精密加工
新たな長尺鋼用精密加工装置の開発により、安全性が重視される現場で使用するシームレスパイプの提供が可能に!
和歌山県
柏木鉄工株式会社
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | オンサイト形状計測機付き長尺鋼管の精密加工装置の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 農業、産業機械、工作機械、光学機器 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
原子力や石油プラントなどで使用される400種以上の材質、径、肉厚を持った長尺シームレスパイプでは安全性が重視され、パイプを供給している川下企業からは厳しく品質確保が求められている。とくに傷検査は重要であり、そのために精密な微細溝を加工したテストパイプが必要であるが、加工時間、精度、対象パイプ等に問題がある。本事業では溝形状を計測しながら加工可能な長尺鋼管用精密加工装置を開発し、問題解決を図る
開発した技術のポイント
溝形状を計測しながら加工可能な長尺鋼管用精密加工装置を開発する
(新技術)
長尺鋼管用精密計測装置を開発し、溝形状を計測しながら加工が可能な技術を確立する
(新技術の特徴)
・新しい計測装置によって今まで計測できなかった寸法の計測や溝形状の修正が可能になる
・加工機に直接取付ができるので、加工しながらリアルタイムでの形状計測が可能になる
具体的な成果
・エンドミルが折損しないための高速加工条件の検討
-品質工学の直交表を利用した実験を用いて、エンドミルが折損しないための高速加工条件を導出した・パイプ内における小型三次元形状計測装置の開発
-ガラス格子をレンズの右に置く場合でより鮮明な投影格子を獲得した
・内面切削加工装置への実装
-改良した超小型計測装置を再度実装して、精度検証などの検証実験を実施した
・実装した加工機による加工精度の検証
-計測誤差は0.012mm~0.005mmを達成した
研究開発成果の利用シーン
・原子力や石油プラントで使用される安全性が高いシームレスパイプ・表面の欠陥があると重大な問題を引き起こす製品の出荷前検査
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に向けた開発を継続している段階である
・実用化までには、1.パイプ内の微細溝向け計測装置はマーケットが小さく、計測装置を量産化して売ることができないだけではなく、量産化体制や販売ルート獲得が課題である2.超小型計測装置の計測精度、計測速度、計測対象などの条件向上3.試作機の小型計測装置の改良が必要、などの問題が残されている
製品・サービスのPRポイント
・作業工程の短縮化とコスト削減に寄与
-従来のパイプ加工では、傷検査と加工の同時並行ができず、独立して実施されていた
-加工機取付型形状計測装置で加工しながらリアルタイムで形状計測できるようになったことで、作業工程の短期化と工程にかかるコストの削減に寄与することが可能になった
・加工精度が向上したことで、溝の種類が拡大し、製品群の拡充に寄与
-内径がφ70パイプに装入できることによって、内径がφ7小さいパイプにも対応できるようになった
-また、計測誤差が20μm以下になったことで、計測機器の信頼性が高く.用途の拡大に寄与することが可能になった
今後の実用化・事業化の見通し
汎用性を持たせる為計測範囲を広げられるよう、引き続き和歌山大学と協力しながら研究を続けて行く予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 柏木鉄工株式会社 |
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事業管理機関 | 関西ティー・エル・オー株式会社 |
研究等実施機関 | 一般社団法人モアレ研究所 株式会社アーツテックラボ 国立大学法人和歌山大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 柏木鉄工株式会社 |
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事業内容 | 製鉄工程における連続鋳造設備関連の製作や補修、改造が主力の事業また、多品種小ロットの金属部品の製作や難作材の加工も得意 |
本社所在地 | 和歌山県和歌山市福島89 |
ホームページ | http://www.kashiwagi-tekko.co.jo |
連絡先窓口 | 周暁尭 |
メールアドレス | shu-shoyo@kashiwagi-tekko.co.jp |
電話番号 | 073-451-3131 |
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