精密加工
振動・熱変形等を自律制御し、微細形状創成を可能とする次世代型の超精密加工機械を開発する
岐阜県
株式会社ナガセインテグレックス
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 低振動化・温度自律補正機能を有した超精密加工機械の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 農業、産業機械、工作機械 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自由曲面上にナノ精度機械加工(3Dナノインプリント)によって機能創成をすることが切望されている。本研究は、フェムト秒レーザー照射による特異な表面構造発現の繰り返しを、再現性がナノメーターオーダーの超精密マシンで行うことにより、自由曲面にサブミクロンオーダーの微細形状を創成することができる次世代型ナノ加工装置の開発を行う
開発した技術のポイント
振動・熱変形等を自律制御し、サブミクロンオーダーの微細形状創成を可能とする次世代型の超精密加工機械の開発
・自由曲面上の形状精度:2µm→1.5µm以下
・微細形状加工精度:2µm→0.5µm以下
・ワーク加工時間:100時間→10時間
(新技術)
<機能創成:形状創成された表面にさらに微細形状を追加する等、新たな機能を付加>
・必要なところにナノレベルの加工を施す
・スマートビームで表面研磨、溝入れ、穴加工、形状加工が可能
(特徴)
・新加工機は、機械加工、レーザー加工の複合機
・加工材料の種類や形状により機械加工とレーザー加工の条件を組合わせ、機能部品を製作
具体的な成果
・油圧振動の低減機構開発
‐脈動が発生するメカニズムを詳細に検討。可視化実験を通じて、レイノルズ数と脈動の関係につき、多くの知見を得た
・温度自律補正機能の開発
‐自律温調システムの回路を構想。同システムに必要な熱交換器についてシミュレーション解析を実施
・加工主軸の開発
‐回転や発熱量をセンサで測定し、その情報を基に静圧油の温度・流量を制御し、振動・熱変形を抑え、安定して回転する主軸を設計した
・レーザー加工ユニットの開発
‐スマートビームを搭載したレーザー加工ユニットを開発
・加工技術の開発
‐開発機の加工精度を検証したところ、技術的な目標値を達成
・微細加工の検証及び評価
‐開発ユニットにてポリイミドへの加工を行い、難加工材の加工も可能なことを確認
‐開発ユニットにてグラッシーカーボンの加工を行い、立体的な形状の加工が可能なことを確認
・目標値に対する実測値一覧
〜青板ガラスの溝加工結果から、溝の線幅6µm以内の達成を確認。格子状に加工した溝のピッチ計測結果から、微細加工精度0.5µm以内の達成を確認〜
知財出願や広報活動等の状況
・特許:「精密加工機械」(特開2011-051026)
・出展:JIMTOF2012(H24.10~11)、中部ものづくり基盤技術展(H23.12)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H23年度の実用化に成功
・試作・サンプル提供可(ユーザーの部品加工テスト等)
製品・サービスのPRポイント
・精度向上→開発した温度自立補正機能は、機械周辺の温度変化に対応して機械の補正を行い、加工精度を1μm以上に保つ
・省エネルギー→温度を周りの環境に合わせることで、電力の省エネに対応する
・低コスト化→自律的に温度補正を行うことで、精度安定化のため機械温度を一定にするまでの時間を削減できる
今後の実用化・事業化の見通し
補完研究を継続しつつ、開発が完成した機能から販売を開始
・サポイン事業において完成していない一部の装置について、省エネ化を考慮した装置として補完研究を継続中。また、振動対策等につき、10nm以下の目標を目指して研究を継続中
・今回の研究成果は部分的なものでも実用化ができているため、開発が完成している機能から販売を行っている
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ナガセインテグレックス |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人岐阜大学 学校法人東洋大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ナガセインテグレックス |
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事業内容 | 工作機械、鍛圧機械、電子測定機器、産業機械の製造販売 |
本社所在地 | 〒501-2605 岐阜県関市武芸川町跡部1333-1 |
ホームページ | http://www.nagase-i.jp |
連絡先窓口 | 製造本部技術部取締役部長 板津武志 |
メールアドレス | itazu@nagase-i.jp |
電話番号 | 0575-46-2846 |
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