精密加工
航空機部品加工の精度・信頼性向上に向け、振動制御技術を高度化高精度高能率加工を実現する
岐阜県
徳田工業株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 航空機部品の薄肉軽量化及び、信頼性向上に対応した振動制御機能を有する高精度高能率加工技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
航空機部品は高い信頼性を有した軽量化が求められ、同時にコスト低減も強く求められている。そのため生産性向上を目指し高速加工に取組んでいるが、部品が薄肉化すればするほど切削時の振動が品質面・コストに大きな影響を与えている。本研究開発では切削刃具と薄肉化する部品の組み合わせによる振動特性の変動をデータベース化し、フィードバックできる自立制振機能を有した加工方法を開発し、高精度高能率加工を実現する
開発した技術のポイント
振動特性変動のデータベース化とフィードバック(自立制振機能)を可能にし、高精度高能率加工を実現する
・振動対策→高周波領域の共振帯0
・加工時間→20分→14分へ(周速150m/min)
・手仕上げ時間→20分→10分へ(周速150m/min)
・振動対策
‐加工中の時々刻々と変化する形状に対応した振動対策を行い、高精度高能率加工を実現する
(新技術)
<振動周期のリアルタイム計測・フィードバック制御を用いた加工法>
・主軸/テーブルの固有振動数を把握し、共振帯を回避
・使用する刃具ごとに安定限界曲線データベース化(不等ピッチ/不等リード刃具含む)
(特徴)
・振動周期のリアルタイム計測
・振動増大の予知技術
・自立制御機能
具体的な成果
・リアルタイム振動計測システム構築
‐5軸NC加工機に振動解析システム、切削動力計、ビビリ抑制装置を取り付けることで、切削加工中に発生する振動をリアルタイムに計測できるシステムを構築
・振動増大の予知技術の確立
‐振動解析システムを用いて刃具の固有振動数を計測し、切削刃具が安定して加工できる条件を導き出すことで、約40%の加工時間削減が見込めた
・加工時のフィードバック方式による自律制振機能確立
‐加工中の再生ビビリ振動に対しては、あらかじめ解析した安定加工条件から外れた時に、ビビリ抑制装置がスピンドル回転数を自動的に最適化、5軸NC加工機へフィードバックするシステムを構築
‐本システムにより、直線加工のみではあるが振動抑制・品質精度・面精度・手仕上げ時間の短縮を達成
・ビビリ抑制装置のあり、なしの比較/FFT解析(加速度計)
〜ビビリ抑制装置を使用すれば、直線部のみではあるが、加工時でも振動を抑えることができ、高周速領域での共振帯0の目標を達成〜
・加工時間
〜安定限界曲線を考慮した加工方法では、回転数、切削送り速度を速くすることができ、加工時間を短縮できた〜
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H26年度の実用化を見込み、補完研究を実施中
・切削振動のリアルタイム計測・振動増大予知機能・自律制振機能を有する加工システムの試作機あり
製品・サービスのPRポイント
・加工の効率化→切削振動制御技術を開発し、薄肉形状・中空形状かつ多品種少量な航空機部品の高効率加工に目途を付けた
・加工時間短縮→複雑形状・中空形状な部品加工における高精度化実現に目途を付け、従来の手仕上げ加工時間の50%削減が可能
今後の実用化・事業化の見通し
高回転数領域での振動抑制と工具寿命確保の補完研究を継続中
・形状加工における振動帯の解析を実施中で、工具の寿命管理等にはまだ至っていない。今後の事業化に向け、形状加工での振動を抑制し、工具寿命を延ばすことで、加工のコストダウンを図っていく予定
・現在は試験加工中だが、量産部品に対応できるように取り組み、事業化を目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 徳田工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人岐阜大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 徳田工業株式会社 |
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事業内容 | 航空機部品加工、治工具製作、工業用模型製作、各種デジタルシミュレーションサービス |
本社所在地 | 〒504-0957 岐阜県各務原市金属団地209番地 |
ホームページ | http://www.tokuda.co.jp |
連絡先窓口 | 生産技術部長 大木啓司 |
メールアドレス | ohki@tokuda.co.jp |
電話番号 | 058-380-0003 |
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