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精密加工

高品質の蓄電池用カーボン成形体を開発

北海道

株式会社FJコンポジット

2023年2月16日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 蓄電池用カーボン成形体における高性能化と高速製造の研究開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 環境・エネルギー、電池
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、環境配慮、低コスト化
キーワード 蓄電池、カーボン、炭素
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和1年度~令和3年度

プロジェクトの詳細

事業概要

出力変動の大きい自然エネルギー由来の電力供給量を増やすためには、レッドクスフロー電池(RFB)などの大型蓄電池を用いることが有効。本開発では、RFBの主要部材である双極板に要求される高い耐食性と通電性に対応するため、炭素粉末と耐食性の高い熱可塑樹脂を用い圧縮成形する製造技術を開発する。熱可塑樹脂の濡れ性の悪さを高圧プレスにより解決し、高い物性と高速成形による製造コストの低減を両立させ、RFBの普及に貢献する。

開発した技術のポイント

1.カーボン成形体の高性能化
・樹脂製造メーカーとの共同研究により、従来より高性能のP-6材を開発。
・体積抵抗値5mΩcmを達成。
2.金型成型技術の開発
・高圧プレス機の導入により、成型時の温度条件や圧力、プレスの解放タイミングの成型条件を確立した。
3.高速成型技術の開発
・双極板全自動成型ライン(S-MARC)の導入により、製造速度5分/枚を達成。
・必要製造人員、従来比1/10に抑えることにより、大幅なコスト削減を達成。

具体的な成果

1.カーボン成形体の高性能化
P-5材より高性能のP-6材を開発した。RFB双極板の高性能化において、当初の目標では体積抵抗値5mΩcmを達成を掲げていた。
達成進捗は100%であり、曲げ強度については従来の物性値を大幅に上回る結果となった。
2.金型成型技術の開発
高圧プレス機導入により、成型時の温度条件や圧力、プレスの解放タイミングなどの相関性を明らかにした。
多様な材質および形状の金型を、より素早く低コストにて製作することもできた。
3.高速成型技術の開発
双極板全自動成型ライン(S-MARC)の導入により、製造速度5分/枚を達成。
さらに、品質の安定や製造員1名のみで管理ができるため、大幅なコスト削減の効果も得られた。

研究開発成果の利用シーン

本事業を通じて開発された技術は、構造が似ている燃料電池セパレータへの応用展開が可能である。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

既存の双極板は金属(チタン)の薄板のプレス加工後に、金メッキなどによるコーティングが施されている。そのため、製造コストが高いだけでなく、生産性も悪い点が課題である。
しかし、本事業にて開発された双極板製造技術を適用すれば、高性能化と低コスト化の実現が可能である。2030年度には、市場規模が49,275億円ともいわれている莫大なマーケットへの参入が期待できる。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

本事業のポイントは以下の通りである。
・カーボン成形体の物性の高性能化
・高圧プレス機による金型成形技術の高度化
・高速成形技術の確立
特に、最終年度に導入した全自動製造システムにより、製造工程を全自動化を実現できた。
製造速度は5分/枚と生産性が良く、品質の安定や製造員1名だけで管理ができるため、大幅なコスト削減の効果も得られた。

今後の実用化・事業化の見通し

製造コストの低減と、高速成型技術開発のために全自動化ラインを構築した。
今後は、全自動化ラインの製造能力などを確認するために、量産試作の双極板として評価用サンプルの依頼へと進む。
22年度に量産試作で良い結果が得られた場合には、次年度以降は量産化に近づける見込み。

実用化・事業化にあたっての課題

本開発にて製造コストを低減と、高速成型技術開発のための全自動化ラインを構築した。今後は、全自動化ラインの製造能力を確認するため、量産試作の双極板として評価用サンプルの依頼へと進む予定である。22年度に量産試作で良い結果が得られれば、次年度以降は量産化へ近づくことが見込まれる。
RFBは他の二次電池と比較して、安全性が高く、寿命も長い。しかし、コスト面においても優位性を示すことが重要である。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社FJコンポジット
事業管理機関 公益財団法人北海道科学技術総合振興センター
研究等実施機関 国立大学法人北海道大学 大学院工学研究院機械・宇宙航空工学部門 エネルギー変換システム研究室
アドバイザー 国立大学法人室蘭工業大学 もの創造系領域 機械航空創造系学科機械システム工学コース教授 清水 一道

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社FJコンポジット(法人番号:4080101010317)
事業内容 プラスティック製品製造業
社員数 33 名
本社所在地 〒066-0009 北海道千歳市柏台南2丁目2-3
ホームページ https://www.fj-composite.com/#one
連絡先窓口 株式会社FJ コンポジット 専務取締役 文 盛載
メールアドレス moon@fj-composite.com
電話番号 0123-29-7034