研究開発された技術紹介

産業用ワイピングクロス分野では高拭取・油吸着機能等が、ヘルスケア分野では吸水・速乾機能や皮膚への低刺激性能を実現可能な超極細繊維加工技術が求められているが従来技術では、生地のハンドリングの問題でニーズ対応に限界がある。割繊加工技術を高度化することで、ナノ繊維の持つ大表面積効果や独特の風合いを発現させるニット組織加工技術及び省エネルギー割繊・染色技術を同時に確立し、高機能・高感性な製品開発を行う

ナノ繊維の割繊加工技術の高度化により、ナノ繊維の持つ大表面積効果により発現する高い機能性や独特の風合いによる高感性を活用できるニット組織加工技術を確立し、ユーザーが求める高い機能性や感性を満足させる超極細繊維製品を省エネルギーで実現する割繊・染色一体加工技術を開発する
(新技術)
割繊加工と染色加工を一体的に、かつ完全自動・省エネルギーにて行う
(新技術の特徴)
・非常にソフトでデリケートな風合の繊維の生産が可能になる
・エネルギーの消費量や廃液の量を抑えられるため、加工に伴う環境負荷を低減させることができる

・省エネ型割繊・染色加工装置の開発
‐割繊染色の完全自動化、30%以上の割繊と染色の同時加工、割繊に必要な加工液の削減を達成した
・効率的な割繊・染色加工プログラムの開発
‐染色加工時間の短縮、トータルコストの削減、蒸気使用量の削減等を達成した
・量産型加工機の開発
‐割繊後の単繊維直径を僅か700nmにできた
‐生地の曲げ剛性を従来比の1/3にできた
・製品試作と評価
‐完全自動化した量産型加工機の試作に成功した

ソフトでデリケートな風合の繊維を、低コスト・低環境負荷で生産することができる割繊・染色加工装置

サポイン事業を実施したことで、アドバイザーである川下企業とのつながりを一気に深くすることが可能となり、事業化への道筋に期待を持つことができる段階にまで到達することができた

・肌触りが格段に良い繊維製品の提供が可能になり、製品ラインアップの拡大に貢献
‐割繊加工品質が向上し、割繊後の短繊維直径を従来製品の1/4以下である700nmにすることが可能になった
‐この繊維を用いることで、従来品よりも遥かに肌触りの良い高品質な繊維製品の生産が可能になり、肌触りの良い製品を求める消費者に対して高い品質の製品が提供可能になるとともに、製品のラインアップ強化が期待される
‐結果、消費者のニーズを満たした製品の売上の増加が期待できる
・割繊・染色にまつわるあらゆる経営資源の節約による生産コスト削減に貢献
‐割繊・染色の完全自動化を達成するとともに、割繊に必要な加工液の量を減らして割繊に要するエネルギーの量を抑え、割繊後に出る廃液の量の減少等により割繊・染色にかかるトータル‐コストを従来比で半減させ、染色加工時間を従来比で25%削減する
‐機器の操作に要する人手、廃液の処理費用、染色に要する時間といった様々な経営資源の節約につながり、割繊・染色の際の生産コスト削減に貢献できる

さらに付加価値の高い超極細繊維製品の開発により一層注力していくことでさらなるレベルアップを急ぎ、事業化を目指す予定である