複合・新機能材料
力学的特性に優れた熱可塑性CFRP中間材料(非連続炭素繊維熱可塑性樹脂等方性シート)の製造及び成形
石川県
サンコロナ小田株式会社
2020年4月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 非連続炭素繊維熱可塑性樹脂等方性シート量産技術及び成形技術の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 自動車、ロボット、産業機械、工作機械、物流・流通 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(小型化・軽量化)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | CFRP、プレス成形 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成26年度~平成28年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
金属代替となりうる熱可塑性CFRPについて、これまで検討してきた炭素繊維拡繊技術を用いて、樹脂を含浸させ厚みを制御した樹脂含浸テープを短冊状に切断し、ランダム配置・積層する連続製造技術を検討し、スタンパブルシート化技術を確立することで、賦形性が良く、力学的特性に優れた熱可塑性CFRP中間材料(非連続炭素繊維熱可塑性樹脂等方性シート)を開発する
開発した技術のポイント
炭素繊維拡繊技術を用いて熱可塑性CFRP樹脂を含浸させ、厚みを制御した薄層樹脂含浸テープ(薄層テープ)を短冊状に切断し、ランダム配置・積層する連続製造技術を検討し、スタンパブルシート化技術を確立する
(新技術)
薄層テープを用いた、テープ切断技術、ランダム配向技術、積層技術による非連続炭素繊維強化等方性シートの製造技術
(新技術の特徴)
100μM以下の薄層で、樹脂と繊維が均質に分散し含浸され、低ボイドで、厚み変動が少なく、高品質である
具体的な成果
・連続製造装置基礎検討、テープ片の連続散布積層技術及び装置の開発を行った
・連続プレス装置を用いた長尺シートから、自動車部品を試作し、シート材料設計と耐熱性樹脂の導入を検討した
・シートの連続生産技術を検討し、散布から連続シート製造までの一連工程の技術確立に至り、自動車部品形状を用いて、実用条件で評価した
・材料の仕様による物性への影響を解析し、成形による材料流動による成形品物性への影響を検討し、材料の製造条件の適正化及びエンジニアリングシートの作成に至った
・当初の想定を大きく上回るシート製造装置化技術の確立に至った
知財出願や広報活動等の状況
特開2019-210417 繊維強化複合材料の製造方法
特開2018-203907 繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法
特開2018-062641 一方向プリプレグ、繊維強化熱可塑性樹脂シート、一方向プリプレグおよび繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法、ならびに、成形体
特許6176691 一方向プリプレグおよび繊維強化熱可性樹脂シート
特開2016-011403 一方向性繊維強化テープ状複合材の製造方法、製造装置及び当該テープ状複合材を使用したランダムシートの製造方法
研究開発成果の利用シーン
・薄層テープを用いた高賦形性の非連続炭素繊維熱可塑性樹脂シート製造技術
‐薄層テープは100μM以下の薄層で、樹脂と繊維が均質に分散し含浸され、低ボイドで、厚み変動が少なく、高品質である
‐このテープを用いることで、非連続炭素繊維熱可塑性樹脂等方性シートが連続製造できる
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
2019年4月から材料の販売を開始し、自動車等の用途とIT筐体や装具・シューズなどの「人に寄り添う用途」で客先での実用性評価を行っている。来年6月に実用製品として、国内スポーツメーカーから弊社材料を使用した製品が販売される予定となった。併せて、装具においても、来年9月に100台の客先導入が決定している。市場開発に於いて、石川県、地域の大学の協力を得ながら展示会等を活用し販路拡大を進めている。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・非連続炭素繊維熱可塑性樹脂等方性シートの効果
‐従来技術の課題を解決し、CFRPの量産性に優れたシートを提供する
‐厚み方向の積層が増え、等方性が高く、高強度
‐低ボイドにより、高品質の成形品が製造可能
‐予め樹脂含浸させることでプレス成形条件が低圧化
・新規機能
‐高い賦形性により、複雑な形状の成形品を製造
‐薄いテープを使用することで、薄肉CFRP製品ができる
‐連続シート製造により、長尺成形品が製造できる
今後の実用化・事業化の見通し
・国内及び海外の展示会に出展し、市場動向・ニーズの調査を行った
・また、ユーザーへのサンプル供給を行い、成形加工・実用性評価をユーザーにて進めているが、当初想定しなかった非自動車用途でも成形品の表面性、外観性、賦形性から引き合いがあり、用途開発を進めることができた
実用化・事業化にあたっての課題
製品コストの低減
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | サンコロナ小田株式会社 新規事業開発部 |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人石川県産業創出支援機構 プロジェクト推進部 技術開発支援課 |
研究等実施機関 | 株式会社すぎはら 開発室 石川県工業試験場 繊維生活部 学校法人金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター |
アドバイザー | 長瀬産業株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | サンコロナ小田株式会社(法人番号:4120001080100) |
---|---|
事業内容 | 繊維加工業 |
社員数 | 167 名 |
生産拠点 | 石川県小松市、山口県徳地町 |
本社所在地 | 〒923-0342 石川県小松市木場カ81 |
ホームページ | http://www.sunoda.co.jp/ |
連絡先窓口 | 新規事業開発部 小田宗一郎 |
メールアドレス | s-oda@sunoda.co.jp |
電話番号 | 0761-43-2268 |
研究開発された技術を探す