バイオ
健康志向型消費者のニーズに応える、低脂肪豆乳によるチーズ様食品素材の高速発酵製造プロセス開発に成功
宮城県
太子食品工業株式会社
2020年4月13日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 健康志向型植物性チーズ様食品素材の効率的発酵製造技術の開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 食品、化学品製造 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
植物性チーズ様食品(発酵豆乳チーズ)素材は、豆乳カードの熟成工程の非効率性がネックとなり実用化されていない。豆乳の脂肪含量コントロール技術によって調製した低脂肪豆乳を原料とすることにより、ヘルシー志向の川下ニーズに応えると同時に、カードへの高圧処理による熟成の高速化、当法に適した菌株の選抜による発酵効率化を要素技術とする効率的発酵技術を開発して、健康志向型植物性チーズ様食品素材の事業化を目指す。
開発した技術のポイント
豆乳の脂肪含量コントロール技術によって調製した低脂肪豆乳を原料とすることにより、ヘルシー志向の川下ニーズに応えると同時に、豆乳カードへの高圧処理による熟成高速化、発酵効率化を要素技術とする効率的発酵技術を開発する
(新技術)
高圧処理を活用して菌体内酵素を分泌、内部から酵素を作用させて熟成を加速させる
(新技術の特徴)
・発酵期間を短縮する
・濃縮低脂肪豆乳を用いることで、酸凝固させずに乳酸菌を均一に分散させる
具体的な成果
・カード調製条件の確立
‐スターターを分散させやすいカード調製法として、酸凝固法の他に豆乳濃縮法を開発した
‐濃縮低脂肪豆乳はpHを下げることなく高圧処理でゲル化することが判明した
・熟成条件の確立
‐選抜乳酸菌の性質を熟成条件に反映し、熟成を高速化できることを実証した
・乳酸菌の選抜と高圧条件の確立
‐好ましい熟成臭を生成し、高圧処理で死滅しやすい菌株のスクリーニング法を確立した
‐実機で対応可能な条件で使用できる菌株を選抜した
研究開発成果の利用シーン
・低脂肪豆乳を用いたチーズ様食品
・高速発酵製造プロセス技術
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・低脂肪豆乳を原料にして高圧処理を行い、7日間で発酵食品を製造するプロセスを確立した
・この製造プロセスに適した乳酸菌を選抜して、当菌のプロテアーゼをカード内部から作用させることで熟成を高速化し、ゴーダチーズ様風味を持つ試作品を製造できたことにより、実用化に成功した
製品・サービスのPRポイント
・消費者ニーズに応える植物性健康志向型食品素材の提供
‐健康志向の高まりにより、植物性、ヘルシーを志向する消費者をターゲットとした商品開発に応用可能な健康志向型食品素材が求められている
‐豆乳の脂肪含量コントロール技術によって調製した低脂肪豆乳を原料とすることにより、従来技術では提供出来なかった植物性チーズ様食品(発酵豆乳チーズ)の提供が可能である
・特許出願済の発酵加速化技術で量産が可能
‐高圧による発酵加速化技術(※)を確立したことにより、将来的に量産可能体制を構築する
※特許出願済:特願2012-282132
・日本で好まれる風味を実現
‐日本において、ナチュラルチーズの中でもゴーダチーズが最も好まれている
‐味・香り評価装置での評価で、ゴーダチーズに風味が近い試作品を得ることができた
今後の実用化・事業化の見通し
・事業化に向けて製造プロセスの最適化を検討し、確立した開発手法を用いてさらなる有効な微生物の取得を目指す
・業務用・外食用商品および一般消費者向け商品を想定しており、川下企業のアドバイスを受けながら商品設計・評価
・越後製菓株式会社の協力を得て高圧処理を委託する生産体制を構築、テスト販売により販売価格の妥当性と採算性を検証を進めるしていく予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 太子食品工業株式会社 古川清水工場 |
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事業管理機関 | 株式会社インテリジェント・コスモス研究機構 |
研究等実施機関 | 国立大学法人東北大学 大学院農学研究科 宮城県産業技術総合センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 太子食品工業株式会社 |
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本社所在地 | 宮城県大崎市古川清水字新田51-1 |
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