精密加工
刃物表面への3層構造非粘着処理で切れ味が持続!-多層フィルムや粘着シート・テープ使用産業に貢献-
大阪府
日東商事株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 切れ味の持続性に優れた刃物の表面処理技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車、光学機器 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成23年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
近年ディスプレイ分野や急成長している電池関連市場など、多くの産業分野で高機能フィルム資材の果たす役割は非常に重要となってきている。この分野では機能性高分子多層フィルムや粘着シート・テープが多用され、その切断時では、はみだし粘着剤等が多量に発生し、付着による刃物の切れ味の劣化等が問題となっている。この問題を解決する為、刃物に非粘着処理を施し、切れ味が持続する表面処理技術の開発を行う。
開発した技術のポイント
切れ味が持続する刃物の提供のため、切れ味の持続性に優れた刃物の表面処理技術(新技術となる3層構造)の開発を行う
(新技術)
シリカベースの3層構造非粘着表面処理技術を開発する
(新技術の特徴)
・切れ味持続に必要な機能を各層で分担することが可能になる
・第1層:基材との密着(耐久)性、防錆性、第2層:すべり性、第3層:非粘着性
具体的な成果
・安定した品質の3層構造非粘着処理技術を確立
-塗布溶液の選定を行い、主成分濃度の最適値を選定できた
-第1層の最適膜厚、第2層粒子の粒子径、被覆率の最適値を選定できた
-最適な膜、粒子を安定的に生成する為に、塗布装置であるスプレーの噴霧圧、噴霧量、塗布回数の最適値を見出し、さらに焼成温度と時間の最適値を選定できた
・上記技術を評価するための、量産時に対応できる適正な性能評価技術を確立
-第3層のシリコーンオイルは、海外からの輸入品であるために、供給、品質に不安定要素があったが、代替品を自社で生産できる目途が付いた
-量産時に必要な安定的な噴霧量を制御するために、1m/分の塗布量制御を可能とする吐出量安定化制御装置を自社開発できた成果の生産に要する設備
研究開発成果の利用シーン
・あらゆる刃物に対する非粘着処理
・刃物以外に、金型への非粘着処理(離型効果を上げることが可能になる)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・研究開発の成果は、成果の展示会への出展、学会での発表、中小機構J-GoodTech(マッチングサイト)へと掲載した(4月より)
・ピクナル刃、トムソン刃、ゲーベル刃の試作出荷より採用実績がある
製品・サービスのPRポイント
・表面処理技術の開発により、各種性能の向上を実現
-3層で防錆性と基材への密着性、滑り性、非粘着性を実現した
-3層で最大2μmの厚みなので寸法に影響を与えず刃先まで塗布が可能になった
-接点不良をおこす低分子シロキサンカットタイプのシリコーン選択も可能になった
・成形サイクルの短縮によるコスト削減に寄与
-非粘着処理により離型不良が低減したことで、離型スプレーが不要になり(離型効果の持続)、成形サイクルの大幅短縮と材料コストの削減につながった
・刃物分野において多大な効果を発揮
-粘着剤付着の大幅減少に寄与する
-切断粉を減少させる
-スリット速度がアップする
-タクトタイムを短縮する
今後の実用化・事業化の見通し
・今後は、展示会への出展によるより幅広いニーズの取り込み、刃物メーカーとのタイアップによる販売の促進を進める予定である
・コア技術となる非粘着性、摺動性の良さに着目し、刃物、金型分野以外への展開の可能性を探るとともに、ユーザー自身が再コートできる(メンテの簡素化)技術を開発し提案する
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 日東商事株式会社 |
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事業管理機関 | 日東商事株式会社 |
研究等実施機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 MSR株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 日東商事株式会社 |
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事業内容 | シリカ系塗布製造、工業用ゴムをはじめとする工業用品、オマールエビやキャビアなどの高級食材、繊維機械の部品を取り扱い |
本社所在地 | 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4丁目12番5号 |
ホームページ | http://www.nittoshoji.co.jp/ |
連絡先窓口 | 商品開発部課長 三田敏生 |
メールアドレス | eg@nittoshoji.co.jp |
電話番号 | 06-4808-6881 |
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