型無線通信アンテナの設計知見を有する大学・企業との協力を模索中

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 日本ミクロン株式会社 本社工場 技術部
事業管理機関 公益財団法人長野県産業振興機構 諏訪センター
研究等実施機関 国立大学法人信州大学 工学部
長野県工業技術総合センター 精密・電子・航空技術部門

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 日本ミクロン株式会社(法人番号:3100001019687)
事業内容 電子回路基板・ICパッケージ用基板・RFIDタグの開発設計及び製造販売
社員数 68 名
生産拠点 本社工場
本社所在地 〒394-0048 長野県岡谷市川岸上3-4-5
ホームページ https://www.nihon-micron.co.jp/
連絡先窓口 日本ミクロン株式会社 野田 達郎
メールアドレス noda@nihon-micron.co.jp
電話番号 0266-23-8373